森三中・黒沢がスタッフのケンカを止めたひと言に一同絶賛(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『あちこちオードリー』

森三中・黒沢、かが屋、あのを迎えて、メンバーで話したいテーマを持ち寄る「もちこみオードリー」。黒沢の「仕事ってなんですか?」というテーマでは黒沢に「MCって楽しい?」と聞かれた若林は、段階があったと振り返りつつ答える。

「情報番組をやり出して5年くらいは佐久間さん呼び出して、なんで俺にはお笑いの番組が来ないんだって目の前でずっとグチるみたいな時期があって。でも、お笑いしか観てない剛腕な人たちが、お笑いだけの仕事をどんどん取っていくじゃないですか。それを横目で見てて、俺、こっちじゃないんだなって思ったときがあって。情報番組の進行とかばっかり来るから合ってるんだろうなって思うようになったんですよ」と語る。

さらにつづけて若林は、これから武田鉄矢みたいなことを言うと前置きした上で「『しあわせ』っていう漢字って『仕』+『合わせ』って昔書いてたんですって。仕事が合うことって幸せなのかなって。向いてるのかなって思ったらすごい楽しいですね」とまっすぐな仕事論を語る。

この日は驚くほど饒舌だった、あの。「友達付き合いどうしていますか」という自ら持ち込んだテーマで、2年ぐらい前まで友達ゼロだったが、今ちょっとできてきた。けれど、誘われるのは嫌だという。

あるとき「今飲んでるから飲まない?」と誘われて行ってみたら、そこには、言えないような芸能人がいたそう。「そういう人と飲みたいとかしゃべりたいわけじゃないのに、引っかかっちゃって罠に」「ちやほやしてるじゃないですか。本当に嫌で。みんながそのアーティストの曲を入れて、僕1曲も知らないし(笑)」「イライラしてくる、何がいいの?って」「ホントにつまんない」などと止まらない。若林から自分が素でいられる相手を聞かれると「アリ」と答えるあの。若林「俺、人間で聞いたんだけど……(笑)」。

賀屋のテーマは「自分で自分のことをカッコいいなと思った瞬間はありますか?」。それに対し黒沢は『ガキの使い』の「七変化」に出たときを挙げる。「ひとりで7つやらないと意味がないでしょと思って、ひとりで7つやった」と。これには一同カッコいいと唸る。さらに、プロデューサーとディレクターのケンカを止めたこともあると回想。急にキレることで有名な制作会社社長のプロデューサーと、初めて来た血気盛んな若いディレクターが揉め出したときに止めに入ったという。そのときのひと言が「演者の前」。これも一同絶賛。めちゃくちゃカッコいい。

「ライブ中は自分がカッコいいって思ってやってる」というあのは、学生時代イジメられていたということも述懐。斜め前の男の子もイジメられ始め、我慢の限界で「それやめないとお前の席がなくなるからな」と止めに入ったという。あのが想像を遥かに超えるくらい芯の太いロックな人なのだなと改めて感じた。そんな話を聞きつつなかなか順番が回ってこないで焦る加賀「みんなよすぎるな……」。

『千鳥のクセがスゴいネタGP』

スリムクラブの真栄田扮する不思議なおじさんが日本人へのメッセージを放つシリーズで、「通販」と題し、ネット通販をしている男の前に現れる真栄田が「おまえ目が定まってない」「物事を曖昧にして物事を明確に具体的にはっきりさせてない! 自分の目で見て耳で聞いて心で感じて初めて自分のものになるんだろう?」と説教をしていく。

スタジオではゲストの片平なぎさらがネット通販の話。彼女はサイズ違いをよく頼んでしまうそうで、トイレットペーパー12ロールを買ったときは、ミニチュアのようなトイレットペーパーが届いてしまったという。それ以外のトークでもチャーミングさ全開のエピソードを話していておもしろかった。スーパーマラドーナ田中から勝手に「シーサーパンサーなぎさ~」という自己紹介ギャグをプレゼントされたときも「返品可能なんですか?」と抜群のひと言。やると覚悟を決めたらちゃんと立ち上がってやる片平「だってパンサー立たないでできる?(笑)」。

東京ダイナマイトはドリフの「バカ兄弟」のオマージュコント。とても合ってる。兄弟が干支を言い合い「子・丑・寅・卯・辰・爾・藤・波」とどうしても藤波辰爾になってしまうと「マッチョ・ドラゴン」を歌うユリオカ超特Qが登場するというシュールな展開に大悟「なんだこのネタ?(笑)」。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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