『魔改造の夜』過去最難関のミッションを前にライバル同士の一体感も生まれた(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。


『魔改造の夜』

第4弾のミッションは「DVDプレーヤーボウリング」。DVDディスクをプレイヤーから取り出し、それを飛ばして25m先の10本のピンを倒すというもの。しかも、最初にDVDの映像と音声を30秒流さないといけない。つまりDVDプレイヤーとしての機能を維持したまま改造するというこれまでで最も難易度が高いのではないかと思えるミッション。

これに挑むのが金属加工のプロ・いわゆる町工場のS陽製作所、コピー機の世界的メーカー・Rコー、そして世界有数の自動車部品メーカー・Dンソー。

S陽製作所が作ったのはボーガン型。その名も「ハルク・ボーガン」。 Rコーは、コピー機の紙を送り出す機能を応用したダブルローラーを使った「シュータ・アール」、Dンソーはシンプルでスマートなデザインの「0系」とそれぞれの会社のカラーにあった個性的なもの。

それを見てほかのチームが「カッコいい、剛性がありそう」「回転か、ダブルローラーだ」「精度が低くなる」「カーブする気がする」など、何度となく試行錯誤してきたからこそひと目でその製品の特長や短所を言い当てるのが毎回いい。

S陽の1投目はわずかに外れてしまう。照準が1度ズレたら、44cmズレてしまう計算。従って1度ズレただけで当たらない。それを踏まえて微調整するも2投目もガター。Rコーも2投共に外れ、1ピンも倒せない重苦しい空気に。

Dンソーも1投目がガター。ここでDンソーは、ほかのチームが微調整するなか、バラツキの範囲内だと判断して微調整せずに2投目に挑むという選択。真空空間でないためその瞬間ごとに空気の流れなどは違う。ディスクも1枚1枚微妙に違うだろう。だから同じ角度で行っても多少のバラツキは出る、と自信があるからこその決断だろう。

これに解説役の伊集院は「4投しかできないのにそのうちの1投をある意味捨てるということ。震えがきますね」とコメント。この決断が功を奏すかと思われたが、またも微妙に外れ、結果、1フレーム目は全チームガターという状況に。

もうこのあたりになると、ほかのチームのメンバーも外れると悔しがるという現象が起き始めているのがおもしろい。

2フレーム目、S陽は、やはり1投目が外れ、どう微調整するか迷ったリーダーに社長が「お前が決めろ」とひと言。痺れる。そして2投目、ついに命中し6本が倒れた。S陽の面々はもちろん、RコーやDンソーの人たちも一斉にガッツポーズ。この一体感に熱くなる。

Rコーは残念ながら2投共ガター。そして本命のDンソー。1投目を外し、ずっと冷静沈着だったメンバーに初めて動揺が走る。そしてここで大きく調整する決断を下す。

いよいよ最後、というところでまさかのなかなかDVDが再生されないという事態にヒヤリとするが、なんとか再生されると、劇的な結果に。これぞ『魔改造の夜』というバカバカしくも熱い戦いだった。

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『さんまのお笑い向上委員会』

今田耕司にザブングル加藤がオススメする結婚相手としてやす子が登場。迷彩柄の着物がカッコいい。「今田さんのPepperになりたいですー」と“求婚”するやす子は「自衛官なので今田さんに何があっても守ることができます」とアピール。夫婦漫才師コントになっていく『向上委員会』らしい展開に。

途中、「フジモンも独身よ」と陣内に振られ「フジモンさんと絡むと、ろくなことがないんで」とフジモンとやす子の因縁が再燃するのがおもしろかった。フジモンがしゃべり出すと耳を押さえながら「わーーー」と言って遮るやす子。


『ジロジロ有吉』

元自衛官のやす子が、障害物を避け指定されたターゲットをどれだけ速く撃てるのかを競う「アクションシューティング」に挑戦。

現在も即応予備自衛官として数カ月に一度訓練を受けているやす子だが、視聴者の一部からは「あなたのような人が元自衛隊を名乗らないでください」「迷彩服を脱いでください」などと言われることがあるという。

「テレビで映る自分の姿は失敗してたり泣いてたり焦ってたり、ちょっとポンコツというか頼りない姿ばっかり映ってて、ここでカッコいい姿を見せて信頼がおけるような芸人になりたい」と意気込み、コースを自作するなどしながら練習に明け暮れる。銃を構えるやす子の姿を「香港のベテラン刑事みたい」と有吉。

20秒を切ることが目標のテスト当日。やす子のタイムはなんと13.31秒。しかもペナルティもなし。大会でも上位を狙えるレベルだという。銃を撃つ姿も構えやピシピシと止まる感じも決まっていてカッコよかった。

明日観たい番組:『しゃべくり007』に松田翔太、橋本環奈など

『クイズ!THE違和感』(TBS)「違和感チャレンジ!ドリフト第4弾」「コンプリート違和感」。

『しゃべくり007』(日テレ)に、松田翔太、橋本環奈。

『激レアさん』(テレ朝)「子どもの頃からの憧れが抑えられず、軽トラを魔改造し手作りで超高級スーパーカーを作った人」「一流企業の会議にギャル軍団を送り込む、謎のビジネスをやっている人」。

『ソウドリ』(TBS)ラバーガールvsゾフィーvs金の国。

『イグナッツ!!』(テレ朝)「昔ばなし勝手に続編選手権」『3びきのこぶた』後編。

『トゲアリトゲナシトゲトゲ』(テレ朝)「昔の遊びをアップデートする夜」。

『もう中学生のおグッズ!』(テレ朝)「初の番組おグッズ発売決定」。

『セッション』(Eテレ)に、橋本愛。

『徹子の部屋』(テレ朝)に、ディーン・フジオカ。

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    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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