みなみかわ、TKOと“再会”するも恩人・木本の顔は一切映してもらえず「こんなかたちで会いたくなかった!」(全力!脱力タイムズ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『全力!脱力タイムズ』(8月11日放送)

ゲストは初登場のみなみかわとAKB48の茂木忍。若手から上司へアドバイスを行う「リバースメンタリング」の実践として松竹芸能の若手芸人(河邑ミク、森本サイダーら)から、みなみかわが先輩への要望・不満を聞き出すという企画に。

なぜか後半は、なすなかにし那須への口撃に終始していくのがおもしろい。スタジオに帰ってきたみなみかわ、「那須さんのメンタルが心配です(笑)」とコメント。

今度はそんな若手の要望・不満を上に伝えることに。まず登場したのはクロちゃん。クロちゃんの「職業病」でなかなか座ってくれない(11分2秒かかったそう)。みなみかわ「終わりや、松竹芸能。あれが一番売れてる先輩なんですよ(笑)」。

そしてTKO木下が登場すると突っ伏す、みなみかわ。「でも、もう先輩じゃないんでね」と困惑。アットホームな会社だったと木下が言うと、「アットホームだったらあんなこと起きませんよ」とみなみかわ。木下が「いつ松竹に戻れるんだろう?」と聞くと、みなみかわは「え?」と絶句。もはや阿吽の呼吸のコンビ芸。

「俺以上に戻りたいと思っている人がいる」と目線を向けると、カメラの脇に木本らしき男(顔は映っていない)。「TKOやん! TKOがフジテレビにいる!」と興奮するみなみかわだが顔も映らず、マイクもつけていないのを見て「大犯罪者になってる!」。

「一番恩がある先輩っていえば木本さんです! これは間違いないです!」とみなみかわが言うと、カンペで「ほんまに!! うれしい!!」と答える木本。目頭を押さえ「木本さん、マジ泣きそうです」と言いつつ、「こんなかたちで会いたくなかったよ!」とみなみかわ。

そんな話をして熱くなった木下は、「木本! こっち来て話そう」とカメラに映るところに来ることを促し、「ええの?」と木本が入ってこようとすると、「テレビ局の免許が剥奪されてしまう」と慌ててカメラをスタジオに戻すアリタ。もちろん同じ有田の番組『ソウドリ』ではTKOでネタをやっていたとおり、本当に映せないわけはないだろう。番組ごとに使い方を変えて、彼らを効果的に活かそうとしているのがわかる。

「コンプライアンス委員会」では、みなみかわが盟友・ヒコロヒーと共演。感慨深い。本番終了カット後も、木本はカンペで「おつかれさまでした!」。

『私のバカせまい史』(8月10日放送)

みなみかわが研究発表したのは「芸能人の鬼嫁史」。明治~は「かかあ天下」、大正~は「恐妻家」、昭和・平成~は「鬼嫁」と呼ばれているという。芸能界における「鬼嫁」の始まりは、1982年の峰竜太の不倫謝罪会見に同席した海老名美どり。尻に敷かれる夫という新たな夫婦のかたちを提示したと。

1996年には野々村真&俊恵夫婦が登場。この96年を境に専業主婦と共働きの割合が逆転。家事も分担しなければならないのに一切家事をやらない夫に対する怒りが、鬼嫁を支持する心情につながったのではないかと、みなみかわは分析する。

そこから「大家族鬼嫁」「お嬢様鬼嫁」「年の差鬼嫁」「高学歴鬼嫁」など枝分かれしていくのを、樹形図にしているのがくだらなくて最高。

そして2004年、史上最強の鬼嫁が誕生する。北斗晶である。彼女が嫌われないポイントを、みなみかわは「夫もレスラーなので無茶し放題」「めちゃめちゃ家庭的」「夫から愛され家庭円満」と挙げる。その北斗は2018年、「鬼嫁」を商標登録したそう。

その後、「鬼嫁」を扱うテレビは減少したが「進化系隠れ鬼嫁」は存在するとみなみかわ。そのひとつの例として挙げていた藤本美貴・庄司智春夫妻が、テレビの共演は控え、YouTubeに特化しているというのは目から鱗だった。

成功している鬼嫁の特徴として「妻への『ありがとう』が夫からにじみ出ているか」というのは、とても納得感があった。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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