辻希美「ブログは10回以上辞めたいと思った」プレッシャーを受けた過去、それでも発信をつづける理由

文=於 ありさ 撮影=佐々木康太 編集=高橋千里


アイドル卒業後のセカンドキャリアはさまざま。2000年代にモーニング娘。のメンバーとして活躍していた辻希美は、20歳で結婚・妊娠を発表したときに「もう芸能界で仕事はできないだろう」と覚悟をしていた、と語る。

しかし、そこから15年経った今、主婦層を中心に多くの女性たちから支持されるママタレント・インフルエンサーとして幅広く活躍中。彼女を形成したブログやYouTubeなどのSNSについて、話を聞いた。

ブログを始めたきっかけは、ひとり育児のしんどさから

辻希美

──2007年・20歳のときに結婚し、今ではママタレント・インフルエンサーとして活躍されています。その背景には、YouTubeやTikTokなどのSNSはもちろん、2009年に開設したオフィシャルブログ『のんピース』の存在が大きいのではないかと感じています。ブログを始めたきっかけはなんだったのでしょう?

結婚して妊娠した時点で「もう仕事はできないだろうな」と思っていました。そう覚悟を決めて、家庭に入ったのですが、10年近くいた芸能界を離れて、モーニング娘。のメンバーがテレビに出ているのを家で観ているときにうらやましいなと思うことがあったんです。そのタイミングで、旦那さん(杉浦太陽)がブログをやっているのを見て「ブログだったら私にもできるかな」と思い、始めました。

──始めた当初から、ブログをきっかけにママタレントとして活躍できたらいいなと戦略を立てていたのでしょうか?

いえ、ブログから仕事につなげようとはまったく考えていませんでした。

当時は、親も旦那さんもいつも家にいてくれるわけではなかったですし、まわりの友達は成人式に参加したり、飲みに行ったり、遊びに夢中だったんです。そんななか、慣れない育児をひとりでして、誰にも相談できない環境がしんどくて……。自分の気持ちを素直に発信するためのはけ口として、ブログを使っていました。

辻希美

──辻さんが発信している内容は、家族やプライベートの話が多い印象です。プライベートについて発信することへの抵抗はないのでしょうか?

私自身は、まったくないですね。

ただ、子どもが成長して意思を聞くなかで、プライベートを発信することについて気づかされたことは、たくさんありました。今はもう、どのSNSも自分だけのものではないなと思っているので、前ほどプライベートをすべて出しているわけではなく、慎重に見定めてアップするようにしています。

──どんなときにお子さんの意思を感じたのでしょう?

家族で写真を撮ったときに「それ、投稿しないでね」って言われることがあるんです。そういうものに関しては、あくまでも家族だけの記念として残しています。基本的に大きい子たちに関しては、直接「これ載せてもいい?」と本人の意思を確認するようにしています。

“数字”のプレッシャーに「10回以上辞めたいと思った」

辻希美

──辻さんは、ブログやSNSでの発信をつづけて10年以上経ちます。なぜつづけられるのでしょうか?

正直ブログもSNSも、10回以上「辞めたい」と思ったことはあります。でも、誰かひとりでも楽しみにしてくれる人がいるうちは、がんばらなきゃいけないなと思えるんです。

──「辞めたい」と思った原因はなんなのでしょうか?

始めた当初は、ブログのランキングが表示されることがしんどかったんですよね。自分の更新頻度によってランクが下がってしまうので、がんばりが数字として目に見えることに必死になってしまって。最初は「自分のペースでやろう」と思っていたものが、どんどん使命感に変わっていっちゃったんです。

辻希美

──それに加えて、心ないコメントが寄せられることもあったかと思います。ブログを始めた当初は、そういった意見に対しても悩まれたのではないでしょうか?

そうですね。最初は一つひとつのコメントをまっすぐに受け止め過ぎて、メンタルを破壊しちゃっていました(笑)。でも「私は私なりに一生懸命がんばっているから関係ない」という考え方に切り替えてつづけているうちに、温かいコメントが増えていったんです。

だから、今は自分が何か嫌な思いをさせちゃったのなら反省しますが、ただただ悪口を言われたことに対してはなんにも入ってこなくなりました。「そういう意見もあるんだな〜」って見てはいますけどね。

「つづけることに意味がある」三日坊主だった私が気づいたこと

辻希美

──今はブログ以外に、YouTubeやインスタグラム、TikTokなどでも発信をされています。複数のSNSで発信しつづけるのは、大変じゃないんでしょうか?

YouTubeに関しては、第4子の出産後、0歳3カ月の子がいるなかで撮影も編集もしていたので、最初の2年は大変でした。でも、私は何をするかよりも、つづけることが大切だと思っているんです。だから、最低でも週に3回はアップするという自分のルールは守りたくて、ずっとつづけています。半分、意地ですね(笑)。

それに、撮影をすることで「やるぞ!」とスイッチが入るんです。動画内でも言っていることなのですが、ごはんを作りたくないときでも、カメラを回したら「やらなきゃいけないぞ!」って思えるというか。そういう意味でもつづけていきたいなと思っています。

辻希美

──つづけることに意味があるという気持ちは、ブログをずっとつづけているなかで、身についたのでしょうか?

そうですね。もともと負けず嫌いな性格だからというのもあるとは思うんですけど、三日坊主の私が唯一つづけられているのがブログなので、「ずっとつづけていたことをムダにしたくない!」という気持ちが大きいんです。ブログを主軸に、その延長線上でインスタグラムやYouTubeでも発信しているので、今後もブログがある限りはつづけると思います。

「何かが剥けたね」と言われるほど、今が本当に楽しい

──結果的に今のお仕事が、アイドル卒業後のセカンドキャリアとして成功されていて、すごいなあと感じます。辻さんが、セカンドキャリアに悩んでいるアイドルにアドバイスをするとしたら、なんと声をかけますか?

若いときはいっぱい失敗しても大丈夫なので、やりたいことがあるのなら、なんでも挑戦してみてほしいなと思います。もちろん、やって無理なこともあるでしょうけど、やってみたら何かにつながるかもしれませんから。それに、何かをやることで「あのときがんばれたし!」と自信を持てるようにもなると思うので。

年齢を重ねると、若いときだったら勢いでできていたことも、あと先を考えちゃうようになるので。子どもたちには「やりたい!って思ったんだったら、一回やってみ!」って言っています。

辻希美

──確かに辻さんがブログを始めていなかったら、今のような活動をしていないかもしれないですもんね。アイドル時代も多くのファンを魅了されていましたが、改めて今と昔、どちらが自分らしいと思いますか?

昔の自分と今の自分が真逆過ぎて、どっちが本当の自分なのかわからないんですよね。そもそも昔は人前に出ることが苦手だったのですが、今はしゃべりたくてしょうがなくて、24時間しゃべっていられる自分が怖いくらいですから(笑)。

でも、子育てをするようになってから「何かが剥けたね」とお母さんに言われることが増えました。それに、今が本当に楽しいので、自分らしいのは今なのかもしれません。

辻希美

辻希美プロデュース・ライフスタイルブランド「Parsley」

辻希美

「食事に添える”パセリ”のように、生活に彩りを加える」というコンセプトの「Parsley(パセリ)」。忙しい日常の中でも香りで安らぎを感じられる「HAND CREAM(ハンドクリーム)」「MULTI OIL(マルチオイル)」、やさしい触り心地に機能も兼ね備えた「COTTON GAUZE APRON(コットンガーゼエプロン)」と、辻希美のこだわりが詰まったアイテムを展開している。

連載「&Life」

今気になる芸能人たちの生き方を辿る連載「&Life(and Life)」。インタビューを通して見えた、彼女たちの“これまで”と“これから”。

第1回:重川茉弥
第2回:後藤真希
第3回:若月佑美
第4回:宇垣美里
第5回:工藤遥
第6回:本田仁美
第7回:横澤夏子
第8回:大久保桜子
第9回:milet
第10回:前田敦子
第11回:峯岸みなみ
第12回:辻希美

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於 ありさ

(おき・ありさ)ライター・インタビュアー。金融機関、編プロでの勤務を経て2018年よりフリーランスに。サンリオ・男性アイドル・テレビ・ラジオ・お笑い・サッカーが好き。マイメロディや推しに囲まれて暮らしている。

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