本田仁美「ネガティブだった私が、努力をつづけられた理由」韓国で得た、自分を好きになるために必要なこと

本田仁美

文・編集=山本大樹 撮影=持田 薫


「まずは自分が一番自分のことを好きにならないといけないな、って」

2018年、日本から選ばれた3人のメンバーのうちのひとりとして、日韓のグローバルグループ「IZ*ONE(アイズワン)」でデビューしたAKB48・本田仁美。
「もともとネガティブ思考で、自分に自信がなかった」という彼女は、IZ*ONEでのチャレンジを通じて大きな成長を遂げ、昨年5月にAKB48へ帰ってきた。

韓国で学んだのは、パフォーマンスを磨くためのストイックな姿勢と、自分を好きになるための努力。
その経験をグループのメンバーにも共有し、個人でもSNSを使って積極的に情報発信することで、彼女はAKB48の新しい道を切り拓いている。

5月18日にリリースされるAKB48の59枚目のシングルではセンターを務めるなど、名実共にAKB48の「顔」となった本田に、アイドルとしての理想像と「自分らしさ」について尋ねた。

本田仁美
(ほんだ・ひとみ)2001年生まれ、栃木県出身。AKB48チーム8/AKB48チームB兼任。昨年末の組閣でチームAへの所属が発表された。2018年、日韓合同グローバルグループ・IZ*ONEのオーディションに合格し、韓国で活動。2021年4月に、IZ*ONEでの2年6カ月の活動期間を終え、AKB48に復帰。5月18日にリリースされるAKB48の59枚目のシングル『元カレです』ではセンターを務めることが発表されている。


IZ*ONEで学んだ、パフォーマンスの質を高める練習法

──5月18日にリリースされるニューシングルでは、ついにセンターに選ばれました。これまで以上にAKB48の顔としての活動が増えますよね。

本田 私が小学生のころからAKB48は国民的アイドルグループだったし、自分が今回そのセンターに立つのは信じられないですけど……。今までグループの先輩方が作り上げてきてくださったものはすごく大切なものなので、AKB48の名前に恥じないように自覚を持ってがんばりたいと思っています。とはいえ、それを重くは捉えずに、自分らしくがんばりたいなって。

──本田さん自身も昨年20歳になったこともあって、今回のシングルは本田さんにとってもグループにとっても大きな変化になるのではないでしょうか。

本田 昨年の「根も葉もRumor」でまたAKB48を話題にしてもらえたので、今回の楽曲でもさらにドカンと爆発して、街でたくさんAKB48の曲が聴こえるようになったらうれしいです。個人的には、まだ『NHK紅白歌合戦』のステージに一度も立ったことがなくて……。紅白の景色は絶対に見たいし、自分のセンターのシングルでそこに立ちたいって思うので、本気で、全力でがんばりたいです。

【MV full】根も葉もRumor / AKB48 58th Single【公式】

──「根も葉もRumor」の話題も出ましたが、昨年は本田さんがIZ*ONEでの活動を終えて、2年半ぶりにAKB48に復帰するという節目のタイミングでしたよね。韓国で活動した2年半の経験は、AKB48に帰ってきてからの活動にも生かせていますか?

本田 特に練習への取り組み方は大きく変わった気がします。韓国に行く前は、ダンスを覚える時間が「練習」だと思っていたんです。でも、韓国では1曲にかける練習量がすごく長い。練習って、ダンスを覚えるだけじゃなくてパフォーマンスの質を高めていく時間なんだ、っていうのを学びました。AKB48のパフォーマンスは人数が多いからこそできるよさもあるし、韓国のそういう練習法を取り入れたらもっとよくなるんじゃないかっていうのは向こうでもずっと考えていました。

──韓国で活動していたときから、AKB48での復帰後のことも考えていたんですね。

本田 韓国に行く前に「ひと回り以上、いやもっと大きく成長した姿で帰ってきます!」って宣言してから行ったので。韓国で学んだ知識をグループに還元したいというのは、向こうでもずっと考えていました。ちょうど私が帰ってきたタイミングで新曲(「根も葉もRumor」)が1年半ぶりにリリースされることになって、そこでみんなと共有していこうと思って。練習の様子を動画で撮って、みんなで観て確認していく……というやり方も、韓国で学びました。

──YouTubeで新曲のプラクティス動画を公開するのも、日本のアイドルではあまり見られないので新鮮でした。

本田 ファンの方々もテレビやライブで観る姿だけじゃなくて、練習風景も観たいんじゃないかな、と思って。だから自分から「AKB48でもやりたいです」ってお願いしました。

【Dance Practice】AKB48「根も葉もRumor」 フルサイズver.

「根も葉もRumor」で感じた、グループの一体感

AKB48・本田仁美

──レッスンの流れやパフォーマンスの仕上げ方も、韓国で学んだ部分は大きいんですか?

本田 そうですね。以前の私だったら、振りの細かい部分がそろっていないなと思ってもなかなか言えないことが多かったんですけど……。今は私が率先して気づいたことを言うことで、後輩のメンバーも発言しやすい環境を作ることが大事だなって思っています。自分の気になったことは細かく伝えたり、後輩の子にも映像を観ながら「ここはどう思う?」って聞いたりして。

──メンバーから「本田警察」と呼ばれるくらい、周囲のメンバーのダンスもしっかりチェックしていると聞きました。

本田 はい(笑)。ファンの方たちはAKB48っていうグループのパフォーマンスを観るので、メンバー同士で遠慮して振りがそろっていないところを指摘できない……というのはやっぱり違うと思うので。グループとしてメディアに出演したりライブをしたりするからには、先輩後輩関係なく意見を言って、しっかりそろったパフォーマンスをしなきゃいけない。だから先輩の(柏木)由紀さんにも、バシッと言うようにしています(笑)。

──自分の動きだけじゃなくて、グループ全体を見ることができるようになった。

本田 まわりの動きはよく見えるようになったと思います。もちろん、そうやってまわりに言うからには自分もしっかりできていないとダメなので、レッスンのときはグループ全体を見て、家に帰ってからは自分でその日の動画を観て、できていない部分があったら意識して直すようにして。そういう意識で練習に取り組むことになってから、みんなもどんどん発言するようになったし、メンバー同士の仲も深まったと思います。

AKB48はたくさん人数がいるからこそ団結力はすごく大事だと思うし、その中で自分はどうやって個性を出していこう、って考える時間もすごく増えて。韓国に行く前までは自分のことで精一杯だったけど、今は全体のことも見ながら自分もひとりのメンバーとして見られているんだという意識を持って、日々の生活の中でもパフォーマンス向上のためにできることを考えるようになりました。

──そうして世の中に出た「根も葉もRumor」は、ダンスパフォーマンスのレベルの高さに注目が集まりました。手応えはどうでしたか?

本田 最初はロックダンスに挑戦したこともなかったし、「無理かも」と思っていたのですが、やっぱり練習は嘘をつかないし裏切らないと、世間の反応を見て思いました。今までのアイドルグループの概念をぶっ壊せたかなと、ちょっとだけ思っています(笑)。

ネガティブだった私が、努力をつづけられた理由


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山本大樹

(やまもと・だいき)編集・ライター。1991年生まれ、埼玉県出身。明治大学大学院にて人文学修士(映像批評)。編集プロダクション勤務を経て、2019年に独立。現在『クイック・ジャパン』外部編集・ライターのほか、『BRUTUS』、『オードリーとオールナイトニッポン』シリーズ、『三四郎のオールナイトニッポ..