ステイシー先生は大人になったアン
ステイシー先生は、まるで大人になったアンだ。最近はけっこう大人っぽくなっていたアンが、またおしゃべりアンに戻ってしまったのも、そのせいではないか。ともかくアンはステイシー先生を理想の先生だと考え、憧れる。
机や椅子を寄せて、教室に車座になって座る授業や、じゃがいもを使って電気を起こす科学実験など、ステイシー先生は座学ではなく、今でいうアクティブラーニング的な授業を行う。
原作『赤毛のアン』も、このあたりは同じで、ステイシー先生の授業は座学中心ではないし、リンド夫人は女の先生に反対である。
「それから暗唱のない金曜日の午後は『野外授業』の日で、ステイシー先生がみんなを森に連れていって、羊歯や華や鳥について勉強するんですって。それから毎日、朝夕には、体育の運動をするの。リンドのおばさんは、そんな指導方法は聞いたこともない、これもひとえに女の先生なんか頼んだからだって言うけど、私は、断然、すばらしいと思うわ。ステイシー先生は、心の同類に違いないわ」
一方、マリラは、アンと一緒に学校に行って、ステイシー先生の授業に興味津々。ステイシー先生をリスペクトする。このあたりは原作とは異なる。
「ばかげたことで頭でいっぱいにして、勉強に費やす時間を無駄にするんだよ」マリラは文句を言った。「子どもの分際で、演芸会なんか計画して、練習にかけずり回るなんて、賛成しないね。見栄っぱりの出しゃばり屋になって、外をほっつき歩くのが関の山さ」
『赤毛のアン』L.M.モンゴメリ 著/松本侑子 訳/文藝春秋
壊されたコールの夢
キツネを仕留めに森に入ったビリーたちが、アンやコールたちの秘密基地を壊してしまう。『アンという名の少女』で、ビリーはいつも悪役で、ほんとひどい。ほとんどの登場人物を優しく見守って、よい見せ場をつくるドラマなのだが(リンド夫人もすぐ改心して見せ場をかっさらったりする)、ビリーに関しては冷たい。コールの作った彫刻を銃で次々と打ち壊すひどさ。
しかも、コールは、親に学校へ行ってないことがバレてしまっている。アンが心配して先生にコールのことを相談し、先生がコールの家を訪ねたせいだ。
秘密基地でも、家の中でも、コールの居場所はなくなってしまう。
「僕を利用したな。信じていたのに」と激高するコール。アンは泣いている。
「先生に僕のことを話したろ。そんなに好かれたいのか」
ステイシー先生同様、力になろうとしたことが裏目に出て、コールの夢を壊してしまった。
「もう僕は農場から出してもらえない。終わりだ。何もなくなった」
落ちていたマフラーを見つけ、秘密基地や彫刻を破壊したのがビリーだと知ったコールは、教室でビリーに掴みかかる。もみあって、ビリーはストーブにぶつかり、耳を火傷してしまう。
この事故で、コールも、ステイシー先生も、さらに窮地に立たされる。ってところで、シーズン2の最終話につづく!
次回、第10話がシーズン2最終話。シーズン1のラストのような「この先、どうなるの!?」っていうクリフハンガーな終わり方ではなく、きっちり着地するので、安心して観れるよ!
『アンという名の少女』
原題:Anne with an “E”
制作:2017年 カナダ
原作:L・M・モンゴメリ
製作総指揮:モイラ・ウォリー=ベケット
キャスト
アン・シャーリー(エイミーベス・マクナルティ)(上田真紗子)
マリラ・カスバート(ジェラルディン・ジェームズ)(一柳みる)
マシュー・カスバート(R・H・トムソン)(浦山迅)
ダイアナ・バリー(ダリラ・ベラ)(米倉希代子)
ギルバート・ブライス(ルーカス・ジェイド・ズマン)(金本涼輔)
レイチェル・リンド(コリーン・コスロ)(堀越真己)
ジェリー・ベイナード(エイメリック・ジェット・モンタズ)(霧生晃司)
Netflixシーズン1から3まで配信中
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