『THE FIRST』を終えた今、RANが目指す“唯一無二の表現者”「自分にしかできないことはたくさんある」【『あの日のTHE FIRST』レポート#6】



貪欲に目指す“唯一無二の表現者”

都内某日、RANの姿はとある稽古場にあった。一緒に肩を並べているのは、BMSGのメンバーではない面々。その中でハキハキとセリフを放つRANの姿は、普段の心優しい青年ともパフォーマンスで魅せる王者とも別物だった。19歳の座長としてRANは、『超青春合唱コメディSING!』に挑んでいた──。

──舞台に出演することが決まった経緯と、今の気持ちを聞かせてください。

RAN 最終審査が終わって、SKY-HIさんから「主演舞台の話が来ている。経験もしっかりできるし受けてみない?」と提案していただいたので、挑戦することにしました。僕は自分を魅せることが苦手だったので、舞台を経験して表現の仕方や声の飛ばし方を勉強できたらいいなと。

ずっと演技に興味はあったんですけど、自分でやるのは初めて。セリフや動きを覚えることは歌って踊ることとはまったく違っていたのもあり、最初はすごく怖かったですね。今はすごく新鮮だし、楽しいです。今までしたことがないようなパフォーマンスに触れられるし、自分ではない人にもなれるので。BE:FIRSTもトレーニーのREIKOやRUIもアーティストネーム(Aile The Shota)の決まったSHOTA君もがんばってますし、僕も負けていられないです。

稽古場に駆けつけた盟友REIKOは、舞台に臨むRANに対して「新しい挑戦ができるのって、本当にいいね。これを機にRANちゃんの声がデカくなるといいなと思っています」と激励を送った。

そして迎えた、舞台初日。本番を直前に控えたRANは、思いのほか余裕な表情を浮かべていた。今の気持ちを聞かれると「初めてだから、どうなるんだろうというほうが勝っています。緊張よりもワクワク」と答えるRAN。りょんりょん先生ことボイストレーナーの佐藤涼子に教わった生姜紅茶を飲みながらメイクをしてもらう様子は、内なる炎を静かに灯しているかのようだった。

全8公演に及ぶ舞台には、オーディションを共にした仲間たちも続々と駆けつけた。初日に訪れたREIKOは、「踊りだとジャズダンス、歌だとふたりで歌ってた『奏』、演技は全部よかった」とコメント。別日に訪れたSHOTAは「めっちゃ感動して泣いちゃった」と話し、2020年に同舞台で主演していたナオキは「お母さんの気持ちで見ていました。よくできました、本当に」と微笑んだ。

千秋楽にはSKY-HIとNovel Coreが姿を見せた。Novel Coreが「SKY-HIさんの甲高い笑い声が響いてたよ」と報告すると、RANは「絶対に社長の声だと思った」と、その声が舞台にまで届いていたことを告げる。そしてSKY-HIは改めて、「10代でいい経験をしたね」とRANと熱いハグを交わした。

初舞台を終えた今、RANは何を思うのだろうか──。

RAN 「諦めちゃダメだな」って。舞台に挑戦する前は、自分にできるか怖かったんですけど、今となってはすごく楽しいし「俺ってこんなにできるんだ」と思えた。自信につながったし、僕なりの道を進んでいきたいという覚悟も出てきました。

舞台やモデルの経験をさせていただいた今は、しっかりと自分なりの表現をしながらいろんな場所で活躍できる、“唯一無二の表現者”になりたいと思っています。欲張りですよね(笑)。でも、僕にしかできないことは本当にたくさんあると思うので。一つひとつ踏みしめて、登っていけたらいいなと思っています。

次回の『あの日のTHE FIRST』はRYUHEI

【『あの日のTHE FIRST』#7配信予定】
2021年10月15日(金)20:00~
番組URL:https://www.hulu.jp/the-first-bmsg-audition-2021/

『あの日のTHE FIRST』Huluで独占配信中 (c)NTV

この記事の画像(全92枚)




この記事が掲載されているカテゴリ

ライター_坂井彩花

Written by

坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..

CONTRIBUTOR

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。