SKY-HIが今、新会社とボーイズグループを作る理由。大切なのは未来へバトンをつなぐこと

2020.11.22

文=坂井彩花 写真=山口こすも
編集=森田真規


2020年で活動を休止するAAAのメンバーであり、ラッパーやソングライターとしても活躍し、アーティスト活動歴15年を迎えたSKY-HIが、自身で代表取締役CEOを務める新会社「BMSG」を立ち上げた。

「Be MySelf(=自分のままで) Group」という意味を持つBMSGは、avexと共同で新レーベル「B-ME」を設立し、さらに現在、2021年デビューのボーイズグループのオーディション『BMSG Audition 2021-THE FIRST-』を主催している。

「クリエイティブファースト、クオリティファースト、アーティシズムファースト」を掲げる同オーディションにSKY-HIが込めた想いとは――。

特徴や個性を“才能”と言わしめるまで、一緒に磨いていく

――そもそもなぜBMSGを設立されたのでしょうか。

SKY-HI 90年代にはアジアのトップとなって、そこから約30年間変わっていない今の日本の音楽業界の形態には、もう限界が来ていると感じたんです。
今、日本の芸能の世界は小回りが利く自転車ではなくて、立派な飛行機のようなものなんです。少し軌道を変えるのにも手間がかかるし、一歩間違えれば大事故につながってしまう。アーティストやアイドル、芸能人と呼ばれるような人たちが、ひとりの“人間”として輝くことができる場所を作る最速かつ唯一の方法は、新しい箱を作ることだと思ったんです。

――従来の体制とは違う仕組みを作るために、BMSGという新たな箱を作ったということですね。

SKY-HI 今までは「従来からよしとされている芸能人像に自分をフィットさせて、芸能界に組み込まれる」か「自分を貫き切って、インディペンデントに活動する」しか道がなかった。だから、それぞれの個性や才能を尊重した状態で、それをより大きく輝かせて人目に触れさせる方法を模索していました。

――「芸能人像にフィットさせる」と言いますと……。

SKY-HI 今の日本って、「そうあるべきものだ」という固定概念ができてしまっているんですよ。芸能人らしく、アイドルらしく、アーティストらしく。大きな舞台で活躍しようと思ったら、そういう“○○らしく”に準ずるしかないんです。

――では、アイドルやアーティストなどについてしまったイメージの刷新も、BMSGは行っていくということですか。

SKY-HI それを狙うことはないです。イメージの刷新は、結果として起こるものだと思っているので。「こうあるべきだ」に迎合しなきゃいけないのは怖いことだけど、「こうあるべきだ」に反抗していく姿勢が強くなってしまうのも怖いこと。どちらも純粋なマインドでクリエイションと向き合えなくなってしまいますから。
「刷新してやろう」でも「迎合して大ヒットを作ろう」でもなく、「特徴や個性を“才能”と言わしめるまで、一緒に磨いていこう」という感じが近いですね。その結果がなんと呼ばれるかは、あまり気にしてないです。

SKY-HI(すかいはい)2005年、AAAのメンバーとしてデビューし、同時期から「SKY-HI」としてマイクを握り都内クラブなどで活動をスタート。2020年9月には、初のベストアルバム『SKY-HI’s THE BEST』をリリースした

――アイドルやアーティストといった呼称については、演者本人よりもファンのほうが敏感な感じもします。

SKY-HI パフォーマンスをしている人間からすると、そういったカテゴライズは本当にどうでもいいことなんです。「アイドル」のパフォーマンスが劣っていて、「アーティスト」には確固たる信念があるという時代は、けっこう前に終わりを迎えたと思っています。

――本質は呼び方で決まらない、と。

SKY-HI 呼称やカテゴリーで何かを決めるということは、文化芸術的に貧しいことだと思うので。それが「演者にとって、どうでもいいことだ」ということは、もっと言ってもいいのかもしれないですね。社長としては「カテゴライズしたがる人間の欲求」は、向き合わなきゃいけない問題のような気もしますけど。

――なぜ、枠にはめて考えようとしてしまうのでしょう。

SKY-HI 好きなものに自信が持てないというか……、自分で何かを決断するのが怖いってことなのかもしれないですね。

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