空気階段、Creepy Nuts、星野源──2021年印象に残ったラジオを奥森皐月と振り返る

2022.4.7
奥森皐月

リスナーの印象に残ったラジオ放送を表彰する「プラネット賞」、2021年も年間賞・話題賞が出そろった。年間賞は2021年10月放送の『空気階段の踊り場』「KOC優勝、峯田和伸さん登場」回、話題賞は2021年12月放送の『ハライチのターン!』「M-1を振り返って」回がそれぞれ受賞した(いずれもTBSラジオ)。

このインタビューでは、“ラジオ変態”のタレント・女優であり、プラネット賞年間賞企画のアンバサダーも務める奥森皐月と共に、年間賞・話題賞のみならず2021年印象に残ったラジオ番組について振り返る。

プラネット賞2021年間賞集計結果一覧(提供:プラネット賞)。各賞の集計方式など詳細はこちらを参照
プラネット賞2021年間賞集計結果一覧(提供:プラネット賞)。各賞の集計方式など詳細はこちらを参照

ラジオリスナーが選ぶ「プラネット賞」とはいったいなんなのか


賞レース直後に聴きたいラジオ

──2021年のプラネット賞年間賞は『空気階段の踊り場』、話題賞は『ハライチのターン!』が受賞し、それぞれ賞レース直後の放送ということで非常に注目されていましたね。奥森さんも聴かれましたか?

奥森 聴きました! やっぱり賞レースのあとのラジオは強いですよね。賞レース以前からファンだった方や、ずっと聴いているリスナーはもちろん注目するでしょうし、パーソナリティもラジオというホームだからこそ伝えたいことがあるんじゃないかという印象があります。

──ラジオでしか聴けない感想や、ファンに届けたい今の言葉が詰まっている印象がありますよね。

空気階段
『空気階段の踊り場』プラネット賞2021年間賞受賞記念イラスト(QUESTION No.6)

奥森 空気階段さんは『キングオブコント2021』に優勝したことでテレビ出演が増えるし、あちこちで優勝に関する話は出ますけど、ラジオで話すことはまたかなり違うじゃないですか。リスナーの勝手な解釈ですけど、ラジオは「俺たちの空気階段だ!」みたいな印象があって(笑)。遠い存在になったような気がしていた人たちが、ラジオでは変わらず寄り添ってくれる感覚があります。

──空気階段さんはようやくKOCを獲った、王者によるラジオでしたが、ハライチさんは『M-1グランプリ』を卒業されたということで、同じ賞レース直後でも立場がまったく違うところがあります。

奥森 共通しているのは、やっぱり本音で話してくださるところですよね。空気階段さんでいえば、ダサいくらい素直に喜ぶじゃないですか(笑)。感情が伝わってくるのは、リスナーからしたらすごくうれしいんですよね。ハライチさんにしても、普段のフリートークの性質的になかなかネタの話はされないので、貴重な機会だったなと思います。ラジオがあって(おふたりの話を聴けて)よかったなと。

──ハライチさんに関しては、『M-1』について触れない可能性すらありましたよね。

ハライチ
『ハライチのターン!』プラネット賞2021話題賞受賞記念イラスト(サンノ(Sanno Creations))

奥森 確かに! 普段の放送の雰囲気から考えると、そのケースもあり得ましたよね。なかなかそういうことに触れてきたイメージがないから。だからこそ、あの回で『M-1』をやり切った空気感や、いつもと違う立ち位置の感じが伝わってきて、新鮮でした。芸人としての気持ちと、15年間やってきた同級生ふたりの気持ちみたいなものが見えるようで。

──『空気階段の踊り場』は、下積み時代からこれまでの軌跡のようなものを聴いてきて、KOC優勝は集大成のようなところがあったので、今回は年間賞を獲ってしかるべきというか。リスナーの思いがそのまま(年間賞の結果に)表れた感覚がありますね。

奥森 過去に『キングオブコント』で優勝できなかったとき、大声で悔しがるのとかも聴いてきましたし、芸人として以上に人間としてのふたりの言葉を聴いてきたからこそ、昨年の優勝は純粋にうれしいですよね。

賞レースだけじゃなく、いろんなライフイベントや紆余曲折があって、良いところも悪いところも、うまくいってるときもいってないときも、全部聴いてきたからこそ、集大成のような瞬間が放送に込められていて、グッときましたね。赤裸々過ぎるじゃないですか。怒りや葛藤も含め、感情が全部出ちゃってる。いつも、おふたりの生き様を聴いているような感覚があります。

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鈴木 梢

(すずき・こずえ)1989年、千葉県市川市生まれ。出版社や編集プロダクション勤務を経て2019年からフリーランスに。主に日本のエンタメ/カルチャー分野の企画・執筆・編集を行う。もちもちしたものが好き。

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