『キングオブコント2021』王者の空気階段。単独ライブの動員数は年々増え、ラジオも大人気。“仕事”であるお笑いは右肩上がりの彼らだが、“プライベート”ではなにかと紆余曲折。
そんなふたりのインタビュー後編、テーマは「仕事とプライベートの両立」。果たしてもぐらは冷たい人間なのか?
前編はこちら
もぐら、経済状況はメンタルに影響しない
──私生活で多くの変動がありながらも、ここまでお笑いの道を登り詰めていってる人たちってなかなかいないなと思います。
かたまり 人よりいっぱい区役所に行ってるだけです(笑)。
──(笑)。初単独から現在までの、個々と空気階段のトピックをまとめた年表を作ってきました。
かたまり なんか、こう年表で見るとバカみたいですね(笑)。ちょっと……多過ぎますね(トピックが)。『パワプロ』のサクセスモードってめっちゃイベント起こるんですけど、それみたいです。
──2015年に初単独開催。コンビ結成から3年で初単独って順調そうに思えますが、いかがでしたか?
かたまり 順調って感覚なのかな……? ずっとやりたかった単独が初めてできたんで、なんとなく前に進んでるのかなって感覚はあったんですけど、月の給料は4000円とかでしたし、同期のコットンは1年目で単独やってたと思いますし、 エリートって感覚は微塵もなかったですね。
もぐら 我々はバイトも辞められてないですし、『キングオブコント』も準決勝まで行ったくらいではなんにもならないですから。
かたまり 単独も「頼むからやらせてくれ」って吉本の社員さんにお願いして。
──ちなみにこのころ、もぐらさんの経済状況があまりよくなかったみたいですが……。
もぐら ずっとよくないから、特に悪かったなっていうのもないですよ。常に借金がある状態なんで経済状況は慣れっこというか、このときにこれぐらいだったみたいなのは覚えてないですね。
──経済状況は心の浮き沈みにはあまり関係ないですか?
もぐら 関係ないですね。
──お金に余裕があるときと借金をしてるときって、たとえばご飯の味が違ったりとかするのかな?って。
もぐら 一緒ですね。少年のころから貧乏なんで、何も変わらないですね。パチンコでいうと、むしろ勝ったときの飯は別にそんなにうまくないというか、あんまり味はしないですね。
──勝ったときですか?
もぐら はい。僕の場合は勝ったときです。勝ったっていうことでもう満足しちゃってるんで、勝ったあとのことってどうでもよくなっちゃうんですよ。勝つ前は違いますよ? 勝つ前は「勝ったら寿司食いたい」とか思うんですけど、実際勝っちゃうと、そうやって考えてたことって全部白紙になるんで。
──勝っただけで幸せが完結するんですね。
もぐら そうですね。勝ったお金はまた次に使うだけなんで。そうすると結局、飯もどうでもよくなるんですよね。勝ったっていうことが一番の満足っていうか……汁も出ますし。別に飯食って汁出ないっていうか。だから、なんでもよくなっちゃうんですよね。
──かたまりさんはこの考えをどう思いますか?
もぐら (水川は)勝ったことがないからわかんないですよ!(笑)
かたまり そうですね。この理屈は聞いたことあるんですけど、僕は一度も勝ったことがないので……。
──どれぐらい勝つとそこまでの幸せを感じられるんですか?
もぐら いやもうなんでも。とにかくちょっとでもプラスになれば。
──1円パチンコでちょっと出るくらいでも?
もぐら 1パチ打たないっすよ。
──以前、岡野陽一さんにも同じ反応をされました。
かたまり (笑)。なめんなよと(笑)。
もぐら 汁出ないでしょ、だって。
──ちなみにかたまりさんはどうですか?
かたまり 僕は親に仕送りをもらってたので、基本的にお金が本当にないっていう状況がないんです。だから、お金がない状況がメンタルにどう影響を与えるのかピンとこないんですけど、おそらく僕はすごく動揺してダメになると思います。
──もぐらさんのメンタルにまったく影響しない性格は、頼もしいですね。
かたまり そうですね。お金がない状況がツラくて芸人辞めていく人も結構いるんで。