伊集院光と奥森皐月のラジオ対談「思ったことを全部言う」リスナーとの信頼関係、ひとりしゃべりのコツを伝授
17歳の現役女子高生が、憧れてやまない大先輩とふたりきりでトーク──。
テレ朝動画「logirl」で配信中の『奥森皐月の公私混同』。大のラジオ好きで知られる女優・タレントの奥森皐月が、地上波ラジオを目指してリスナーと共に修行をする「ラジオ風配信番組」。この2月17日(木)配信回に、奥森の敬愛する伊集院光が出演する。
“ラジオ変態”を自称する奥森の一番好きなパーソナリティは伊集院光。「尊敬する人も、目指す像も、好きな男性のタイプもすべて伊集院」と公言する彼女の番組に、ついに本人が出演することに。ふたりはどんな対話を繰り広げるのか。その模様をレポートする。
奥森皐月は血だらけでいるべきだった?
奥森はひとりしゃべりのオープニングトークから大緊張。「マジでがんばらなきゃいけない日なんですよね。でも、ここぞというときにミスというか、何かしでかしちゃうタイプで……」と不安そうな表情。
そこに登場した伊集院は、のっけから「(オープニングのトークを)聞いてて思ったけど、ひとつ間違ってることあるわ。今日、奥森さんは血だらけでいるべきだった」と先制パンチ。
ここだけ聞くと物騒な開口一番だが、これは奥森がオープニングで話したエピソードに引っかけたもの。『おはスタ』(テレビ東京)の衣装合わせ当日や、映画のクランクイン直前という大事な日に限って、階段で転んで傷だらけになるという奥森へのアンサーだったのだ。彼女のエピソードトークを活かして、さらにおいしく調理する伊集院。
ブースの中では、奥森と伊集院がアクリル板を挟んで、ふたりきり。ここからふたりは、ラジオにまつわるディープなトークへとなだれ込んでいく。
17歳の女子高生に褒められたい伊集院光
「人様の番組にお邪魔するのがそれほど得意ではない」という伊集院がこの番組に来たのはなぜか。それは、オファーがあった昨年末がちょうど「俺のやることは全部間違ってるんじゃないか」と悩んでいたからと言う。
『QJWeb』に奥森が寄せた、ラブレターのようなエッセイを読んでいた伊集院。「俺の褒めてほしいところを多少評価してくれる確認が取れていたから。あの人(奥森)にだったら褒めてもらえる」と思ったそう。奥森も「(あの文章は)ほんとに出てきたままの言葉。練って練ってというよりは、愛のままに書いたので、それが読んでいただけたのはほんとにうれしかったです」と喜ぶ。
娘と父親以上に世代の離れたふたりだが、深夜ラジオの電波で通じ合っているからか、話はスムーズに展開していく。そもそも奥森がどういう経緯で「ラジオの伊集院光」を知ったのか気になる伊集院。
「お笑い好きの家庭なので身近で。母がわりとラジオ好きで『JUNK』をちょくちょく聴いている感じだったんですね。その流れで(中略)三四郎さんとかのラジオを聴き始めて。ひとつ聞き始めたら沼のようにずるずるとほかの番組も聴いてみようって(中略)。 その一環で伊集院光さんの番組を聴かせていただいたときに……あぁ!って(ビビッときた)」
それに対して伊集院は、クイズ番組でのイメージしかなくラジオでの言動を知らない視聴者も多いと自己分析。地上波テレビで見せる顔と、ラジオでのトークの落差について語る。奥森は「どちらも伊集院さんですし、地つづきな感じがする」とひと言。伊集院も「自分ではほんとにわかんない。どういうふうに評価されてるのかわかんないから、うれしいです」と語った。
「リアルな友達が少ないのも才能のひとつ」
さらに奥森は「ラジオをやってて、今楽しいですか?」というド直球の質問。これに伊集院は「楽しいとか、楽しくないとかはどっかで超えた。(中略)ラジオっていうものの存在なしに、機能してることが何もない」と答え、さらに自身にとってのラジオの意味を語る。
「ラジオがなかったら、俺なんにもできない気がする。いつも言うんだけど、俺が法を犯さないのは、どんな境地があって、どんな経験があろうと、ラジオでしゃべれないから。話せないことを経験するというスイッチが入らない」
ラジオで話すことが、人生そのものになっている伊集院の重みある言葉に、奥森は聞き入る。さらに「聴いている人のイメージってあるんですか」と尋ねると、伊集院は「脳内の、あのリスナーの人はなんなんだろう」と考え出す。
「昼間のラジオだと50代くらいの人を思い浮かべてるから『そうだよね』じゃなくて『そうっすよね』になる。夜のラジオはちょっと年下を思い浮かべてるから口調が乱暴になるとか。脳内のあのリスナーの人はなんなんだろうね。僕、イベントもあんまりやってないから、会ってないじゃん。会ってないんだけど、確実になんとなくいる。自分でもあの感じはわかんないんだよな」
逆に伊集院から、誰に向けて話しているのか問われた奥森。「お笑いが好きな人。ここまでコアな話ができる友達は、なかなかいないな!って人が、聴いてくれているのかな」と答える。これには伊集院も深くうなずき「リアルな友達が少ないっていうのが、(僕と奥森さんの)才能のひとつなのかなって思うんだよね」と言葉を継いでいく。
「たとえば俺、性質としてマザコンなのかもしれないけど、実際のお母さんに対してそういうことを抱いたことはなくて、『こんなお母さんがいたらいいな』っていう理想のお母さん像に対してのマザコン。(奥森さんの言う)お友達に関しても、こんなこと話せる友達がいたらいいなって話してるところが、たぶんあるんじゃないかな」
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