「変になるほど、合体マニア」トム・ブラウンみちおの狂気

2021.12.29
トム・ブラウンみちお

文=釣木文恵 撮影=長野竜成 編集=鈴木 梢


Web小説のとりこになって5年、とうとう自ら小説を執筆し、「カクヨムWeb小説短編賞2021」に挑戦することになったトム・ブラウンみちお。彼の描く物語とは? そしてそれらの発想の源とは──。

【前編】トム・ブラウンみちお「なけなしの90円を使った」Web小説にどハマりしたきっかけ


脳に映像を出すのは得意なので

──Web小説が好きだったみちおさんが今回、満を持して小説を書かれたわけですね。

トム・ブラウンみちお
トム・ブラウン みちお 1984年12月29日生まれ、北海道札幌市出身

みちお はい、「カクヨム」さんにお声がけいただいて。それまでも「こういう設定、おもしろいよな」と考えることはありましたけど、人に見てもらうものを書くことになるとは思ってもいませんでした。Web小説は自分がまったく食えないときに助けてもらったメディアなので、自分にその大切なメディアの一端が担えるのかなという不安が最初はありました。

──題材やストーリーはすぐに思いつきましたか?

みちお なんとなくの設定と流れはお話をいただく前から頭の中にあったので、物語自体はけっこうスムーズにできましたね。

──あらすじを伺ってもいいですか?

トム・ブラウンみちお

みちお 書き始めたら入れたい要素が増え過ぎて、キモい話になりました。カッコいいかなと思ってパルクールの要素を戦いのシーンに取り入れたり。あらすじとしては、正義感のある人が大きい魔物と闘って、一緒に行動している女の子が魔物の血を浴びていつも血だらけになるという……。

──血だらけに……。書く上でどんなところに難しさを感じましたか?

みちお この言葉、この表現で、果たして読んでくださる方が自分の頭の中の映像と同じように想像してもらえるかというのがわからなくて、そこはかなり難しかったですね。今まさに「変なところはない?」とマネージャーさんに読んでもらっています。

──映像が出るところまではスムーズにできたわけですね。

みちお はい、脳に映像を出すのは得意ですね。

──得意?

みちお まだWeb小説とも出会う前、お金もなくて、今みたいにYouTubeを観る習慣もないころ、何もすることはないけど時間と元気だけはあるときは、昔観た映画の名シーンとかを、仰向けになって天井見ながら思い出してました。

──頭の中で映画を再上映する。みちおさん、やはりものすごく記憶力がいいのでは?

みちお 一言一句じゃないですよ、鮮明に自分の中に残っているところや好きなシーンだけがふわーっと思い出せるという、不便なやつです。

──そのとき思い出した映画は、たとえば?

トム・ブラウンみちお

みちお クエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』とか、『ピラニア3D』の浜辺のシーンとか。たとえばジョージ・A・ロメロ監督の『死霊のえじき』だったら、地上にゾンビがあふれて、地下に逃げて生活している人間がゾンビを一体ずつ捕まえてきて地下の施設で研究しているシーンが好きで、よく(脳内で)再生してましたね。

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釣木文恵

(つるき・ふみえ)ライター。名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆。