FANTASTICS・澤本夏輝、瀬口黎弥、堀夏喜、木村慧人、近くで見てきたからこそ感じる成長「一人ひとりがスターであるグループに」

2023.12.6
FANTASTICS

文=吉田可奈 撮影=持田 薫 編集=梅山織愛


2018年12月5日に『OVER DRIVE』でデビューし、今年で5周年を迎えるFANTASTICS。表現者として異なるバックボーンを持つ彼らはデビュー当初、まだグループとしての色がなかった。しかし、この5年間で一人ひとりが輝く場所を見つけ、各人各様の色をまとうまでに成長。全員でFANTASTICSを彩(いろど)ってきた。

それぞれが活動の幅を広げながらも、すべては「グループのため」だという。彼らをつなぐあの日の約束とは。

結成前からともに活動してきた澤本夏輝、瀬口黎弥、堀夏喜、木村慧人。FANTASTICSになってからはグループとしての夢を叶えるため、より自身と向き合い個性を磨いてきた。今ではそれぞれの長所を生かしてグループに貢献する4人。長年、近くで見てきたからこそ感じるお互いの成長を聞いた。

世界、佐藤大樹、八木勇征、中島颯太によるインタビューはコチラ

本記事は2023年12月13日(水)より発売となる『クイック・ジャパン』vol.169から一部抜粋。写真はQJWeb限定公開となる。

『クイック・ジャパン』vol.169 通常版はコチラ

慧人はグループの中和剤

FANTASTICS

──この4人は、結成前からずっと一緒に練習している仲ですよね。だからこそ感じる変化を教えてください。

澤本夏輝(以下、澤本) (木村)慧人はグループの中和剤なんです。

──それは最初からですか?

澤本 いや、最初は全然違いましたね。

木村慧人(以下、木村) 最初はみんなにイジられたら、ただ拗ねていて(笑)。でも、FANTASTICSに入ってからガラッと変わったんです。そうやってイジられることが「おいしい」って思えるようになったんですよ。

澤本 これって実はすごく難しいんですよね。僕らが「おいしいと思ったらおもしろいよ」って、ずっと言ってきたことをちゃんと受け止めてくれて、変わってくれたんです。嫌なものは嫌なのが人間だから、そうやってちゃんとスイッチを変えられる慧人はすごいですよね。

堀夏喜(以下、堀) たしかに慧人がグループがうまく回るための重要なポジションにいることはすごく感じますね。人当たりが本当にいいし、あとすべてにおいて優しいんです。今朝も、朝7時に僕個人の仕事が解禁されたんですが、前日に「明日解禁ありますよね? 何か使える写真ありますか?」って連絡くれて。解禁後すぐにSNSに載せてくれました。

木村 ほかのメンバーの仕事が決まるのも、自分のことのようにうれしいですし、その経験がちゃんとFANTASTICSに返ってくるのがわかるのですごく楽しみなんです。だから少しでも盛り上がるならと、手伝いたいだけなんです(笑)。

グループの切り込み隊長

──瀬口さんはどう変化しましたか?

 この前まで『BACK TO THEME MORIES PART3』の舞台に一緒に出演していたんですが、黎弥くんのキャラがものすごく立っている内容だったんです。黎弥くんはそこで今までにないくらいぶっ飛ばしていて!(笑) 舞台のときしか見られないくらいの飛ばし方をしていたことに驚きましたね。その意外な姿にファンのみなさんも喜んでくれましたし、すごく楽しかったんです。でも間違いなく「このときだけ」と決めているのは伝わってきました(笑)。

瀬口黎弥(以下、瀬口) 切り替えていたからね(笑)。絶対にあのキャラクターはFANTASTICSでは出しません!

一同 あはは!

瀬口 というのも、その役は僕が目指しているアーティスト像とはかけ離れているので、これはひとつの演目として、完全に切り離して演じていたんです。そういうことも今はすごく楽しめるようになりました。もともとおもしろいことが好きですし、いろいろ経験していくうちに、視野が広がったので、若いころの感覚とは間違いなく変わってきたなと実感しています。

澤本 でも、性格は基本的に変わらないよね。

木村 うん。特攻隊長で、切り込み隊長みたいな感じ?(笑)

瀬口 若いころは勢いしか知らなかったですしそれで突き通していたんですが、大人になると譲ってしまうこともあるから変化が必要なんです。昔はただトガっていただけで(笑)。

──その成長がグループを大きくしていくわけですからね。

瀬口 そうだといいですね。

FANTASTICS

衣装担当のエモいスタイリング

──堀さんはどう成長しましたか?

澤本 ライブやイベントなどの衣装を担当してくれているので、なっちゃん(掘)がいなかったら僕たちは何を着たらいいかわからないですね(笑)。それになっちゃんは服が好きというだけでなく、深いところまで聞くとかなりエモいスタイリングをしてくれているんです。この間のアリーナライブもカッコいい衣装を用意してくれて感動しました。僕らがほかのことをしている間に衣装を探してくれているので本当に感謝しています。

 そう言ってもらえるとすごくうれしいんですが、もともと自分が楽しくてやっているだけなんですよね。それに僕が全部やっているように見られがちですが、イメージを出すときにLDHはアパレルもやっているので、そのスタッフさんが助けてくれたり、FANTASTICSのオリジナルブランドに関しても(澤本)夏輝くんが一緒にやってくれたりするので、けっしてひとりで背負っているわけではなく、本当にみんなに助けられているんです。

──任せてもらえるのはうれしいことですよね。

 そうですね。最初は世界さんと一緒にやっていたんですが、最初のツアーが終わってから僕に任せてくれて、すごくうれしかったんです。信頼されていることも伝わってくるので、これからもいいものを選んでいきたいですね。

瀬口 あと、夏喜はトークがおもしろいんですよ。起承転結がちゃんとしていて、芯がしっかりしたエピソードを持ってくるんです。

──それは意識していることですか?

 ちょっとそれを聞かれるのは恥ずかしい!(笑) でもめっちゃ考えています。自分ですぐに思いつくタイプではないので、準備しておきたいんですよね。

筋トレで気持ちも変化?

──澤本さんの成長はどんなときに感じましたか?

木村 とにかくストイックなんです。夏輝くんがかなりストイックだからこそ、僕もやらないとなって思えるんです。自分も怠けてられないなって刺激をもらえるんですよ。特に筋トレとか。

澤本 前はまったく興味がなかったんですが、ステージのサイズが大きくなって、自分のパフォーマンスに限界を感じたときがあったんです。そのときに、このままではまずいなって思い、筋トレを始めました。

 パフォーマンスがガラッと変わったよね。身体つきも違うし、競輪選手みたいな足だし!(笑)

澤本 もともと大きいんですが、筋トレしたらさらに大きくなっちゃって(笑)。

木村 僕もそこに憧れて始めたんですが、引きしまっちゃうだけで大きくならなくて……。

澤本 慧人はそのままでいいよ!

 あと、人柄もめっちゃ変わったと思います。年々若返っていて。

澤本 筋トレがいいのかな?(笑)

 あはは。すごく明るくなったし、よりマイペースになりましたね。僕はマイペースになれないからすごく憧れるんです。自分をしっかり持っていることがわかるんですよ。

澤本 でも、僕自身でも変わったと思います。前は一歩下がっていればいいやと思うことが多かったんです。でも、それではダメだって気づいてから、ちゃんと出るときは出て、しっかりアピールしなくちゃと思うことも多くなりました。

──責任感が出てきたのかもしれないですね。

澤本 それは強いですね。リーダーふたりがいないときは、よりどうしたらいいのかを考えるようにしました。

 各々がひとりで行く現場も増えましたし、それぞれがフラットな考えができるようになったのは大きいかもしれないですね。

瀬口 いろんな現場を経験することで、いろんな人を見て、生き残っていく人たちの頭のよさ、立ち回りのよさを勉強し、吸収しながら楽しんでいきたいなと思うようになりました。そのために、僕は飽きさせないエンタメをなによりも大事に考えていて。そういう意味で、先ほど話したぶっ飛んだキャラも楽しみながら演じることができるようになりました。

──最後に、10年後はどんなグループでありたいですか?

瀬口 ドームツアーはできるようになっていたいですね。HIROさんから、BALLISTIK BOYZやPSYCHIC FEVERなどのグループが海外で活躍するなか、FANTASTICSに期待するのは「“国民的グループ”になるということ」と言っていただけたんです。そのために、一歩一歩確実にステップアップしていきたいですね。

澤本 大きな夢を叶えるためには、ファンのみなさんの存在が本当に大切なんです。だからこそ、応援したいと思ってもらえるようなグループになりたいですし、(中尾)翔太を含めた9人での約束も叶えないといけないので、僕たちは一人ひとりがスターであるようなグループを目指し続けます。だからこそ、これからも見守っていただけるとうれしいです!

澤本夏輝
(さわもと・なつき)1994年1月19日生まれ。長野県出身。パフォーマー
瀬口黎弥
(せぐち・れいや)1996年3月11日生まれ。福岡県出身。パフォーマー
堀夏喜
(ほり・なつき)1997年8月6日生まれ。愛知県出身。パフォーマー
木村慧人
(きむら・けいと)1999年8月16日生まれ。東京都出身。パフォーマー

『クイック・ジャパン』vol.169 収録内容

裏表紙:FANTASTICS/『クイック・ジャパン』vol.169
裏表紙:FANTASTICS/『クイック・ジャパン』vol.169

【総力特集】GENERATIONS それでも未来を信じるか?

▼GENERATIONS LIVE TOUR 2023 “THE STORY”』岡山公演ルポ すべての街に星は輝く

▼ソロインタビュー:KEEP DREAMING. 夢を見続ける理由
白濱亜嵐:あらゆる悔しさをバネにして、突き進んできた音楽人生
片寄涼太:ぶつかり合って丸くなって、やっと調和できるようになった
数原龍友:僕らがいなくなったあとの時代にも、永遠に歌い継がれる音楽を残したい
小森 隼:この10年で叶わなかった夢はこの先、必ず叶えるので
佐野玲於:若い世代にインパクトを残して、語り継がれるパフォーマンスを
関口メンディー:エンタテインメントがあるから、人は楽しく生きられる
中務裕太:僕らの人生は自分だけのものじゃない、応援してくれる人の人生も背負っている

▼年表:LIVE&WORKS CHRONICLE 2011→2023

▼コメント:サポメンが見た兄貴たちの背中(佐藤大樹/岩谷翔吾/浦川翔平/長谷川 慎/藤原 樹)

▼ライブ地図:MAP OF GENERATIONS LIVE

▼メンバーアンケート:10年間のBEST 1

▼Special Photo:はじまりの街 撮影=小財美香子

▼10周年お祝いコメント:私だけが知っている7人の素顔(早見あかり/チョコレートプラネット/鈴木愛理/s**t kingz/金子きょんちぃ)

▼FAN’S VOICE

▼インタビュー:EXILE HIRO 夢は循環する

インタビュー

▼Aile The Shota:新しいJ-POPスターになるために

▼ぼる塾:Echoes of Career 〜人気者の仕事遍歴〜

▼こんにちパンクール:週末の大喜利ガチ勢YouTuber

▼波木銅『ニュー・サバービア』:「搾取」をどう打破するか

▼FANTASTICSの彩約束のために
世界×佐藤大樹×八木勇征×中島颯太:苦しいときも隣に“味方”がいたから
澤本夏輝×瀬口黎弥×堀 夏喜×木村慧人:グループを背負ったときに必要だった“変化”

レギュラー企画

▼写真:明日の熱源へ #2 吉川然「night cruising」

▼マンガ・小説・エッセイ punctum:大越早苗

▼私小説:河谷 忍「おわらい稼業」

▼小説:水沢なお

▼エッセイ:小林 私「私的乱読記」

▼小説:乗代雄介「全治三ヶ月の短編小説」

▼写真:#QJカメラ部 中山莉子「休み時間」

ポストカード付き特別版はコチラ 『クイック・ジャパン』vol.169 通常版はコチラ

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  • 『FANTASTIC ROCKET』

    3rd Album『FANTASTIC ROCKET』

    2023年12月5日(火)発売

    【LIVE盤】CD+DVD
    RZCD-77888/B
    9,000円(税込み)
    ※初回生産分のみワンピースBOX仕様、シリアルコード封入
    ※スマプラフォト(LIVE Ver.)封入

    【LIVE盤】CD+Blu-ray
    RZCD-77889/B
    9,000円(税込み)
    ※初回生産分のみワンピースBOX仕様、シリアルコード封入
    ※スマプラフォト(LIVE Ver.)封入

    【MV盤】CD+DVD
    RZCD-77890/B
    5,500円(税込み)
    ※初回生産分のみシリアルコード封入
    ※スマプラフォト(MV Ver.)封入

    【MV盤】CD+Blu-ray
    RZCD-77891/B
    5,500円(税込み)
    ※初回生産分のみシリアルコード封入
    ※スマプラフォト(MV Ver.)封入

    【CD ONLY】
    RZCD-77892
    3,500円(税込み)
    ※初回生産分のみシリアルコード封入
    ※スマプラフォト(CD Ver.)封入

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吉田可奈

(よしだ・かな)エンタメ系フリーライター。著作『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん?』(共に扶桑社)が発売中。音楽、映画、声優、舞台、アイドル、オタク事が得意。現在は『InRed』、『steady.』(共に宝島社)、『NYLON JAPAN』(CAELUM)、『ダ・ヴィンチ』(KADOKAW..

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