Da-iCE&超特急&BOYS AND MEN【ボーイズグループ最前線2022#7~結成10年超~】

2022.5.5
Da-iCE&超特急&BOYS AND MEN【ボーイズグループ最前線2022#7~結成10年超~】

文=坂井彩花 編集=森田真規


音楽チャートの上位に、さまざまなボーイズグループの名前が並ぶ時代になった。男性アイドルの代名詞であるジャニーズ事務所や着々とカルチャーを作ってきたLDHはもちろん、新旧問わぬボーイズグループが堂々と肩を並べる。2022年とは、そういう時代だ。
 
幾多の個性的な女性アイドルが生まれ、シーンを作っていた2010年代が「アイドル戦国時代」と呼ばれるならば、今は「ボーイズグループ戦国時代」と言えるのかもしれない(“戦国時代”という表現に、いささか疑問はあるが)。
 
「ボーイズグループ最前線2022」と銘打ったこの記事では、ジャニーズ&LDH以外で注目しておきたい日本のボーイズグループを全7回にわたってピックアップ! プロフィールを振り返ると共に、各アーティストの魅力を綴っていく。

第7回では結成10年超え、日本のボーイズグループの先駆者3組、Da-iCE(ダイス)&超特急&BOYS AND MEN(ボーイズ・アンド・メン)を紹介する。

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国内ボーイズグループの先駆者たち

今やヒットチャートの常連となったボーイズグループだが、彼らは突然ポッと出てきたわけではない。BTSを語るK-POPの文脈に神話(シンファ)や東方神起がいるように、日本にもコツコツとキャリアを積み重ねてきた先駆者たちが存在する。昨今のボーイズグループ旋風によって熱視線を注がれることの増えた彼らのことも、このタイミングで知ってほしい。

Da-iCE

Da-iCE /「DOSE」 Music Video

2011年1月17日結成、4オクターブのツインボーカルを擁する5人組ダンス&ボーカルグループ。渋谷の小さなクラブから活動を始め、2020年にはアリーナツアーを敢行。2021年には、ドラマ『極主夫道』(日本テレビ)の主題歌となった「CITRUS」で『第63回日本レコード大賞』を受賞した。

近頃のボーイズグループといえば、デビュー当初から東京国際フォーラムやパシフィコ横浜などの大きなステージに立つことも珍しくないが、前述したようにDa-iCEは小さなステージから叩き上げで這い上がってきたグループだ。キラキラした笑顔とは裏腹に、泥臭くハングリー精神が強い。それこそ、クオリティを大事にするボーイズグループの先駆けといってもいいだろう。

Da-iCE / 「CITRUS」

ボーカルとパフォーマーという体制を取っているものの、ボーカルのふたりもパフォーマー陣と変わらないダンス量をこなす。しかも、そのパフォーマンスが年々難易度を増しているのだから、探求心が計り知れない。最近では楽曲を選ぶ際、メンバーの手がけた曲がコンペに並ぶことも増えている。ブレイクした「CITRUS」も花村想太と工藤大輝が作詞を担当しており、クリエイティブ能力の高さがうかがえる。10年超えのキャリアの中で熟成されてきた、パフォーマンスと感性にこれからも注目したい。

超特急

超特急「같이 가자(カチ カジャ)」MUSIC VIDEO

2011年12月25日結成、5人組メインダンサー&バックボーカルグループ。メンバーそれぞれに“○号車”という出席番号のような数字がついており、ファンのことは“8号車”と呼ぶ。特定のセンターは設けず、楽曲ごとにイメージにハマるメンバーをセンターとして選出。バラエティ豊かな楽曲と親しみやすいキャラクターで多くの人を魅了している。

超特急は、「こんな子がクラスにいたら好きになっちゃうな」を煮詰めたような存在だ。洗練されたビジュアルや喜怒哀楽を超えてクルクルと変わる表情。そして、エンタテインメントを体現すべく駆使されるパフォーマンススキル。“ダサかっこいい”に誇りを持ち、トンチキソングや体を張ったバラエティだって全力でやってのける。

笑わされたかと思えば胸キュンが飛んできて、油断していると泣かされる。応援する側も“カッコイイ”だけでは気持ちが追いつかないグループなのだ。現在は“超特急募”と題し、新メンバーを募集するオーディションも進行中。さらなる進化を目指し、勇気ある決断をした彼らの動向から目が離せない。

BOYS AND MEN

BOYS AND MEN - 「ニューチャレンジャー」Music Video

2010年結成、名古屋発のエンタテインメント集団。ヤンキー風学ランをトレードマークとし、楽曲も応援団のように誰かを元気づけるものが多い。東京で活躍することを目標にする地方グループは少なくないが、BOYS AND MENは地域密着のスタンスを崩さず、名古屋の“町おこしお兄さん”たる自分たちに誇りを持っている。

そして、とにかく暑苦しくて泥臭い。地道にチラシ配りをしていた時代もあるし、稽古場を失って公園で練習を重ねた時代だってある。それでも、「諦めなければ夢は必ず叶う!」と信じて、歌にダンスにコントに猪突猛進してきたのがBOYS AND MENなのである。

見ている側が「そこまでしなくていいんじゃない(笑)」と声をかけたくなってしまうほど全力投球な生き様を通して、「よし自分もがんばろう!」という希望を多くの人に与えている。

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