INI&BE:FIRST&M!LK【ボーイズグループ最前線2022#1~2021年デビュー組~】

2022.4.29
INI&BE:FIRST&M!LK【ボーイズグループ最前線2022 ①~2021年デビュー組~】

文=坂井彩花 編集=森田真規


音楽チャートの上位に、さまざまなボーイズグループの名前が並ぶ時代になった。男性アイドルの代名詞であるジャニーズ事務所や着々とカルチャーを作ってきたLDHはもちろん、新旧問わぬボーイズグループが堂々と肩を並べる。2022年とは、そういう時代だ。

幾多の個性的な女性アイドルが生まれ、シーンを作っていた2010年代が「アイドル戦国時代」と呼ばれるならば、今は「ボーイズグループ戦国時代」と言えるのかもしれない(“戦国時代”という表現に、いささか疑問はあるが)。

「ボーイズグループ最前線2022」と銘打ったこの記事では、ジャニーズ&LDH以外で注目しておきたい日本のボーイズグループを全7回にわたってピックアップ! プロフィールを振り返ると共に、各アーティストの魅力を綴っていく。

第1回では、2021年にデビューしたINI(アイエヌアイ)、BE:FIRST(ビーファースト)、M!LK(ミルク)を紹介する。

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2021年にデビューを飾った煌めく3組

2021年は、ボーイズグループ史を語る上で欠かせない年になった。文化の日である11月3日に話題の2グループがデビューし、ツイッターでは「#INI_BEFIRST_1103」なるハッシュタグも生まれ、タイムラインを大きく賑わした。

また、同月には俳優として活躍している佐野勇斗を擁するM!LKもメジャーデビュー。同じ事務所の先輩であるDISH//の躍進も考えると、EBiDAN(スターダストプロモーションによる若手男性俳優・アーティストによる集団)の動向は注目せざるを得ないだろう。このセクションでは、2021年にデビューを飾った煌めく3組を紹介する。

INI

INI|’CALL 119′ Official MV

サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』から誕生した11人組ボーイズグループ。番組開始前の101人から60人に絞られる段階でオンタクト能力評価(オンライン上に公開された動画やプロフィールを見て国民プロデューサーが審査)が採用されたこともあり、個々が自分の魅力を理解している傾向が見られた。また、JO1に次ぐLAPONE所属のアーティストということもあり、パフォーマンス力も高い。

リーダーの木村柾哉を筆頭に全体的にダンススキルが秀でていることはもちろんだが、INIの強みはデビュー段階で歌を強みにしているメンバーが3人いること。そして、ラップメンバー3人がそれぞれの個性を活かしたフロウで頭角を現していることではないだろうか。大人数のボーイズグループとなると“全員のそろったダンス”がフィーチャーされることが少なくないが、歌の面でもINIには強く期待していきたい。

BE:FIRST

BE:FIRST / Betrayal Game -Music Video-

SKY-HIが1億円の私財をかけたオーディション『THE FIRST』から誕生した7人組ボーイズグループ。『スッキリ』(日本テレビ)やhuluで大々的に取り上げられたこともあり、老若男女を問わず多くの人を虜にした。『THE FIRST』はオーディションでありながら育成システムとしての作用も大きく、たった半年の間に個々が大きく成長。メンバーのJUNONに至っては、歌もダンスもオーディション開始当時は初心者だったというのだから驚きの言葉しか出てこない。

現段階でメンバーが「BE:FIRSTというカルチャーを作る」と口にしているのも、彼らを語る上で大きな特徴のひとつであろう。流行に迎合して誰かのあとにつづくのではなく、最初のオリジナルを目指していく。さらにいえば、昨今のボーイズグループはK-POPを意識した歌詞の発音や楽曲のサウンドが多く見られるが、あくまでもBE:FIRSTは日本らしさを残した楽曲を貫いている。日本らしさのあるボーイズグループが、アジアや世界の頂点に立つ日を期待したい。

M!LK

M!LK - HIKARI (Official Music Video)

スターダストプロモーション所属の5人組ボーカルダンスユニット。CDデビューは2015年3月なのだが、ビクターからのメジャーデビューが2021年11月なので、今回はこちらで紹介したい。

M!LKといえば、なんといっても堂々たる“国民的アイドル感”だろう。ここ最近では佐野勇斗が毎シーズンのドラマに出演、塩﨑太智と吉田仁人はYouTube内で『じんだいチャンネル』を開設して子供向けコンテンツに挑戦。

【じんちゃん&だいちゃん】#1 グーチョキパーでなにつくろう?

グループのチャンネルではメンバー全員でバラエティ企画を展開するなど、音楽に限らず幅広い活動を展開している。一見脈略がないボーイズグループに見えるかもしれないが、それは彼らが“変幻自在”を謳っているからこそ。いろいろなことに挑み、全部のことを楽しんでしまうのがM!LKだと誇示しているのだ。

楽曲も活動と同様にさまざまな作家を招いた多様なアプローチであるが、中でも園田健太郎が作詞や作曲を手がける楽曲は、M!LKの熱くエモーショナルな部分を強く反映している。端正な顔立ちながら熱い想いを秘めている彼らは、メンタルが青春ロックバンド。普段はアイドルを聴かない人にこそ、出会ってほしいアーティストである。

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