考察『真犯人フラグ』14話。真犯人&押し入れの中をズバリ推理し、終盤になってようやく見えてきた事件の構造を解く

真犯人フラグ14話

文=米光一成 イラスト=たけだあや 編集=アライユキコ


日曜ドラマ『真犯人フラグ』真相編(日本テレビ)を『あなたの番です』(日本テレビ)考察の先駆チームである米光一成とたけだあやが再タッグを組んで取り組む連載の14回目。散らかり放題の謎と怪しさで突進してきたドラマも、いよいよ終盤が近づいてきた。現時点で推測できる展開を予想してみよう。真相編5話目(第15話)は2022年2月6日放送(以下考察は、14話までのネタバレを含みます)。


同時に3つの誘拐事件はそうそう起きない

14話のラストで、助かった光莉(原菜乃華)と篤斗(小林優仁)が再会。篤斗の「お姉ちゃん、ママは?」に対して、光莉は「え?」と驚き、凌介(西島秀俊)の「ママはふたりとも一緒だったんだよね」という言葉に、ふたりが首を振り、「ママは?」と驚く。ふたりはママと一緒ではなかったのだ。

誘拐が別々であるというのは、5話考察でその可能性を指摘し、10話考察でタイトルに「事件はひとつではないし犯人はひとりではない」とも書いた。

だが、3人が偶然、同時に別々の犯人に誘拐されるなんてことはないだろう。それでは納得できない。ひとり誘拐されるのでも珍事なのに、珍事が3つ重なるという偶然がドラマの中に起きてしまうのはいただけない。裏で糸を引く人物がいて、3つの誘拐事件を発生させたのだ。

3つの犯罪が同時進行する構造を考える

事件の構造は、こうだ。
それぞれの思惑から、相良家が邪魔である人物が複数人いる。

たとえば、菱田朋子(桜井ユキ)は、真帆(宮沢りえ)に取って替わりたい。そのために凌介を奪いたいと考えている。だが、そうなると、相良凌介の家族が邪魔だし、真帆が邪魔だ。それも真帆がいなくなるだけでは解決しない。凌介と真帆の絆を断ち切って、凌介に真帆ではなく自分を選んでもらわなければならない。
そうなると、今の状況は、朋子にとって理想的な展開である。真帆の浮気が明かされ(これも朋子の捏造かもしれないのだ)、凌介はダメージを負っている。朋子にとってみれば、あと一歩のところまできたと考えているだろう。だからこそ、朋子は、息子・清明(桑名愛斗)に「もう少しで終わるから」と言ったのだ。となると、押し入れの中には、真帆がいる。

真犯人フラグ8
朋子は真帆に取って替わりたい。イラスト/たけだあや

バタコこと木幡由美(香里奈)は、息子の圭樹を失ったことを受け入れることができず、代わりになる誰かを探していた。それが篤斗だ。篤斗を誘拐して、自分の息子だと思い込んだ。その暴走を止めようとして奔走していたのが夫の中村充(前野朋哉)。バタコは、邪魔になった充を殺してしまった。

そして、本木陽香(生駒里奈)と橘一星(佐野勇斗)。このふたりは兄妹だろう。一星の母親、橘すみれ(須藤理彩)と陽香が、共にイライラすると腕を掻く癖があることを映し出したのは、ふたりに血のつながりがあることの伏線だ。

14話、一星の背後に陽香が来ても気づかないという不自然な場面。群馬山中の廃墟で、陽香は弛緩剤を一星に注射器で打つ。だが直後に凌介たちが駆け込んだときにはいなかった。これも、陽香が動けない一星を運び出すのはムリだから、弛緩剤は打たれてなくグルだったと考えられる。一星と陽香の動機は、まだはっきりしないが、光莉を誘拐しなければならない理由が何かあったのではないか。そして、陽香が暴走し、一星はそれを止めようとしている。妹と恋人の間で板挟みになっているのではないだろうか。

つまり、凌介を奪い取りたいために真帆を誘拐した菱田朋子、息子の代わりにするために篤斗を誘拐したバタコ、光莉を誘拐した橘兄妹の3つの犯罪が同時進行していたのだ。そして、これを影から指揮する黒幕=魔王がいるわけだ。

真犯人フラグ相関図2
主要登場人物相関図。イラスト/たけだあや

巨大プロジェクトの闇が事件の発端か

ネット上の考察では、日野(迫田孝也)真犯人説が多い。だが、これほどの大事を起こすには、日野だと弱くないか。

等々力建設と住愛ホームが手掛けている国がらみのSDGsのまちづくり計画が関わっている。林(深水元基)は、この件で政治家の会合に出席している。誘拐犯だと疑われても、アリバイとなるこの会合のことは隠し通した。政治家への賄賂が関係していて、バレると相当ヤバい件らしいのだ。

この巨大プロジェクトの闇が、この事件の発端なのではないか。
等々力建設の社長が、裏社会の強羅誠(上島竜兵)につながっている。裏で人を操って悪事をなす強羅は社長の依頼でそれぞれの欲望をコントロールし、相良家3人同時誘拐の計画を立て、菱田朋子、木幡由美、陽香と一星、そしてカルト教団が動き出すように、仕掛けたのだ。

ドラマ的には、等々力建設の社長が真犯人だと、盛り上がらない。だから、この闇の部分に、誰か意外な人物が関係してくるという展開が待ち受けているのだと予想する。
それは、ドラマ的な盛り上がりを考えれば、やはり、瑞穂(芳根京子)が似つかわしい。

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14話の展開まとめ、15話予告からわかること

14話の展開を箇条書きでまとめよう。

・新居にいたと思った真帆は、ただの写真。真帆はいない。新居は血だらけ。
・血の足跡をたどって2階へ。一星の背後に陽香がくっつくが、一星は気づかない。
・山田(柿澤勇人)が、バタコは以前サッカー教室に通っていた少年の母親だと証言。
・阿久津(渋川清彦)、落合(吉田健悟)は、バタコが入信していたかがやきの世界を家宅捜索。教祖(相築あきこ)を尋問する。
・強羅が、住愛ホームの林の上司・井上(戸田昌宏)の遺体を保管している。
・冷凍遺体は6年前に亡くなったバタコの息子・圭樹だと判明。
・新居にまかれた大量の血液は、光莉のものだと判る。
・鼓太朗(坂東龍汰)が朋子の家の押し入れを開けようとするが、朋子に阻止される。
・朋子は、清明に「もう少しで終わるから……」と秘密を守るよう釘を刺す。
・プロキシマに暗号が届く。暗号を解読して、群馬山中の廃墟に向かう一星。
・一星は、椅子に縛られた光莉を見つけるが、本木陽香に筋肉弛緩剤を打たれる。
・光莉は逃げ出し、凌介たちに救い出される。
・光莉と篤斗の再会。ママとは一緒ではなかったことが判る。
・高級サウナで瑞穂(芳根京子)が悪い顔して、茉莉奈(林田岬優)に接近中!

15話、予告されている内容を箇条書きでまとめる。
・瑞穂と茉莉奈が秘密を共有しようとしている。
・「パパにも全部聞いてほしい」と光莉の証言が始まる。
・「押し入れの中を見せてほしい」と凌介がようやく朋子に直談判。
・鼓太朗が、誰かに襲われる。

おお、4話から引っ張ってきた押し入れの中が、ようやく明かされる!?

真犯人フラグ4話
何かを見てしまったらしい朋子の息子がずっと心配!イラスト/たけだあや
【西島秀俊 芳根京子 宮沢りえ】日曜ドラマ「真犯人フラグ 真相編」第15話予告60秒【日テレドラマ公式】

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米光一成

米光一成 (よねみつかずなり)ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学教授/日本翻訳大賞運営/東京マッハメンバー。代表作は『ぷよぷよ』『はぁって言うゲーム』『BAROQUE』『はっけよいとネコ』『記憶交換ノ儀式』等、デジタルゲーム、アナログゲームなど幅広くデザインする。池袋コミュニティ・カレッジ..