考察『真犯人フラグ』13話は本当に進展したのか?真帆帰還は幻覚説濃厚 そしてバタコがバタバタしている謎

真犯人フラグ13

文=米光一成 イラスト=たけだあや 編集=アライユキコ


日曜ドラマ『真犯人フラグ』真相編(日本テレビ)を『あなたの番です』(日本テレビ)考察の先駆チームである米光一成とたけだあやが再タッグを組んで取り組む連載の13回目、釣りと煽りの連打で突進してきたドラマが、後半戦まっただなかにきてようやく進展してきた!と思わせた13話だったが、はたしでどうだろうか。真相編4話目(第14話)は2022年1月30日放送(以下考察は、13話までのネタバレを含みます)。


膝を抱えて相良真帆「見つかっちゃった」

第13話のラスト、ついに相良真帆(宮沢りえ)が登場した。
このドラマの核心はなんといっても、相良家失踪のはずだ。
相良凌介(西島秀俊)の家族、相良真帆、相良光莉(原菜乃華)、相良篤斗(小林優仁)の3人が失踪して帰ってこない。
篤斗は、宅配便のダンボール箱に詰め込まれて戻ってきた。
相良光莉は、公開された動画と、本木陽香(生駒里奈)に血を抜かれている場面で、生きていることが分かった。
だが、相良真帆がどうなっているかは、いままでほとんど情報がなく、謎だったのだ。
その相良真帆が、第13話のラストで、膝を抱えて「見つかっちゃった」と現れた!

真犯人フラグ12
陽香、血を抜いてました。イラスト/たけだあや

これで次回からようやく大展開して、解決に向けて盛り上がっていくぞ!とドキドキさせるラストだったが、その期待を不安に変える指摘もいくつか出てきている。

13話で展開した事実をまとめる

ひとまず13話で展開した事実を箇条書きでまとめよう。

・バタコ(香里奈)から渡されたお茶に入っていたフグ毒テトロドトキシンで凌介が倒れる。
・篤斗はバタコの写真を見て「お母さん」と呼んだ。
・阿久津(渋川清彦)と落合(吉田健悟)はバタコの家に踏み込むが、もぬけのから。
・バタコの家には、凌介の葬儀の祭壇、子供服や勉強机があり、篤斗を監禁していた可能性が高い。
・冷凍遺体の箱、篤斗の箱、双方から検出された指紋とバタコの指紋が一致(これで、篤斗誘拐にはバタコが関わっていることがほぼ確定した)。
・太田黒(正名僕蔵)が「アフロディーテの下僕」だと認める。事件の核心には関係なさそう。
・凌介は、朋子(桜井ユキ)から合鍵を返してもらう(だが、これは何の解決にもなっていない。朋子が合鍵のコピーを持っていないとは限らないうえに、真犯人も鍵を持っている可能性が高いからだ。凶器の包丁を持ち込まれているのだから、自宅の鍵を変えるべきなのに、なぜかそれをしない)。
・凌介に「公衆電話」から電話がかかってくる。真帆の声で「りょうちゃん」。途中で電話は切れる(会話といえるほど会話をしていないので、SNSでは録音説も浮上している。思い出のビデオが映し出され、朋子が荷物を持ち出しているという場面があったので、ビデオを持ち出してその音声を切り貼りして使っている可能性が指摘されている)。
・警察の調べで、電話は、新居建築中の近所の公衆電話からの発信だとわかり、現地に向かうが誰もいない。
・凌介は、新居に向かう(新居の建築がものすごく進んでいてびっくり!)。
・新居の中、陽香がバケツで大量の血液をばら撒き、その上に大きいスニーカーで足跡をつけている。
・新居に着いた凌介が中に入ると、真帆がいて言うのだ「見つかっちゃった」。

あんまりひとりでいるところが映らないし、会社勤めしてないからいろいろ動けるし、などとひどい理由で真犯人と疑われてる日野(迫田孝也)の見せ場がどんどんなくなってきていて、このままいなくならないか心配になった第13話であった。

真犯人フラグ相関図2
主要登場人物相関図。イラスト/たけだあや

真帆は凌介の幻覚

さて、最大の焦点である真帆「見つかっちゃった」の件だが、残念なことに「幻覚説」が濃厚だ。
つまり、見つかっちゃったはずの真帆は、凌介の幻覚であり、実際には見つかっていないのでは? ということだ。

新居に走る途中で、走馬灯のように真帆との思い出が蘇る。その思い出の中で「見つかっちゃった」と家のベランダで発言した過去の真帆の服装と、ラストシーンで新居にいた真帆の服装が同じなのだ。
さらに、真帆が指輪をつけているのも見逃せない。
真帆の結婚指輪は、すでに群馬県の山奥で発見されている。第3話、カップル専用アプリでつながっていた一星のスマホに、光莉の居場所を示す通知が来て、現地に駆けつけ光莉のスマホを発見したときのことだ。周辺の捜査で、真帆の結婚指輪も見つかった。

本当の真帆が見つかっちゃったのなら、指輪をしていないだろう。しているということは、本当の真帆ではないのだ。もちろん、たまたま同じ服装で、たまたま別の指輪をしているという可能性もなくはないだろうが、物語上それはないだろう。
しかも、次回第14話の予告で、真帆がまったく出てこないのだ。

【神回】かがやきの世界に入信してみた結果…

14話の予告内容をまとめる

第14話、予告されている内容を箇条書きでまとめる。

・阿久津(渋川清彦)らは、バタコが入信していたかがやきの世界を家宅捜索
・瑞穂(芳根京子)は、篤斗のものらしき服の出品者【keiju1008】がバタコだと推定。
・河村(田中哲司)は、冷凍遺体の少年が何者なのかを突き止める
・凌介は、バタコの両親に会いに行く。
・林(深水元基)の死の直前の写真の撮影場所が、強羅(上島竜兵)が借りたロッジだと判明。
・強羅は、遺体を保管している。
・凌介は、一星(佐野勇斗)の母・すみれ(須藤理彩)に一星への信頼を語る。
・新居に撒かれていた血液が光莉のものだと断定される。
・バタコまわりがバタバタする回になりそう

真帆がほんとうに発見されたのであれば、真帆を軸に展開していくはずなのに、まったく登場している気配がない。
こ、これは、幻覚説が濃厚……。

主人公凌介の幻覚が、あんなふうに実在の映像として登場するのであれば、またもや何でもアリがさらに加速して「考察できない」ドラマになってしまう。そんな「釣り」「煽り」「引き伸ばし」ではないことを祈るしかない。

そして、めちゃくちゃ怪しくて怪し過ぎるから真犯人じゃないだろうでおなじみの菱田朋子の押し入れは、まだ開かず! まだ開きません!

真犯人フラグ4話
なにかを見てしまったらしい朋子の息子がずっと心配!イラスト/たけだあや
【西島秀俊 芳根京子 宮沢りえ】日曜ドラマ「真犯人フラグ 真相編」第14話予告60秒【日テレドラマ公式】

【関連】考察『真犯人フラグ』全話レビュー


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米光一成

米光一成 (よねみつかずなり)ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学教授/日本翻訳大賞運営/東京マッハメンバー。代表作は『ぷよぷよ』『はぁって言うゲーム』『BAROQUE』『はっけよいとネコ』『記憶交換ノ儀式』等、デジタルゲーム、アナログゲームなど幅広くデザインする。池袋コミュニティ・カレッジ..

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