コールはジョセフィンさんの家へ
シーズン2の10話「この世界に増大する善」。9話からつづくシーズン最終話。
ステイシー先生は、コールがビリーにケガを負わせるトラブルにつづいて、不倫の疑いまでかけられて解雇の危機に陥る。
この件で、マリラとリンド夫人は、大きく意見が食い違う。ステイシー先生の実験授業を見学したマリラは、ステイシー先生を応援している。一方リンド夫人は最初から女性の教師に反対の立場だった。結局、ふたりは大ゲンカをして、リンド夫人は「この小さな棺桶にこもりっぱなしだから」と言い、マリラは「あなただって棺桶に入ってるでしょ、心がね」と返す。
ステイシー先生を救うために、アン、ダイアナ、ルビー、ムーディーはシャーロットタウンへ向かう。途中、コールとばったり会って、半ば強引にアンはコールにも行こうと誘い、一緒に行くことに。
だが、お金がない上に内緒で行くため汽車賃がない。5人は、監視の目をくぐり抜け無賃乗車するのだった。
コールはジョセフィンさんの家へ。アンたちは、先生が実験授業で見せてくれた電球を買う。
戻りの汽車、コールは乗らない。アヴォンリーに帰らず、自分の在り方を理解してくれるジョセフィンさんの家で暮らすことを決意した。
立ち上がり発言するマシュー
ステイシー先生の解任決議の集会で、牧師は「我々が教師に求めるのは学校の秩序を保つことだ。従順に信心深く年長者を敬い規律正しく生きるよう教育してほしい」と言う。ステイシーは集会の場に登場し「一番気になるのは子供の成長ではないですか?」と問う。
アンたちが、実験授業で学んだジャガイモ電球を掲げて、入ってくる。アンが、今目にしているのが先生の授業方式の成果だと語り、変化することは悪くないと訴える。
アンの言葉のあとに、「何事も視点を替えてみるといい」とマシューが立ち上がり発言。
つづいてギルバートが「先生なら、みんなが自分の夢を見つけて成長できるよう導いてくれるはずです」と語る。
マリラが立ち上がり、変化が必要だと主張する。アンがアヴォンリーにやってきて、一番大きく変化したのはマリラとマシューだろう。ふたりの止まっていた時をアンが動かしたのだ。
そして、リンド夫人が「ステイシー先生が残ることに賛成の人は?」と決を採ると、みんな次々と(リンド夫人も)手を上げて、ステイシー先生はアヴォンリーで授業をつづけられることになる。
アンとギルバートの関係が大きく揺れ動く
シーズン2は、原作からどんどん離れて、オリジナルエピソードが満載だった。コールも、原作には出てこないオリジナルキャラクターだ。ステイシー先生の解任騒動も原作にはないし、マリラとリンド夫人は、原作では一度も大ゲンカしない。黒人のバッシュもオリジナルキャラクターだ。
バッシュとメアリーの結婚式のあと、アンは、ギルバートに「私は教師になる。ステイシー先生のような」と宣言する。
シーズン3では、アンとギルバートの関係が大きく揺れ動く。アンもダイアナも恋をする。さらにアンは自分の両親を探し始めるのだ。
そして、カナダで実際に1840年代から行われた同化政策が描かれる。先住民の少年少女たちを親元から強制的に取り上げ、寄宿舎に住まわせ、先祖伝来の慣習や言語を禁止した問題だ。2021年にも、寄宿学校跡地で大量の子供の遺骨が見つかり、カナダのトルドー首相が「わが国の歴史の暗くて恥ずべき一章を痛烈に思い出させる」と表明している(『東京新聞』2021年7月8日参照)。
『アンという名の少女』全話レビュー・あらすじまとめ/記事一覧
『アンという名の少女』
原題:Anne with an “E”
制作:2017年 カナダ
原作:L・M・モンゴメリ
製作総指揮:モイラ・ウォリー=ベケット
キャスト
アン・シャーリー(エイミーベス・マクナルティ)(上田真紗子)
マリラ・カスバート(ジェラルディン・ジェームズ)(一柳みる)
マシュー・カスバート(R・H・トムソン)(浦山迅)
ダイアナ・バリー(ダリラ・ベラ)(米倉希代子)
ギルバート・ブライス(ルーカス・ジェイド・ズマン)(金本涼輔)
レイチェル・リンド(コリーン・コスロ)(堀越真己)
ジェリー・ベイナード(エイメリック・ジェット・モンタズ)(霧生晃司)
Netflixシーズン1から3まで配信中
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