ノリボケ漫才から進化したハライチの漫才のおもしろさについて

2020.3.11

文=かんそう 編集=鈴木 梢


バラエティ番組でずっと引っ張りだこの澤部佑に、最近ではエッセイ『僕の人生には事件が起きない』でも話題の岩井勇気。ハライチのふたりはそれぞれ個人の才能も発揮しながら、漫才を年々進化させつづけている。

あらゆるエンタメやカルチャー、事象についての“感想”を綴るブログ『kansou』を運営するかんそうが、ハライチの漫才の変遷を丁寧に紐解きながら彼らの魅力について語る。

「ハライチと言えばノリボケ漫才」だった

ハライチは特に大好きな芸人のひと組だ。

数年前、近所のパチンコ屋でなぜか岩井さんの来店イベントが開催された。ひと言だけでも感謝を伝えようとすぐ会いに行ったのだが、来店イベントにも関わらずひとりで黙々とジャグラーを打っていた本人をいざ目の前にした途端、緊張のあまり話しかけることはおろか近づくことすらできず、結局イベント終了までただ遠くから見守っていた。そのくらい大好きで、尊敬している。

そもそも、好きになったきっかけは『M-1グランプリ2009』だった。そこでハライチが披露した「ペット」はまさに衝撃だった。岩井さんが「おとなしいペット」「よく懐くペット」と飼いたいペットの条件をどんどん挙げていくが、中盤から「控えめなフック」「奪われた物資」とどんどん脱線していき、澤部さんがそれに一切ツッコむことなくボケ倒していく。

岩井さんの韻の固さと澤部さんのリズム感のよさはまさに「ヒップホップ」的で、おもしろさと共にその聴き心地のよさに一瞬で虜になった。この俗に言う「ノリボケ漫才」で一気にブレイクしたハライチは澤部さんを中心にバラエティ番組で引っ張りだこになり「ハライチと言えばノリボケ漫才」、そのくらいの代名詞になっていた。

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