もはや東京で開催する必要はない。ネット時代の東京オリンピック事件簿(中川淳一郎)
3月25日、福島からスタートした「東京2020オリンピック聖火リレー」。ついにオリンピックが始まる、という機運が高まる一方で、スポンサー車両が発する大音量の場違い感や、沿道の感染対策は適切か、などその運営に疑問の声も上がっている。
ネットニュース編集者の中川淳一郎は、聖火リレー問題も含め、今日までの「東京オリンピック事件簿」をまとめ、そこにすべてが「風」で決まってしまう日本の現状を見出した。
もはや東京で開催する必要はない
東京オリンピックの聖火リレーが開始したが、ネット上にはブーイングだらけだ。聖火リレーの先頭に登場するスポンサー企業の車にMCが乗り、盛り上げを図っている様を「バニラ求人か!」と言うほか、「マスクをつけていない関係者がいる!」などと叩かれているのである。
さらには、観客が「密」になっていることを批判したり、もともと「復興五輪」を掲げていたにもかかわらず、福島の帰還困難区域の実情を紹介していないことについても批判された。
東京五輪開催が決定したのは2013年のこと。そして2015年以降、日本国民は五輪に翻弄されつづけてきた。私の知り合いも五輪関係の仕事をしているためあまりこの五輪を悪く言いたくはないし、同氏のがんばりはわかっているのだが、この五輪、ネット時代にはもはや東京でやる必要はないのでは。
東京オリンピック事件簿
2013年は滝川クリステルがIOC総会で述べた「お・も・て・な・し」を過度に絶賛する風潮が生まれた。このときまでは日本には自信があった。スペイン・マドリードとトルコ・イスタンブールなんて大したことはない、と。
だが、今になって思うのはマドリードかイスタンブールにこんなもん押し付けておけばよかった、ということだろう。アスリートの皆様には申し訳ないが、オリンピックは人々を苛立たせ、日本はオリンピックに翻弄されつづけている。以下、列挙する。
・東京五輪エンブレム騒動
・エンブレム再コンペ
・スタジアム建設費高過ぎ問題
・スタジアム再コンペ
・ボート・カヌーの競技場変更検討。小池百合子東京都知事が「海の森水上競技場の整備費491億円は高い!」と宮城への変更を検討。だが、結局東京でやることに
・トライアスロン、東京・台場周辺での大腸菌問題発生
・猛暑で五輪はヤバい!報道連発
・2019年カタールでの世界陸上女子マラソンで棄権者が続出したため、東京の暑さを回避すべくマラソン・競歩は札幌開催へ
・小池百合子東京都知事vs森喜朗組織委会長の騒動はいつもあった
・森氏女性蔑視発言
・森氏の後継、橋本聖子氏のセクハラ騒動をどう解釈するかで紛糾
・新型コロナウイルスと東京五輪(延期・無観客・感染対策こそトッププライオリティになった……ほか)
・聖火リレーが「福島の人々のことを考えないでヤバい!」と評判
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