「結婚、恋愛、子育ての三位一体はハードルが高い」家族のかたちをカスタマイズして生きるための4つのヒント

2020.7.27

文=佐々木ののか 編集=碇 雪恵


不倫のニュースがあとを絶たない。他人の家庭・性愛事情についてはやし立てる風潮にも疑問はあるが、なぜここまで不倫の話がザクザクと出てくるのだろうか。

「家族と性愛」を看板に掲げるライター・佐々木ののかは、この現状について「そもそも、生活とセックス、場合によっては子育てが含まれる『結婚』というシステム自体に限界が来ているとは言えないか」と考える。そのゆえんは、彼女が定型の結婚や恋愛にハマれずに葛藤してきた当事者であることにある。

恋愛や結婚を通して感じた疑問や苦悩を晴らすヒントを探すべく、彼女は家族や性愛の「新しいかたち」を実践する人々にインタビューを重ねた。その歩みを1冊にまとめた『愛と家族を探して』を6月に上梓した佐々木ののかに、家族をカスタマイズして生きるための4つのヒントを紹介してもらった。


1:結婚しなくても子供を産み育てることはできる

私が最初に感銘を受けた考え方は、「結婚しなくても子供を産み育てることができる」というもの。

「できちゃった婚」のように、結婚と子育てを紐づけて考える人は多い。これは個人の価値観によるものというよりは、婚姻を結んでいない夫婦の子には相続が認められない、里親になりにくいなど、制度が「結婚子育てセット」をあと押ししていることが大きいだろう。

しかし、結婚して子供を持たない人がいるように、子供を産んで結婚しないという選択もじゅうぶんにあり得る。両者はまったくもって別の「適性」だからだ。そして実際に、そうした選択をしている人はいる。

私が出会ったある女性は、「好きな人の子供を産みたい」と思い、認知も養育費も受け取らないという条件で子供を産み、シングルマザー同士でシェアハウスをしたり、制度を活用したりして周囲の力を少しずつ借りながら子供を育て上げた。また、ある人は「共同保育」をしたい人を募り、マンションの一室でたくさんの保育人たちと一緒に子供を育てた。

生物学上の“父”に当たる人の選び方もさまざまで、見知った人にお願いすると負担をかけてしまうからとアメリカの精子バンクを利用し、ひとりで子育てしている人もいる。

結婚せずに子供を産み育てる選択肢だけでもこんなにたくさんあるのだ。そのことに、結婚に不向きな男性ばかり好きになってしまっていた25歳前後の私は救われたのである。

おすすめの本

『沈没家族』加納土/筑摩書房(2020年8月刊行予定)
1990年代の東京・東中野でシングルマザーの母が始めた共同保育の試みである「沈没家族」。そこで育てられた息子が当時の保育人たちや一緒に生活した人たちを辿りつつ、母の想い、不在だった父の姿を追いかけて、“家族のカタチ”を見つめなおしていく実話。同タイトルのドキュメンタリー映画は2019年4月公開。

『ふつうの非婚出産 シングルマザー、新しい「かぞく」を生きる』櫨畑敦子/イースト・プレス

結婚せずに子作りに協力してくれる人を求め、独自の「契約結婚」やゲイカップルとの人工授精を試みるなど、試行錯誤しながら念願の第一子を非婚出産した著者による葛藤と実践の記録。

2:結婚していても、子供がいても、恋人をつくることはできる


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佐々木ののか

(ささき・ののか)文筆家。「家族と性愛」をテーマとした、取材・エッセイなどの執筆をメインに、映像の構成・ディレクションなどジャンルを越境した活動をしている。2020年6月25日に初の著書『愛と家族を探して』(亜紀書房)を上梓した。

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