「結婚、恋愛、子育ての三位一体はハードルが高い」家族のかたちをカスタマイズして生きるための4つのヒント

100

2:結婚していても、子供がいても、恋人をつくることはできる

結婚してから好きな人ができたらどうするんだろうと思ったこともあった。成就するしない問わず、気が多い私が一生ひとりの人だけを愛しつづける自信は皆無だったし、その気持ちを秘めておく義務や必要があるのかも疑問だった。ただ、相手に内緒で婚外恋愛するのは、嘘や隠しごとが苦手な私には不向きだと思った。

そんな折、2016年ごろに「ポリアモリー」を知った。ポリアモリーとは、「複数の人を愛する『生き方』」のことで、パートナーに対して隠しごとをしたり騙したりしてほかに関係を持つ浮気や不倫とは異なる。

実際にお会いして話を聞いてみると、「配偶者との関係や生活は良好なものの、セックスレスだけが苦痛で外に恋人を持つようになった方」や「配偶者も恋人も大切で、どちらかと別れる選択ができなかったと話す方」など、身近な葛藤に向き合いながらも、自分に関わる人たちとの最も良好な選択を模索して辿り着いた結果だった、という方が多かった。

ポリアモリーという生き方に触れることで、またひとつ私の中の固定観念が瓦解した。もちろん、「ポリアモリー」に則らなくても、人を好きになることは本来自由であると私は思う。「不貞」に当たる婚外交渉は離婚の原因になると民法で規定されてはいるが罰則はない。当人たちが納得して選んだ生き方は、結婚していようが、子供がいようが、他者から侵される筋合いはない。

おすすめの本

『ポリアモリー 複数の愛を生きる』深海菊絵/平凡社

本気で複数の人を愛するというライフスタイル「ポリアモリー(複数愛)」を生きる人々について、理念やフィールドワークで得た知識などを人類学者の視点から論じる本。身近な例や当事者のケースを交えながら説明してくれるのでわかりやすく、「ポリアモリー概論」としておすすめ。

『わたし、恋人が2人います。』きのコ/WAVE出版

ポリアモリー当事者であるきのコさんによる『cakes』での人気連載を書籍化したもの。ポリアモリーに関する素朴な疑問を当事者の視点から語ってくれている。複数の人に恋をしてしまうことに罪悪感を抱き、もがき苦しんでいる人にこそ手に取ってほしい1冊。

3:恋愛を経由しなくても「家族」になれる

先に述べたように私は気の多い人間だが、恋愛が得意なほうではない。冷静さを欠くのも恋愛の醍醐味だと私は思うが、それが生活に入り込まれては敵わない。かといって、恋愛と生活を同居させ、それが徐々に冷めていくのも耐え難い。どうにか最初から、恋愛と生活、すなわち家族になることを切り離せないものか。

そう考えていたときに出会ったのが「契約結婚」を実践している方だった。恋愛感情を持たないふたりは法律婚はせず、「財布は別」「性的拘束はしない」など、相談して決めた条件の下に「契約」をして同じ屋根の下で暮らしていた。結婚6年目になる2020年には、法的拘束力のある書類を作成したという。

また、同性の友人同士で「家族」になった人もいる。とある劇作家の女性ふたりは恋愛関係にはないものの同居しており、今後は同性パートナーシップ制度を適用して養子を持てたらいいね、という話もしているという。おふたりのうちのひとりは、「この生活をするようになってから交際する相手が結婚向きかどうか考えなくてすむので楽になった」と話していた。

一緒に生活する「家族」をつくるまでの過程に、恋愛はあってもなくてもいいのだ。

おすすめの本

『結婚の奴』能町みね子/平凡社

人生を変えるような恋愛や結婚に違和感を抱きつつも、ひとりでの生活に耐えかね、ゲイの男性と「結婚」と称して同居を始めるまでを綴った能町みね子さんの本。エピソードの一つひとつがユニークなのはもちろん、小さな違和感や思考の軌跡が丁寧に綴られていて、自分の中の何かが小爆発を起こしまくります。

4:嫌になったらやめられる


『アルバムって覚えてる?』プリンスの言葉がずっと頭の中に渦巻いていた――西寺郷太インタビュー(PR)

この記事の画像(全5枚)


WHAT'S NEW新着

あなたにはこちらもおすすめ