『テラハ』木村花さん逝去「糾弾者に最高のツール」であるSNSはもうやめよう(中川淳一郎)

2020.5.24
nakagawajunichiro

『テラスハウス』(フジテレビ)に出演中だったプロレスラー・木村花さんが亡くなったことが5月23日に報じられ、SNS上で大きな衝撃を持って受け止められた。ネット上での誹謗中傷に悩んでいたという報道もあり、さまざまな議論が巻き起こっている。

ネットニュース編集者の中川淳一郎さんは、たとえネット上であっても誹謗中傷によって個人が受けるダメージは大きいとし、これからSNSとどう向き合うべきか、思いを綴った。

『テラハ』出演中の木村花さんが亡くなった

5月23日、恋愛リアリティショー番組『テラスハウス』(フジテレビ)に出演中だった女子プロレスラー・木村花さんが亡くなったことを所属団体・スターダムが発表した。これを受けて匿名掲示板5ちゃんねるには「【訃報】女子プロレスの木村花選手(22)、急死 『テラスハウス』出演でネット上で凄まじい誹謗中傷を受けていた」というスレッドが立ち上がり、書き込みスピードがかなり速くなっていた。

木村さんはSNSで誹謗中傷を多数受けていたという報道もあり、最後のインスタグラムの更新は猫と一緒の写真で、「愛してる、楽しく長生きしてね。ごめんね。」とある。木村さんは「嫌々ながら」スターダムの「SNS推進部ブチョー」に就任していた。

『テラスハウス』公式サイトより

少数でも中傷の書き込みのダメージは大きい

5ちゃんねるのスレッドには「俺みたいなSNS一切やらない人間はこの時代精神的に平和と思います」という書き込みがあったが、これは真理であろう。木村さんのように、SNSで情報発信をする必要がある人気商売の人にとっては必須のツールではあるが、実名を出してのネットの書き込みはたいてい罵詈雑言・誹謗中傷とセットである。

アンチとなった人間は何があろうとも叩いてくる。それは自分自身もこの10年ほどずっと同様で、アンチのアイコンを見るたびにため息をつきたくなる。「こいつは何があろうともオレのことを叩く存在としてしか見ていないんだな」と思う。今回、木村さんをツイッターで執拗に攻撃していた複数のアカウントは木村さんの死後、アカウントを削除して逃亡した。「お前が死に追いやった」 と自分が非難され、身元を特定されるのを恐れたのだろう。都合のいい連中だ。

だからこそSNSのブロック機能は最大限活用すべきだし、エゴサーチもやめたほうがいい。自身に好意的なコメントが100件あったとしても苛烈な誹謗中傷が3件あるだけで、精神的に繊細な人はとんでもないダメージをくらう。

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名指しで罵倒される人間がどれだけ傷ついているかわかるのか?

私はこれまで100回以上は「宣伝材料がある人間を除き、ネットで発言するのはデメリットのほうが多い。“ハイリスク・ほぼノーリターン”」と述べてきた。木村さんは宣伝材料がある人ではあったが、スターダムの公式サイトには「嫌々ながらSNS推進部の部長に就任した木村花選手」との記述があった。

【#スターダム】5/19(火)19:00~SNS推進部・木村花部長&TCS『みんな違ってみんないい!フォロワーUP大作戦』【#うちで過ごそう】

「有名人だからどれだけ罵詈雑言を言ってもいいんだよ」

この考えはネット普及の初期から常につづいてきた「有名税」的感覚だが、そんなわけがない。木村さんの死因についてはいずれ発表されるだろうが、罵詈雑言・誹謗中傷が多数あったことは事実である。

ここでは、こうした書き込みをすることがいかにクソ的行為であるかを書く

ネットにいちいち罵詈雑言・誹謗中傷を書くこのクソどもめ。お前らは安全地帯から好き放題書きまくっては「ふぅ~、今日も日課の悪口終了♪」みたいに思っているんだろうな。だが、名指しされて罵倒される人間がどれだけ傷ついているかわかるのか?

「これからの幸せにつながるSNSとの付き合い方」とは?

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中川淳一郎

(なかがわ・じゅんいちろう)ネットニュース編集者。1973年東京都出身。1997年博報堂入社、CC局(現PR戦略局)配属。2001年退社。以後無職、ライター、雑誌編集者などを経て現在はウェブメディア中心の編集者に。ひたすらネット上の珍騒動や事件を毎日テキストファイルに記録する生活を長年つづけている。

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