『テラハ』木村花さん逝去「糾弾者に最高のツール」であるSNSはもうやめよう(中川淳一郎)

2020.5.24

ネットは「糾弾したい者にとって最高のツール」

韓国の芸能人のように、お前のせいで誰かが死ぬこともあるわけだし、それをよしとしたり「それだけ精神力が弱いほうが問題」などとヘーゼンと開き直るお前ら。まぁ、人間がいかに薄汚い存在かがわかるわけで、お前みたいな薄汚いヤツでもなんでも書けるネットは本当に崇高なる存在ですね(棒)。

自分自身さんざんネットの仕事をやりつづけてきて、クソみたいなヤツがこの世にいかに多いかはよくわかったし、いちいち「美談」を期待するのは無駄だと思っている。自分の家族と信頼できる仕事仲間・友人のみを大切にする人生をこれからは各自が送るべきだと思っている。

宣伝材料がある著名人においても、あくまでも「これは宣伝のツール」と割り切り、それ以上は特に書く必要はないし、自分の評判など気にする必要がない

ネットというものは「糾弾したい者にとって最高のツール」なのである。

そんなツールに書き込まれるものによって、多くの人が心の不調を訴える。こんなバカげたことがあるだろうか。しかも、書き込む人間はあなたにビタ一文くれるような人間でもなく、単なるアンチである。

だからこそ冒頭で紹介した5ちゃんねるの「俺みたいなSNS一切やらない人間はこの時代精神的に平和と思います」という書き込みは至言だと思う。

今の自分はある程度宣伝しなくてはいけないから仕方なくSNSはやっているが、この5ちゃんの書き込み者のような境地に早く至りたい。だったら宣伝材料がない皆様方におかれては、この言葉を「金言」として無駄なSNS発信はもうやめてはいかがか。

「ネットに自分のことを書かない」ことこそ、これからの人生の幸せにつながる

正直、自分のことを世界に晒すのはただの露悪的バカ的行為であることはもう明らかになっているし、2013年から猛威を振るった「バカッター騒動」にしても、いちいち自分のことをSNSに公開したことから発生したわけである。

「ネットに自分のことを書かない」ことこそ、これからの人生の幸せにつながるだろう、と痛切に感じている。何しろ、なんらかの犯罪被害にあって死んだ場合でもメディアはあなたのフェイスブックの書き込み等を利用して死後のあなたをセカンドリンチするし、クソみたいな「トレンドブログ」がアクセス増のためにあなたの死と人生を使いカネ儲けをする。

先日、高級車に乗って猛スピードで走り、ひき逃げ死亡事故を起こしたキャバクラ嬢は、逮捕前のインスタグラムの投稿がしきりに取り上げられ、今やネット民の「楽しいおもちゃ」となっている。インスタグラムさえなければ「顔写真はよ」などと書かれるだけで済んだのに、プライベートがダダ漏れ状態だったため、ネット民の「いい暇つぶし」となってしまった。

もう、SNSはやめちゃえ。これでいい。

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中川淳一郎

(なかがわ・じゅんいちろう)ネットニュース編集者。1973年東京都出身。1997年博報堂入社、CC局(現PR戦略局)配属。2001年退社。以後無職、ライター、雑誌編集者などを経て現在はウェブメディア中心の編集者に。ひたすらネット上の珍騒動や事件を毎日テキストファイルに記録する生活を長年つづけている。

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