マインドのずれを一緒に埋めていくファンコミュニティ
――ファンコミュニティとして10月にスタートした「B-Town」は、いかがですか。
SKY-HI 非常にいいですね。

――具体的には、どのような面に可能性を感じていますか。
SKY-HI 大きく分けてふたつあります。ひとつ目は、問題にも力にもなるファンダムというものを再構築や再定義するのに、ひと役買ってくれそうなところ。演者とファンの間に起きる問題の多くは、意識や意志のずれなんです。最初は小さな食い違いだったものが、放置しておくと取り返しのつかないものになってしまう。
ファンがアーティストやアイドルに対して思ったり求めたりするものに、危うさを感じることもあります。アーティストが意思を見せたら「自分の思ってるあなたと違う!」となったり、アイドルが髪の毛を染めたのに対して「戻せ!」と迫ったり、平気で太ったとか痩せたとかセンシティブな体重の話などを本人に伝えたり。でも、一方でファン心理というものは自分にはわからないことも非常に多いので、一緒にずれのないマインドを作っていきたいですね。
――もうひとつはなんでしょう。
SKY-HI クローズドSNSなので、お互いに変な忖度が働かないことです。不特定多数の目に触れる可能性があるものって、削って整えて問題がないようにきれいにしなくちゃいけないですよね。それって発信する側の負担になっていることはもちろん、見る側にも「何か言ってよくないことがあるんじゃないか」と変な意識が働いてしまい、双方にとって健康的ではない。
その点、クローズドSNSならフォローする時点で何かしらのハードルを越えていますし、一つひとつのエンゲージメントを深いものにできる。同じ条件をクリアしているという時点でファン同士の関係も横並びになりますし、とても平和です。

――インスタグラムを主軸に発信しているのもおもしろいですね。
SKY-HI シンプルにユーザー数が多いのもありますし、コミュニティに参加するためにわざわざ登録するものにしないほうがいいな、と。インスタグラムなら、普段からみんな見るでしょう。
――確かに。
SKY-HI インスタグラムで運営できるかどうか、3〜4カ月くらい可否を探っていました。毎日長文を作って投稿することがスケジュール的に可能なのか、それも自分のアカウントで実験しました。それが、8月に20日間くらい書いていた日記です。
――始まって1カ月弱ですが、手応えはありますか。
SKY-HI あります。ファンの方に今まで見せることができなかった、音楽制作の裏側や進行中の楽曲のことなどを伝えることができますし、一線を越えたサービスを提供できている実感もあります。それに僕自身もすごくおもしろい。コミュニケーションを通して、自分の中にはなかった視点を学ばせてもらっています。コミュニティの中で綴っていることは、ファンダムや音楽業界に興味がある人なら楽しんでもらえるはず。だし、いちアーティストが、そして事務所の社長がこんなに深くコミュニケーションを取ることは今まであまりなかったと思うので、ぜひのぞいてみてほしいです。
関連記事
-
-
「奪われたものは取り返すつもりで生きていく」FINLANDSが4年ぶりのアルバムで伝える、新たな怒りと恥じらい
FINLANDS『HAS』:PR -
牧場バイトからアイドルへ、かてぃが歩んだ多彩な仕事遍歴
求人ボックス:PR