大人気コスプレイヤー・火将ロシエルが明かす、激動の2020年上半期と目指すべき次のステップ

2020.6.17

文=ソムタム田井 編集=森田真規


日本を代表するポップカルチャーの一角として注目され、国内外を問わず、幅広い層に親しまれているコスプレ。近年では、テレビ番組や雑誌のグラビアでも、コスプレイヤーの活躍を目にする機会が増えてきましたが、ここ数カ月は新型コロナウイルス感染症の影響で、多数のコスプレイベントが開催中止に……。緊急事態宣言こそ解除されたものの、現時点ではまだイベント再開のメドは立っておらず、今後のコスプレ業界はどのように推移していくのか、非常に気になるところです。

そこで今回は、『ヤングチャンピオン』で表紙を飾るなど、業界の第一線で活躍するだけでなく、芸能事務所の代表も務めるコスプレイヤー・火将ロシエルさんにインタビューを実施。激動の2020年上半期を振り返りつつ、“コスプレイヤー”として考えていることや、今後の展望なども存分に話してもらいました。

火将ロシエル
(かしょう・ろしえる)株式会社コプルト代表。プロコスプレイヤーとして数々のメディア出演をこなすほか、メイドカフェ「猫耳メイド屋」のプロデュースや、アパレルブランドとのコラボレーション商品の制作などにも従事。さまざまな分野で勢力的に活動の幅を広げている。2nd写真集『月長石/MOON STONE』(ワニブックス)が発売中。


タイやフィリピンで東京の魅力をPR。上半期は“飛躍”と“転換”の半年だった

――2020年上半期はコスプレ業界全体にとって、どのような期間だったと思われますか?

ロシエル コスプレイヤー一人ひとりの、SNSやオンラインツールに対する意識、関わり方が大きく変化した半年だったと思います。『コミックマーケット98』をはじめ、多くのリアルイベントが開催中止になっていくなか、 一人ひとりがコスプレ文化の灯を絶やさないように、オンラインに新しく活躍の場を見つけ出していったことが印象的でしたね。

オンライン撮影会や「エアコミケ」、Zoomを使った交流会など、自宅にいながらでもできる活動が、コスプレ業界でも話題になっています。こうした展開は、リアルイベントが再開されるようになっても、新しいコミュニケーションの手段として残っていくのではないでしょうか。

それともう1点、外出自粛でずっと家にいたことで、改めて好きな作品やコスプレについて考える……と言いますか、自分自身の“コスプレとの関わり方”を見つめ直す時間が持てたことも、コスプレイヤーにとってはよい機会だったと思います。この期間中に、新しい表現手段を見つけたレイヤーもいるでしょうし、今まで誰も想像しなかったような活動を始める人がこれからは増えてくるかもしれないですね。

――新たな風が吹き込むことで、コスプレ文化はさらに発展していきそうですね。ロシエルさんにとっては、この半年はどのような期間でしたか?

ロシエル ひと言で表すなら、私の場合は“飛躍”と“転換”の半年でした。飛躍という意味では、昨年末に漫画雑誌で表紙を飾らせていただいて以来、グラビアのお仕事が急激に増えたんです。今年に入ってからも『月刊キスカ』と『ヤングチャンピオン』で表紙を飾らせていただきました。今現在、すごく大きな企画にも関わらせていただいているので、こちらも早く発表したいです!

表紙&巻頭グラビアを飾った『ヤングチャンピオン』(2020年5月26日発売号)
(C)LUCKMAN(秋田書店)

それと今年の1月には、東京観光財団のお仕事でタイやフィリピンに行き、東京の魅力をPRする活動にも関わらせていただきました。初音ミクのコスプレをして、日本の文化を紹介するクイズ大会などを実施したんですけど、大勢の方に楽しんでもらえて、私自身もやりがいを感じました。フィリピンでは、日本での私のイベントに来てくれたことがある熱心なファンの方もいらしていて、すごくうれしかったです。コスプレイヤーが行政の活動に参加できるようになったという意味でも、飛躍につながるお仕事だったと思っています。

タイとフィリピンでは初音ミクのコスプレをして東京の魅力をPR

これまでとこれからを表現した写真集の発売。プロと組んでYouTubeチャンネルを開設


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ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..

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