イタリア出身のコスプレイヤー、日本文化にハマったきっかけは『FRUiTS』『攻殻機動隊』

2020.3.21
yurikotiger_main

取材・文=ソムタム田井 編集=森田真規


ウィッグや衣装、さらにはメイクにまで徹底的にこだわり、さまざまなアニメ&ゲームのキャラクターになりきるコスプレイヤーたち。作品の世界観すらも忠実に再現し、芸術的な写真や映像作品を生み出しつづける彼女たちの創造力は、いかにして育まれたものなのか?

今回はイタリア出身のコスプレイヤーであり、タレント、モデル、声優、女優など、さまざまな分野で活躍するユリコタイガーさんにインタビューを実施。自身の創造性に大きな影響を与えたサブカルチャーを3つ、そして今現在、興味を惹かれているコンテンツをひとつ挙げてもらい、その思い出や魅力などを語ってもらいました!


人気コスプレイヤーの創造性の源泉となった“三種の神器”とは?

【Fashion】HELLCATPUNKS

イタリアでも『FRUiTS』や『KERA』といった日本のファッション誌が売っていて、そこで見つけた瞬間「かわいい!」と思ったブランドが「HELLCATPUNKS(ヘルキャットパンクス)」。あくまでも私の知ってる範囲でですけど、“パンク”と“かわいい”を融合させたブランドの先駆けだったんじゃないかな。HELLCATPUNKSの服を着て原宿を歩きたい!というのも、日本に憧れた理由のひとつですね。

yurikotiger_HELLCATPUNKS
HELLCATPUNKSの帽子を使ったパンク路線のコーディネート

最近ではストリート系の流れを取り入れた、カジュアル路線のアイテムが増えてきたけど、私はどちらかというと、初期のころのパンク要素が強めのデザインのほうが好きかなぁ。もちろん、今でも新商品が出るたびにチェックしていますが、服よりもチョーカーやアクセサリを購入するほうが多いですね。「SEXY DYNAMITE LONDON(セクシーダイナマイトロンドン)」や「Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)」も好きなので、そういったブランドの服と合わせることもよくあります。

最近では、SNSに写真をアップして「かわいい」と言ってもらうことを前提にファッションを選ぶ人が増えてきたけど、私が憧れていたのは、90年代当時の“本当に自分が着たいと思う服”を着る原宿ファッションなので。そのころの風潮がまた戻ってきたらいいな、と今でも思っています。

yurikotiger_3
ハーレイ・クインのコスプレをするユリコタイガー

【Music】セックス・ピストルズ

楽曲というより、メンバーたちのパーソナリティにものすごく影響を受けました。そのなかでも、ベースのシド・ヴィシャスの生き方は強烈で、彼の人生そのものがまさにパンクでしたね。カルチャーとしてパンクを捉えた場合、常に攻撃的で、反体制的なパフォーマンスをしないといけない……と思われがちだけど、決してそれだけではなくて。既存の概念を打ち壊して、新しいモノを作り出していこうとする精神もまた、パンクに内在しているものだと考えています。私の場合は特に、90年代の日本のパンク・ロックからそれを感じることが多くて。そこから逆にルーツを辿っていって、セックス・ピストルズに行き着いた感じなんです。

yurikotiger_SEXPISTOLS_1
お気に入りのセックス・ピストルズのTシャツ

話が少し逸れますが、そうした“常識を変えてやる”という熱意は、アニメ業界からも感じることが多いです。特に90年代に発表されたアニメには、好き嫌いがはっきり分かれる作品がすごく多かった。絶賛もされるけど、一方で「全然おもしろくない」と批判もされる。だからこそ、いろんな意見が飛び交って議論し合えるのがおもしろいのに、最近ではどの分野も“大多数に好まれる作品を作るべき”という風潮で、とがった作品が出てこなくなってしまっている気がします。そんな憤りを感じるたびにいつも思い出すのが、セックス・ピストルズのメンバーたちの生き様なんです。

【Anime】『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』


この記事の画像(全29枚)


この記事が掲載されているカテゴリ

somtum_tai2

Written by

ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太