里親探しの裏側、全部見せます!猫の幸せのための重要な手続き〈もらわれていった子猫にこの家を思い出さない未来を望む〉


いざお届け!新幹線に乗る

時節柄もあり、「えん」の負担も考慮して、都内への移動には新幹線(小田原→東京)を使った。JRでは、猫は普通手回り品扱いとなるので、290円払って乗車する(豆知識)。

「えん」は、キャリーバッグの中でもおとなしく、ほとんど鳴かない。えらいのだ。

〈口角を上げる練習 里親に猫を届けにゆく助手席で

無事ご自宅に到着。

「えん」を迎えるために準備された新品の猫タワー、エサ皿、トイレ、爪とぎ……。それらを見るだけでグッとくる。

「えん」をキャリーバッグから出すと、早々にコタツに潜ってしまった。コタツがあってよかったね。特に最初は、猫が隠れられる場所を作ってあげておくことが大事。

その間、コタツの上では誓約書が交わされたり、お茶菓子をいただいたり。誓約書なんて、形式的なものに過ぎないんだけど、形式的なことが大事な場合もある。

誓約書
誓約書

無事、お届けも終わって、帰路に着く。

帰りは「えん」もいないので、在来線でトボトボ帰った。キャリーバッグを持ち歩いていると、すごく視線を感じる。「ごめん、このバッグはもう空っぽなんだ……」と、なんだか申し訳ない気持ちになった。

〈里親に猫を届けて行きよりもキャリーバックが軽くて重い

帰宅。子猫がいなくなった家は、静かだ。

「えん」、早く慣れるといいな……。臆病だし、慎重派だから、ちょっと時間がかかるだろうけれど、長い目で見てほしいな……。

〈譲渡する猫を届けて我が家から生命体がきょうひとつ減る

取り越し苦労にもほどがある

里親さんに「トライアル中は、3日に一度くらい、様子をご報告いただけるとうれしいです」と伝えておいたら、きっちり3日に一度、「1日目」「2日目」「3日目」……と、日々の変化をまとめて報告してくれる。好感度しかない。

その最初の報告で、「えん」が思い切りくつろいでいる写真が送られてきた。なにが「ちょっと時間がかかるだろう」だ。取り越し苦労にもほどがある。

もしかすると「えん」は、我が家では少し警戒していたのかもしれない。ほかの猫の鳴き声や気配、声の大きい飼い主(僕)……。なんかごめんよ……。

「えん」が「ピピくん」になった

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仁尾智

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仁尾 智

(にお・さとる)猫歌人。1968年生まれ。1999年に五行歌を作り始める。2004年『枡野浩一のかんたん短歌blog』と出会い、短歌を作り始める。短歌代表作に『ドラえもん短歌』(小学館文庫)収録の《自転車で君を家まで送ってた どこでもドアがなくてよかった》などがある。『猫びより』で「猫のいる家に帰り..