里親探しの裏側、全部見せます!猫の幸せのための重要な手続き〈もらわれていった子猫にこの家を思い出さない未来を望む〉


里親希望者現る!

……で、肝心の「えん」への応募はどうだったのか?

外見的には、まあまあ「変哲もない普通の猫」である「えん」。
もう「子猫」というには大き過ぎる「えん」。
慎重で遠慮がちで、子猫らしいところがあまり見当たらない「えん」……。

不利過ぎる。

……でも、来たのです! 里親希望者が! 複数人!

希望者の方々とのやりとりを経て、「もう絶対この人たち!」というご夫婦とのお見合いが決まった。我が家に来てもらって、実際に「えん」と対面したり、触れ合ったりしてもらうのだ。

実は気になっている猫がいる

見合い当日。

里親に名乗り出てくれたのは、とても感じのいい新婚のご夫婦。

応募のいきさつを聞いてみた。

昨年、ご結婚されて兼ねてからの希望で、猫が飼える新居に入居。奥さまのご実家では現在も複数の猫を飼われていて、自分でも飼いたいと。旦那さまが「猫、どうするの? 保護猫団体とか行ってみる?」と奥さまに話したところ「実は気になっている猫がいる」と。それが「えん」だった、と。奥さまは保護当初から「#えん保護日記」のタグを追いかけていた、と。

これを聞いたときに「もう優勝! 絶対飼ってくれ!」と思った。

思ったけれど、それはできるだけ態度には出さないようにした。飼う飼わないの判断に「僕たち側の願い」みたいなものが影響しないように、と考えてしまうのだ。

だから「もし難しければ遠慮なく言っていただければ、またほかの里親さんを探すか、僕らが飼うことにするか、だけの話なので、僕らに気を使ってもらうことは全然ありません」みたいにつっけんどんな物言いになってしまう。

言えば言うほど、あちらから見ると「この人たちはうちに譲りたくないのだろうか……」と思われても仕方がないような態度になっていく。

違う、まったく逆なのだ。

お見合い中、「えん」にはケージに入ってもらっていた。

はじめのうちは「シャーッ」と威嚇したりしていたけれど、場が和むにつれて、「えん」も落ち着いていった。わざわざ「えん」のために持参してくれたちゅ~るまでごちそうになってしまって……。

えんのお気に入りの場所
えんのお気に入りの場所

お見合いが終わったら

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仁尾智

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仁尾 智

(にお・さとる)猫歌人。1968年生まれ。1999年に五行歌を作り始める。2004年『枡野浩一のかんたん短歌blog』と出会い、短歌を作り始める。短歌代表作に『ドラえもん短歌』(小学館文庫)収録の《自転車で君を家まで送ってた どこでもドアがなくてよかった》などがある。『猫びより』で「猫のいる家に帰り..