お見合いが終わったら
お見合いが終わっても、その場では何も聞かない。
一度持ち帰ってもらって、改めて相談してもらった上で「飼いたい」となったら、次は、実際に猫と暮らしてみる2週間のトライアル期間に入る。
トライアル期間は、保護団体によって設けていたり、設けていなかったり、さまざまだと思う。ウチは「2週間」としているけれど、それより前でも後でも問題があれば、事情を聞いた上で戻してもらう心づもりはあるので、おたがいの「気持ちの区切り」としての便宜的な期間だ。
結果の連絡を待つ間は、「やきもきする」という言葉がぴったりだった。
それまでは「まあ、こればっかりは相性だから」とか「だめでうちで飼うことになれば、それはそれでうれしい」などと話していたのに、いざその段になると「来たれ! いいお返事」としか考えなくなる。
翌日、「ぜひ、トライアルを」というお返事が。
ホッとしたのと同時に「えん」のいない我が家を現実感を持って想像してしまって、ちょっと愕然とした。自分たちで里親に出す、と決めて動いているのに、いざ決まるとそんな気持ちになってしまう。
〈こちらから決めてお別れする猫で泣く意味がなく泣くわけがない〉
でも、一方では、迎える側の気持ちも想像してしまうのだ。
「えん」を迎えるためのエサ皿やトイレ、キャリーバッグを選ぶときの気持ちなんかを想像すると、もう、本当にバカみたいな表現だけど「ぎゅーっ」となってしまう。
トライアルは、1週間後から。
今度は、こちらから猫をご自宅に届ける。直接ご自宅にお伺いすることで、これから猫が暮らすことになる環境を確認させていただく、という側面もある。
トライアルまでの1週間は、寂しい思いを存分に堪能した。
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