トム・ブラウン布川は“マジメを装った変態”であり、みちおが人間として生きていくための道標

文・編集=佐々木 笑 撮影=TOWA


お笑いコンビに、相方の魅力を語ってもらう連載「魅惑の相方」。

第6弾はトム・ブラウン。『M-1グランプリ2018』で強烈なインパクトを残した唯一無二のネタを武器に、売れてもなお、変わらぬ頻度で劇場に立ち、ライブシーンを盛り上げる彼ら。

恰幅のよいビジュアルと猟奇的なキャラが根強いみちお。そんなみちおに反して、スラッとした布川は一見常識人のようにも見えるが、実は中身は違うようで……。

先手のみちおに話を聞いていくと、布川の内にある“ヤバい部分”が明らかとなった。


部長・布川は高校のスターだった

──おふたりは、高校の部活動の先輩後輩なんですよね。

みちお そうですね。入学してすぐ、教室に布川が来て「君、中学時代に相撲で全国大会行ってるんでしょ? よかったら柔道部来てよ」って部活に誘ってくれたのが最初の出会いです。

トム・ブラウンみちお
みちお。38歳。「モテなそう」という理由で相撲を辞めた

布川は一個上の先輩なんですけど、本当に高校のスターでしたね。新入生に向けた部活紹介の発表後、普通に帰るところを、布川が前回り受け身で体育館の端から端まで前転してたんですよ。それを見て新入生も盛り上がってて、僕も「うわっ、おもしろい人だ」って。火の玉小僧じゃないですけど、人前で何かをしでかす人ってイメージでした。

──上下関係は厳しい部活でしたか?

みちお まったく厳しくなかったですね。部活に入って半年くらいのとき、布川が“ズボンのチャックを下ろして、見えるのが指サックかチ○コかを当てるゲーム”を考案してて。めちゃくちゃおもしろかったんですけど、そのときに「この人に敬語を使うのは嫌だな」と思っちゃって(笑)。それで、トレーニングしてる最中に「敬語やめてもいいですか?」って聞きました。1、2秒「おぉ……?」ってなってたけど、「まあいいよ」って言ってくれて。

──だいぶ早い時期からフランクに。布川さんは、ほかの後輩とも仲がいいほうでしたか?

みちお 仲よかったです。でも、バカみたいなノリはいつも僕と布川で一緒にやる感じで。道場から教室まで誰にも見つからずに裸で行けたら勝ちっていう、“全裸メタルギアソリッド”ってノリを一緒にやったりしてました。

──(笑)。

みちお その流れで今もフラットなんですけど、ネタ合わせのときに僕がちょっと言い過ぎたりすると、なんとなく「先輩だぞ?」って顔をするときはあります(笑)。敬語が取れたのは早かったけど、なんだかんだでいまだにちょっと先輩後輩の雰囲気はあります。布川は部長もやっていて、めちゃくちゃふざけるけど締めるとこは締めるような、頼られる存在でしたから。

──リーダー気質なんですね。

みちお 僕はそう思ってますけどね。根がマジメなんで、仕事を与えられたら真剣にやるタイプなんですよ。それに、礼儀的なこともわかる人なので、事務所(ケイダッシュステージ)に入ったときに、先輩との接し方を布川に相談してました。僕は、人間として社会に交わるときにダメっていう自覚があるので(笑)。

──人間として……。

みちお 芸人としてではなくってことです(笑)。僕、親に甘やかされ過ぎたんです。何をしてもかわいいって言われて育ったんで、なんでも許されると思って生きてきたんですよ。 

トム・ブラウンみちお
兄弟は姉がふたり。かわいがられて育った、末っ子みちお

『コロコロコミック』の世界ですよね


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佐々木 笑

(ささき・えみ)1996年生まれ。宝島社ムック局編集部のち、フリーランスの編集者・ライター。笑と書いてエミ読みます。本名通りお笑い大好き人間に育ちました。『フワちゃん完全攻略本』『#麒麟川島のタグ大喜利』『KOUGU維新 公式本で、イザ参ラン!』(すべて宝島社)など。アイコンは川島さんに描いていただ..

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