もう外では暮らせない猫
そうして、保護してから47日目にして、ようやく寝顔を撮るために僕が近づいても、起きなくなった。
こうなると、思うのだ。
これは、安心してくれている証であると同時に、もう外では暮らせない猫になってしまった、ということではないか、と。
もちろん、二度と外に出すことはないのだけれど、こうしてしまった以上、僕には「えん」を家猫として生涯幸せにする責任がある。
〈ノラだった頃じゃできない顔で寝て 油断とスキしかない猫でいて〉
今後の「えん」のこと
里親募集サイトなどに登録して、本格的に里親さんを探す予定。
念のため、「えん」のチャームポイントをお知らせしておく。
まず、細くて長くてまっすぐな尻尾と、左前脚の肘当て。
あと、「いいね!」って言ってるみたいな左半身のサムズアップ柄。
そして、からだにもう1匹の猫を宿している右半身の柄。
猫との暮らし、とてもよいものですよ。
〈お店では買えない猫と暮らしてる プライスレスにもほどがあります〉
〈里親の決め手は猫が我が家より幸福になれるかどうかだけ〉
おまけ(外猫だった「えん」)
外猫時代の「えん」の様子。すばしっこくて「ああ、捕まえるの大変そうだな……」と、ぐんにゃりしたのを覚えている。



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『猫のいる家に帰りたい』(短歌・エッセイ 仁尾智/イラスト 小泉さよ)
(たぶん)世界初の猫猫歌人・仁尾智、『猫びより』『ネコまる』13年間の連載がついに単行本化。短歌とエッセイで綴る猫との暮らしの悲喜こもごも。小泉さよさんの描き下ろしイラストも満載。
定価:1,300円(税別)
サイズ:A5/112ページ
発売日:2020年6月24日
発行:辰巳出版関連リンク
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