『水ダウ』番組内容を隠す異例の試み。テレビでしかできない遊び心の『すてきに帯らいふ』(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

【関連】『水ダウ』でパンサー尾形が約7時間かけて落とし穴脱出「何がおもしろいんですか、これ?」


『水曜日のダウンタウン』

番組表の予告で「ネタバレ要素を含むため番組内容は掲載せず」と隠されていたのは、「『帯番組』のMCということで喜んで受けたオファーが『着物の帯を紹介する番組』だったとしても『だったらやめます』とは言い出しづらい説」。

以前、「冠番組」で同様のドッキリを行ったが、今回は「ホントドッキリ」の第3弾。本当に収録し、オンエアするという。

MC候補は、マヂカルラブリー、ニューヨーク、さらば青春の光。最後までドッキリと疑わず前向きに取り組んだコンビが、実際にMCに選ばれる。最初に「帯番組」と聞き、即座に「どっち? お笑い?」と聞くマヂラブ村上。『ラヴィット!』の深夜版を夢想し、語り合うマヂラブのふたりがとてもいい。さらば森田の第一声は「ブクロも?(笑)」。

1週間後、実際の番組名は『すてきに帯らいふ』で「帯番組」違いであることが明かされる。そのとき、自分たちの勘違いに思わず吹き出してしまうリアクションがおもしろい。村上「調子に乗ってたかもしれないっすね、僕ら」、野田「帯はまだ早いか、さすがに」と凹むマヂラブ。

もともと番組表上では「番組未定」となっていた当日深夜の枠で、実際にオンエアされる。番組表もリアルタイムに更新され『すてきに帯らいふ』の表示が。スタッフが退出すると、勘のいい森田はすぐに隠しカメラを探し始める。

「すゑひろがりずでいいじゃん」と至極まっとうなことを言う野田は、「自分たちにまったく関係しない仕事、いよいよ来だしたかって思ってうれしくなっちゃったけどね」と感想を漏らす。まさにこの言葉は「ブレイク」から「定着」の境目を的確に表現したものだと思う。

ニューヨーク屋敷は「どっかではしゃべろう」と言いつつ前向き。やはり芸人の場合、無茶な仕事でもエピソードトークに使えるから強い。

企画の性質上、ウソと疑われるためにあえてウソみたいな仕掛けをする。和服で打ち合わせ、そこでは抹茶とお茶菓子が出される。「帯ギャグ」を要求され「ベルトが競合商品」などとでっち上げ。さすがにカメラを探し出す野田。

もはやドッキリを確信している森田はアンケートも空欄やひと言ばかり。一方、「テレビ出た過ぎて盲目になっている」東ブクロはびっしり埋めている。西陣織の歴史も調べたという。

結果、マヂカルラブリー、さらば青春の光は脱落。終始前向きだったニューヨークがMCに。このあたりもニューヨークの強さなのだろうと思う。

ニューヨークにはスタジオでネタバラシ。プレゼンターの麒麟・川島に最近おかしいと思った仕事を問われ「『ラヴィット!』で9時間ロケ」と答える嶋佐。が、『すてきに帯らいふ』のことを思い出し「死ぬかと思いました、あの収録」と屋敷。

実際の収録では、ひとつ目のコーナー終わりの休憩に「今のところ撮れ高ないんじゃないの?」「あたしが損するの。苦情ですよ」と岩下尚史に説教されるドッキリ。改めて『帯らいふ』の放送が告知され、おぎやはぎ矢作「30分くらいだったら観ようと思うけど、1時間は長い(笑)」。

『すてきに帯らいふ』

ニューヨークと川島の副音声つき。パネラーには和泉節子、岩下尚史、『美しいキモノ』元副編集長の富澤輝実子とガチなメンバー。

本当に勉強になるVTRから、どの帯が日本一かを競う討論会など「帯」番組としてまっとうな企画。これが思わぬ高視聴率を取って、実はこういうマニアックな番組に需要があったんだ!と編成が気づくみたいな展開になったらおもしろい。

「レッツ帯散歩」では山村紅葉が帯探しロケ。同行したアナウンサーのベルト部分にはモザイクがかかっており、「ベルトが競合」という設定をそのまま活かしたり、岩下がドッキリで説教する伏線で憮然とした表情をしているのをしっかり映したり、ニューヨークの「帯ギャグ」のあとにスベった余韻をあえて残していたりと、『水ダウ』から観た人用の編集も。

副音声では、いかに討論会が巧みな編集をされているかとか、川島が同じ状況だったらどうするかのMC術が語られるなど興味深かった。これまでのテレビではあり得なかった、けれどテレビでしかできない遊び。それを思いつくまではできても、実現させてしまうのが本当にスゴい。


明日観たい番組:『ザ・ベストワン』4時間SP、『爆笑問題の検索ちゃんネタ祭り』ほか

『ザ・ベストワン』(TBS)4時間SP。「ベストワントーク」に千鳥、とろサーモン、ダイアン。

『爆笑問題の検索ちゃんネタ祭り 実力派芸人大集合SP』(テレ朝)に東貴博、オードリー、古坂大魔王、空気階段、土田晃之、東京03、トム・ブラウン、友近、ナイツ、見取り図、ロバート。

『明石家サンタ』(フジ)に村上ショージ、松尾伴内、木田優夫。

『爆チュー問題のクリスマスプレゼント』(フジ)爆笑問題、霜降り明星、四千頭身、テツandトモ、ぽんぽこ、脳みそ夫、シティホテル3号室、ゆりありく、山中秀樹。

『しくじり先生』(テレ朝)に神田愛花。

『A-Studio+』(TBS)に杉咲花。

『スナック キズツキ』(テレ東)、『おしゃ家ソムリエおしゃ子!2』(テレ東)最終回。


この記事の画像(全1枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ


  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

    #【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ) の記事一覧


てれびのスキマ

Written by

てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太