「大学お笑いサークル芸人」で“スーパースター”が集結。意外な関係性やつながりに、胸が躍るエピソード満載(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

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『アメトーーク!』

「大学お笑いサークル芸人」。出演者は以下の通り。

・大阪芸術大学「落語研究寄席の会」から東家五衛門こと駒場、田舎家こちょむこと内海のミルクボーイ
・その1期下の東家四六歩(よんろくふ)こと初瀬、東家二刀流(むさし)こと森下のななまがり
・早稲田大学「お笑い工房LUDO」から「エガラモガラ」のハナコ岡部
・上智大学「SCS」からラランド・サーヤ
・法政大学「HOS」からマヂラブ村上
・ICUのお笑い研究会から「おでんあつし・うまし」のうましことトンツカタン森本
・慶應義塾大学「お笑い道場O-Keis」から「上海魚人伝説」の令和ロマン・高比良くるま

そしてMC横ゲストには創価大学・落語研究会出身のナイツという、村上曰く「スーパースター集団」が集結。

実際、ミルクボーイは「大学生M-1グランプリ」王者、村上は「大学生お笑い日本一決定戦」2連覇、岡部は「D-1グランプリ」優勝、サーヤは「NOROSHI2018」「College Comedy Contest」「レジスタリーグ」優勝、「大学芸会」準優勝と、超エリートたち。

『M-1』優勝ネタと同じ「言ったり来たり漫才」のフォーマットの原型を使っていた当時のミルクボーイを見て、村上は一度はお笑いを諦め、就職を考えたという。高比良によるとミルクボーイが『M-1』に優勝したことで「学生の中に、“今やってるネタでM-1優勝できるかも”」という風潮ができたそう。独自のシステムの漫才をウケなくてもやりつづけているという言葉に、内海は「俺らはウケてはいたけどね!」。

「法政はパイプカッツっていう3人組が強かった」や「大会を総なめにしたコマツザワヒロシという『消えた天才』がいた」といった、プロにならなかった“伝説”の学生芸人の話に胸が躍る。

サーヤと高比良が組んだこともあるとか、ラランドのマネージャーは学生時代にライバルとして競い合った相手だとか、岡部にアドバイスしていたのが超理論派だった先輩が後のひょっこりはんで、ひょっこりはんと組んでいたのが創価大の南部で、彼は現在ななまがりの単独ライブの作家をやっているだとか、ナイツの出ていた大会に多摩美術大学からラーメンズも出ていて漫才をしていたとか、意外な関係性やつながりにときめいてしまう。

村上のサークルが学園祭で主催したライブにモダンタイムスを呼んだところ、一緒についてきたのが野田クリスタルだったというエピソードも。「僕が大学生の時に野田クリスタルは僕のお笑いサークルの学祭に出てる。チンチンにスベってましたけど(笑)」。

そんなマヂカルラブリーは、サーヤや高比良の世代の学生芸人にとって憧れの的。彼らが青春を賭ける大会「NOROSHI」の初日のMCをしていたという。負けて号泣している学生たちを前にエンディングで一言を振られた野田は「お笑いに順位はねえ!」と締め、暗転。スタンディングオベーションが起こったそう。本当に青春マンガのよう。

最後に当時の自分に向けてメッセージ。村上「キミが学園祭で見つける激スベリ芸人・野田クリスタルは天才です。必ず手に入れといてください」。

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『にゅーくりぃむ』

「もうええわ」「いい加減にしろ」などが定番の漫才の終わり方の「新作コレクション」。

カミナリは、たくみが小泉純一郎風のズラを被って漫才し、ツッコミで叩かれまくったまなぶに「痛みに耐えてよくがんばった。感動した!」で締める。ラフレクラン改めコットンは「気をつけ! 礼!」と言ってサイレンが鳴る「甲子園」スタイル。上田は「優勝でいいと思う」と絶賛。

鬼越トマホークは最後にいきなり母親に電話をかけ、「終わっていいかな?」と問いかけ「もういいよ」と言ってもらうという斬新な終わり方。「M-1とかでやってみ!」と上田。これは本当に鬼越らしいふざけ方で、本当にやったら話題になりそう。

そして、この3組に対し、同じ出場者の立場にも関わらずなぜか辛口の審査評を語っていた井口だが、ウエストランドとして漫才を行うと、「事故ってんの?」とたくみが訝しむようにグダグダのまま終わる。「まずガッツリ趣旨が理解できていなかった」と言い訳する井口に、まなぶは「ホントにひとつひとつの仕事ちゃんとやったほうがいいですよ」と辛辣。相方の河本「台本渡されたときから恥ずかしかった(笑)」。


明日観たい番組:「音楽業界のプロ99人をやっつけろSP」など

『キングオブコントの会』(TBS)松本人志、さまぁ~ず、バナナマン、東京03、ロバート、バイきんぐ、シソンヌ、ライス、ハナコ、チョコレートプラネット、ロッチ、ジャングルポケット、さらば青春の光。

『99人の壁』(フジ)「音楽業界のプロ99人をやっつけろSP」。

『お笑い向上委員会』(フジ)3時のヒロインVS平成女芸人軍団。

『有吉反省会』(日テレ)ブラジリアン柔術家・橋本知之。

『ゴッドタン』(テレ東)「いきなり番宣選手権」。

『おやすみ日本 眠いいね!』(NHK)に佐藤隆太。

『王様のブランチ』(TBS)に明石家さんま。

『人生最高レストラン』(TBS)に伊藤沙莉。

『ストーリーズ』(NHK)事件の涙「優希とともに ずっと~附属池田小事件 遺族の20年~」。

佐藤二朗・主演『ひきこもり先生』(NHK)スタート。


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    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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