オードリー若林が感激した「どう、絶望してる?」。『はねトび』での“理解者”板倉との出会いを回想(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2021年のテレビ鑑賞記録。


『あちこちオードリー』

オープニングトークでは「完成されたエピソードトークがウケない」「そこだけが浮いてしまう」と話すオードリー。今回のゲストはアインシュタインとインパルス板倉。アインシュタイン稲田がNSCに入ったとき「ゴールデンルーキー」と呼ばれたとか、吉本の社員から「テレビはNGか、もしくはギリギリNG」と言われたテッパン話から、「稲田は噛み合わせが悪かったので、棒状のものを食べたらテコの原理で額に当たってしまう」と笑わせると、若林「エピソードトーク禁止だから!」。

「テレビにガンガン出てる東京(吉本)の人とは絡みが少ない」とアインシュタイン河井が言うと、「劇場もやってたから! ルミネでの“新ネタおろし本数”1位だから。テレビに出ながらね」と不服そうに話す板倉。「早くして売れて、タレント1本になってしまった人みたいなイメージになりたくない」と。未だにバリバリにトガッていると指摘され、板倉は「俺の最近の悩み。40歳過ぎてトガってるの、許されるのかな?って」。

テレビに出始めのころ、板倉に「どう、絶望してる?」と言われ、理解者がいてうれしかったと振り返る若林。実はインパルスに「めちゃくちゃ憧れていた」とも告白する。

ショーパブ時代、『ルミネtheよしもと』で開催していたお笑いライブ『5じ6じ』にインパルスが出ていると、チケットを買って観に行ってからショーパブに向かっていたという。

「コントもそうですけど、漫才もスゴい好きで。東京の言葉で、地元の先輩みたいな言葉で漫才やる人、あんまいなかったから」と言う若林に、「なんでもっと早く言ってくれなかったの?」とうれしそうな板倉。

そんな板倉は、オードリーが『はねるのトびら』にゲストに来たときのことをよく覚えているという。ロケバスで話しているときから「あ、この人絶対おもしろいわ」「感覚が鋭い人だ」と思ったという板倉。その回はずっと春日がイジられていたが、それに対して「若林が絶対なんか言うなと感じた」ので背中を押したという。

すると、若林がちゃんと爆笑を取り「ほらな?」と思ったそう。そのときのことは、若林も「バッチリ覚えてる」と振り返り、「これもったいないから、前出て大丈夫」と耳打ちされ、前に出たと明かす。痺れるエピソード。

『ロンドンハーツ』

先輩にしたつもりの相談を、後輩の悩みだと思って聞いた相方が回答するというWドッキリ企画「芸人お悩み相談」の第2弾。

今回はジャングルポケットが特におもしろかった。相談する側は太田と斉藤。回答するのはおたけ。まず太田は「自分に確固たる武器がない。どういうスタイルで行くべきなのか」と相談。これにおたけは「武器がないことも武器なんだよ。ということに気づいてないですね。お笑いは宇宙ですから。答えはない。この人は自分が見えてない」「きっとこの人は2~3年目の若手。もし芸歴が10年超えても言ってるなら相当コイツ、何もないですね」と回答。

この答えに、何やら声に出さずブツブツ言う太田。「声出して」と言われると「お前ぶち殺すぞ」。斉藤は「最近、ジャングルポケットの2位争いがヒドいんですよ」と1位の高みから嘆いて見せると、太田が「得意」だという「背中ジャンプ」を延々見せる流れに。斉藤は「今日、太田の回」と断言。

そんな斉藤は、「ネタを書いている相方(太田)が、スタッフに『コントに“ネタを書いている自分を認めてもらいたい”って気持ちが出ちゃってる』と言われた。人に認めてもらうためではなく、自分たちが“これをやったらおもしろい”と思えるネタを最優先に書いたらいいと思うのだが、どうでしょうか?」と太田についての悩みを相談。

相方の話だとは知らず、後輩からの悩み相談だと思っているおたけだが、「僕も本当にそう思う。自分たちに合ったネタってあるし、それじゃないとハマんない。理想のネタを書きたいなら、ピンネタを書けばいい」「太田もそう。東京03さん、バナナマンさんに憧れた世界観で書いて、僕らには合ってない。僕らに寄せたネタはひとつもない。東京03さんじゃなくて、ダチョウ倶楽部さんを見習うべきだ」と、自分たちのことを想起して答える。

つまり斉藤は、太田についての悩みを、相手がおたけと知らずに相談。おたけは太田のこととは知らずに、太田を例に出して回答するという複雑な構造に。

「(ジャンポケは)ダチョウで言うとジモンさんがネタを書いてるようなもん」と有吉。おたけは、ストレッチャーズのようにただ踊っているだけで表情で笑わせるコントが斉藤には合っていると主張。

一方の太田は、もともと斉藤が「『キングオブコント』の決勝に行くようなネタが欲しい」と言ったため、方向性を変えて実際に決勝に行ったと胸を張る。しかし斉藤も「自分たちに合ったネタをやりたい」と言う。この論争に、「ナンバー1とナンバー2の意見を聞くべき」と割って入る淳。

「ナンバー3がネタを書いてちゃそりゃムリよ」と言う太田。斉藤とおたけが「絶対にネタは書けない」と言うと、「じゃあなんでふたりは俺のことナンバー3だと思ってるの?」と嘆く。

「ナンバー3でネタを書いてるのにイジられる、ってキャラでもありますから。武器ができた」と喜ぶ斉藤は改めて「完全なる太田の回」と断言。


今日観たい番組:「『ロード ~第15章』ついに決定」など

『有吉の壁』(日テレ)見取り図、吉住が初参戦。

『水曜日のダウンタウン』(TBS)は「“巨大”借り物競争!一番デカい○○を借りてこられるのは誰だ?」「『ロード ~第15章』ついに決定」。

『バナナサンド』(TBS)に麒麟。

『TOKIOカケル』(フジ)に松坂桃李。



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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