マツコ考案『有吉弘行物語』に、有吉「登場人物がすごい!上岡、紳助、オール巨人、西川のりお、ジミー大西だから」(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

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『かりそめ天国』

「成功者の話が好き」という投稿に「それを言ったら『有吉弘行物語』もなかなかのものよ」とマツコ。「やめてよ、まだ人生半ばですから!」と笑う有吉に構わず「大河やれるんじゃない?」「有吉さんよりすごい人ってそんなにいなくない?」「渋沢栄一と有吉弘行、そんなに差はないわよ!」などとつづける。

「そら、マツコ物語だってすごい。『嫌われマツコの一生』」と有吉が反撃すると、「じゃあ、同じ時期に大河やって、あたし朝ドラやるよ(笑)」とマツコ。そこに添えられるイラストがいつもながら抜群におもしろい。

「巨人師匠のところ(弟子入り)が一番ヤマよね?」と有吉の人生を振り返るマツコ。「ヤマじゃないよ! 8カ月だから!」と言いつつ「登場人物がすごいからね! 上岡、紳助、オール巨人、西川のりお、ジミー大西だから。一介の高校生が」と有吉。

マツコ「猿岩石でわーって行ったあとの劇場に立ってた時代とかあるじゃない? あれ、絵になるよ!」
有吉「ホント?……ホント?じゃないよ! 何乗せてくれてんだよ!(笑)」

でも本当に『有吉弘行物語』も『嫌われマツコの一生』も実現すれば絶対おもしろい! 少なくともドラマになる素材は十二分にある!

『タモリ倶楽部』

タモリ、カンニング竹山、わちみなみ福岡市出身の3人で、フライトシミュレーターを使って福岡に帰郷するという企画。オープニングの途中にその企画趣旨の説明を受けると「それ、やろう! やりたかった。オープニングなんてどうでもいい」といつになく最初から前のめりなタモリ。

使うゲームは、マイクロソフトの14年ぶりの新作。全世界3万7000の空港、15億の建物を再現し、世界中で話題になっているもの。やる前から「買おう!」とタモリ。まずは東京上空を飛ぶことに。船の「当て舵」を応用した操縦ですぐにコツを掴むタモリ。そんな森田機長は、最初から最後まで操縦桿を誰にも譲らない。

福岡にやってくるとその町並みの再現度で、「俺んち、これ!」と竹山が興奮。平尾霊園方面に行くと、タモリも「俺の生まれた家が映ってる!」と画面に釘づけ。きっと収録後は自宅でひたすらこのゲームをやっているんじゃないか。やっぱりこの番組はタモリが前のめりになればなるほどおもしろい。


『まんが未知』

芸人が原作者となって、プロの漫画家が作画する番組。今回の原作者は錦鯉・長谷川。「『ドラえもん』が好き過ぎて、『ドラえもん』を本棚に並べてどら焼きを祀ってた」というほど『コロコロコミック』が大好き。『ゲームセンターあらし』『とどろけ!一番』『ゼロヨンQ太』などを愛読していたそう。彼の芸風に強く影響を与えているであろうことが容易に想像できる。小学校のころは、漫画家になりたかったという。

今回、作画を担当するのはなんと『つるピカハゲ丸』などの、のむらしんぼ。渡辺が「コロコロ黄金期の!」と言うと、すかさず「コロコロは永遠に黄金期ですから」と返すレジェンド漫画家。「世代的に『つるピカハゲ丸』より『とどろけ!一番』」という長谷川と、「答案二枚返し」「ゴッドハンド」「血染め書き」などの必殺技の話でひとしきり盛り上がるふたり。

長谷川が考えてきた原作は40年温めてきたという「今までにないバトル漫画」。「洗い屋ケン」というタイトルの「皿洗い」マンガ。長谷川が小学生のころ読んでいたマンガは、ゲームで戦ったり、試験で戦ったり、ジェットコースターや蜘蛛同士などよくわからないモノのバトル漫画が多かった、と。のむらがそれを裏づけるように「コロコロの当時の主張は『マンガで描けないものはない』だった」と語る。

長谷川の原作を読み、そのコロコロスピリットあふれる話を絶賛し「俺も熱くなってきました!」と興奮するのむら。スタジオで見守る岩井が「長谷川さんがのむら先生の作品がずっと好きで、たぶんそれに影響を受けた原作だと思う。言ったら、同人誌をオフィシャルがマンガにするみたいな」と言うと、「夢のよう」と花澤香菜。本当に個性がぴったり合致した幸福な出会いだなあと思った。

明日観たい番組:松本人志×さだまさし×泉谷しげるの『ボクらの時代』

『シンパイ賞!!』(テレ朝)。「シンパイな生き物図鑑」ウエストランド、蛙亭、かが屋、きつね、しずる、シソンヌ、ネルソンズ、レインボーら。

『テレビ千鳥』(テレ朝)。「気持ちイイ瞬間GP」麒麟・川島、ダイアン・ユースケ、もう中学生、小島瑠璃子。

『有吉ぃぃeeeee!』(テレ東)。『NBA 2K21』マヂカルラブリー、渡邉美穂。

『ガキの使いやあらへんで!』(日テレ)。「クソ返しダービー」第3弾。

『週刊さんまとマツコ』(TBS)、「約半年ぶりの再会!もう止まらない2人…喋りたい放題」。

『ボクらの時代』(フジ)、松本人志×さだまさし×泉谷しげる。

『はい!テレビ朝日です』(テレ朝)、三宅裕司「芸能生活42年を振り返って」前編。

『おしゃれイズム』(日テレ)にジャルジャル。

『おかべろ』(フジ)に鈴木福・楽兄弟。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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