7月23日に開幕した2020年東京オリンピック競技大会は、開会式を担当するクリエイターの「過去」の問題で、直前の辞任、解任がつづく大波乱となった。逃れられない過去とどう向き合い、どう生きていくべきなのか。書評家・豊崎由美は現代イギリス文学を代表する作家、ジュリアン・バーンズの作品を手がかりに思索する。 過去に復讐される人の姿を見た ある評判のいいクリエイターが、いろいろと深刻な問題を抱える国をあげたイベントの演出を急遽依頼され、引き受けた。クリエイターはかつてお笑いコンビを組んでおり、テレビにばん
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