「考えていることで動きが変わる、それがダンスの面白さ」木村慧人(FANTASTICS)が初主演舞台にかける思い

2023.10.27

写真=持田 薫
スタイリング=平松正啓(Y’s C)
ヘアメイク=大木利保、服部有莉亜(CONTINUE)
文=髙橋裕美


ダンスパフォーマンスステージ『BREAK FREE STARS』にて、舞台初主演を果たす木村慧人。人気ダンス&ボーカルグループFANTASTICSのパフォーマーとしてはもちろん、俳優としても多くの人の心を魅了してきた木村慧人が、今作にかける並々ならぬ思いとは? 表現で人の心を惹きつけることの楽しさ、難しさについて聞いた。

2023年10月25日発売『GIRLS CONTINUE』Vol.11より、木村慧人インタビューの一部を公開。

木村慧人
8月16日生まれ。東京都出身。2008年、9歳のときにEXPG STUDIOに入校。三代目J SOUL BROTHERSなどのサポートダンサーとして経験を積む。2016年、FANTASTICS from EXILE TRIBEを結成。2018年、シングル「OVER DRIVE」でメジャーデビュー。俳優としても映画『HiGH&LOW THE WORST X』(伊東カムイ役)など多くの作品に出演。2022年、MBSドラマシャワー『飴色パラドックス』(尾上聡役)でW主演を務める。初舞台は2021年の『BACK TO THE MEMORIES』。FANTASTICSメンバーによる新しいエンタテインメントショーを提案する本作は、今年第3弾が上演された。2023年、『BREAK FREE STARS』で舞台初主演を果たす。

この作品に挑戦することで、ネクストレベルにいきたい

──『BREAK FREE STARS』は木村さんにとって様々な面で新しい挑戦となる作品だと思うのですが、まず最初にプロットを読まれたときの印象や魅力を感じたところからお話しいただけますか。

木村 今回のプロットを読んだときに、僕が演じさせていただくアースは自分に通じる部分がすごくあるなと思いました。また登場人物たちの関係性が面白くて、(阿部)顕嵐さんが演じるソーマ刑務官の葛藤など切ない部分もあり、読めば読むほどどんどん作品の魅力に引き込まれるなと思いました。

──ご自身に通じるというのは具体的にどんなところですか?

木村 明るくポジティブな性格で仲間思いっていうところは似ているなって思います。ネガティブな人間ではないですし、自分自身で言うのも何なのですが、天然なところがあるとよく言われるので。あとはやっぱりダンスが好きっていうところはすごく合っているなと思います。

──私もプロットを読ませていただいて、木村さんのイメージととても近い役柄だなと感じました。

木村 本当ですか? 嬉しいです!

──俳優というお仕事のなかでは、自分に通じるところがある役柄を演じることもあればまったく異なる場合もあると思いますが、今回のような役柄はやりやすいというところもあるんですか?

木村 まだ台本をいただく前なので詳しくはわかっていないんですが(※取材時は稽古前)、プロットを読んだ印象だとすごくやりやすそうだなと感じています。ただ、今回僕は初主演舞台というプレッシャーがあるので、まずはそれを乗り越えたいです。舞台経験が少ないですが、今回お芝居の面でもダンスでもすごく尊敬している方たちが出演される作品でもありますし、この作品に挑戦することで、本当にネクストレベルにいけるんじゃないかなと思っています。

──FANTASTICSのメンバーで作り上げている舞台『BACK TO THE MEMORIES』にご出演はされていますが、「ライブショー」と銘打たれている作品だけあって、今回の舞台でのお芝居はまた違った経験になりそうですよね。

木村 そうですね。『BACK TO THE MEMORIES』は、自分自身を演じている部分がある作品で、自分ではない役柄を演じて、しっかりとお芝居をやる舞台というのは、今回が初めての挑戦なので稽古を通して模索していって、本番までに自分なりのアースを演じられるようにしたいなと思っています。

──ドラマや映画では役を演じてこられましたけど、また映像と舞台の違いというものもありますしね。

木村 やっぱり映像のお芝居と違って、舞台では動きが大きくなってくるので、お芝居の方法も変わってくると思うので、そこも新しい挑戦になると思います。

サウナがつなぐ交友関係

──先程、ダンサーとしても尊敬している方々が出演される作品だというお話がありましたが、今回の共演者のなかで面識のある方はいらっしゃいますか?

木村 元々Beat Buddy Boiさんはずっと見ていましたし、なかでもToyotakaさんは(EXILE/FANTASTICSの)世界さんとすごく仲がいいので、僕も何回かお会いしたことがあります。たまたまサウナでお会いしたこともあるんですけど、これを機に一緒にサウナに行ったり、ダンスも教えてもらったりできたらいいなと思っています。ダンスはやっぱりそれぞれに得意ジャンルがあるので、日々学んでいきたいなって思いますし、Toyotakaさんはもちろんですが、今回の出演者のみなさんのお名前を見たときに、たくさんコミュニケーションを取らせてもらって、いろいろなことを学ばせていただきたいなと思いました。

──サウナといえば阿部顕嵐さんもお好きなんですよね。稽古はまだだそうですけど、お話をされたことはありますか?

木村 顕嵐さんとは1回だけお話したことがあります。あのときは、THE RAMPAGEのRIKUさんとかとごはんを一緒に食べたときだったんですけど、気さくな方だなと思いました。初対面ではないですがこうしてちゃんと会うのは結構久々なので、これを機に仲よくなって顕嵐さんともサウナに一緒に行ける仲間になりたいなって思います。

お芝居もダンスも意識ひとつで変わる

──「それぞれにダンスの得意分野がある」というお話もありましたが、木村さんは元々、今回の作品のモチーフにもなっている「ヒップホップ」のダンスが得意だとうかがっています。ダンスに詳しくない読者もいると思うので、ぜひヒップホップダンスの特徴というものを教えていただけますか?

木村 ヒップホップは本当にダンスの基礎中の基礎で、ここから派生していろいろなジャンルができているんです。僕はヒップホップのほかにR&Bが得意なんですが、R&Bもヒップホップから派生してできたジャンルです。ヒップホップは形が決まっていないといいますか自由なジャンルなので、本当にこの『BREAK FREE STARS』の題材としてぴったりだと思います。

──ヒップホップが禁止された世界に、自由を求めて立ち向かうダンサーたちのお話ですけれど、まさにヒップホップというダンス自体が自由そのものなんですね。

木村 そうなんです。僕はヒップホップを昔からやっていましたが、今はR&Bのセクシー系のダンスも好きです。今回改めてR&Bの元にもなっているヒップホップを鍛えられて、より強みにできるというのは嬉しいですね。それにダンスとお芝居を同じくらい磨けるのは、この舞台だけじゃないかなと思っています。

──「ダンスパフォーマンスステージ」と銘打たれていますから、これまでにないエンタテインメントのかたちになりそうで楽しみですし、パフォーマーとしても役者としても活躍されている木村さんにピッタリな作品だなと思います。これまでも木村さんはダンスと芝居両方に全力で臨んでこられたと思うんですが、それぞれの表現の面白さや難しさについてはどう感じられていますか?

木村 ダンスはその曲によってもちろん表情を変えないといけないんですが、例えば振り付けは同じでも、タメとか余韻を変えるとそれだけでもすごく見栄えが変わるんです。お芝居もそうですが、ダンスも考えていることひとつで動きが変わり、勢いが出たり、楽しい感じが出たりします。ダンスの面白さっていうのはそういう本当に一瞬で表現を変えられるところなのかなと思います。もちろんスキルをつけるとかうまくなるには練習が必要ですが、本番の場数といいますか、舞台経験やライブ経験がすごく大きく出るなと感じています。

──もちろん事前に練習を重ねたり、構成を練ったりとかはするけれど、本番で出てくるものというのが大きいんですね。

木村 そうですね。練習はめちゃくちゃしますしリハーサルもしますけど、やっぱり本番になるとみんなテンションが変わって、「やってやるぞ!」っていう勢いがついて格段いいものができたりします。そこがダンスとライブをやる上で楽しみなところですね。イントネーションとか滑舌も意識しすぎると噛んじゃって、意識しないでやったほうがうまくいくときがあったりするので、お芝居も本当に意識ひとつで変わるなと思います。表現するっていうところではダンスと演技は似ていますよね。もちろんまだまだですが、演技をやるようになってからお客さんが惹き込まれるような表情豊かなダンスができるようになってきたなと感じます。演技もできるようになったら強みになると思いますし、本当に常に勉強ですね。

※このインタビュー全編は、10月25日発売の『GIRLS CONTINUE』Vol.11にてお読みいただけます

蒼井翔太が表紙、木村慧人がバックカバーの『GIRLS CONTINUE』Vol.11
アニメイト限定版の『GIRLS CONTINUE』Vol.11
通常版にも限定版にもポスターが付属

『BREAK FREE STARS』公演情報

(C)『BREAK FREE STARS』製作委員会

11月5日(日)まで、東京・IHIステージアラウンド東京にて上演中。

【CAST】木村慧人(FANTASTICS)/後藤 大 高橋駿一 松田昇大 吉岡 佑 宇佐卓真 Toyotaka HILOMU RYO 高野渉聖/SHINSUKE Dolton KIMUTAKU KENTA GeN 神谷亮太 河島樹来/阿部顕嵐

【STAFF】演出:植木 豪 脚本:亀田真二郎/大西雄仁 音楽:田中マッシュ
【TICKET】12,500円(全席指定/税込)
【問い合わせ】TEL:03-6265-3201(平日12:00〜17:00)

アフタートークショー
10月27日(金)18:00公演、10月30日(月)18:00公演、10月31日(火)18:00公演

スペシャルカーテンコール
11月1日(水)18:00公演、11月2日(木)18:00公演

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  • 『BREAK FREE STARS』

    出演:木村慧人(FANTASTICS)/後藤 大 高橋駿一 松田昇大 吉岡 佑 宇佐卓真 Toyotaka HILOMU RYO 高野渉聖/SHINSUKE Dolton KIMUTAKU KENTA GeN 神谷亮太 河島樹来/阿部顕嵐

    演出:植木 豪 
    脚本:亀田真二郎/大西雄仁 
    音楽:田中マッシュ

    アフタートークショー

    10月27日(金)18:00公演
    10月30日(月)18:00公演
    10月31日(火)18:00公演

    スペシャルカーテンコール

    11月1日(水)18:00公演
    11月2日(木)18:00公演

    (C)『BREAK FREE STARS』製作委員会

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  • 『GIRLS CONTINUE』Vol.11

    発売日:10月25日(水)
    定価: 1,540円(税込)
    サイズ:A4判変型/80ページ

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