長濱ねる、24歳。今の自分を支える「過去の自分」と、歳を重ねて気づいた「大人になることは怖くない」

2022.10.20
長濱ねる、24歳。今の自分を支える「過去の自分」と、歳を重ねて気づいた「大人になることは怖くない」

文=小田部 仁 撮影=大江麻貴


グループを卒業してから3年、24歳になった長濱ねる。普段はなかなか語られることのない、10代のころからの人生観の変化や「大人になること」への思いを聞いた。

長濱ねるが表紙を飾る『クイック・ジャパン』vol.163(2022年10月27日(木)から順次発売)掲載の長濱ねるインタビューの一部を特別に先行公開。

長濱ねる(ながはま・ねる)
1998年、長崎県生まれ。2015年、欅坂46のメンバーとしてデビュー。2019年にグループを卒業。読書家で知られ、書籍情報誌『ダ・ヴィンチ』にて現在エッセイ連載を執筆。TVやラジオのMCや、NHK・SDGsキャンペーン『未来へ17アクション』PR大使を務めるなど幅広く活躍中。2022年10月から放送のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』に山中さくら役で出演中


余分なものを削いでいって、最後に残るのが自分であればいいな

インタビューの冒頭では、長濱ねるの考えを読み解くキーになる「メモ」を切り口に、自分との向き合い方について訊ねた。そして「大事なのは、自分は何者なのかでなく、何者でないかだ」という長田弘の詩の一節を引用しながら、彼女自身が考える「長濱ねる」像を探る。

──長濱さんは、気になった言葉やそのとき思っていることを携帯によくメモをするそうですね。いきなり不躾なお願いで恐縮なんですけど、今、そのメモの一番上に書いてあることを教えてもらってもいいですか?

長濱 え! 一番最近のメモですか!? なに書いてただろう……(携帯を見る)。

──言える範囲の内容で大丈夫なので(笑)。

長濱 あ、“Everything’s gonna be alright”(すべてうまくいくよ)って、書いてました。

──それはなんで書いたんです?

長濱 この間、Samm Henshaw(イギリスのシンガー・ソング・ライター、プロデューサー)のライブに行ってきたんです。演奏中、彼がこの言葉をポロッと言った瞬間に会場にいた人みんなが「あっ」って、ちょっと身を引いたんですよ。よく聞く言葉ではあるけれど、音楽が鳴る場所で発せられると本当に救いに思えるっていうか……刺さったんですよね。明日も生きていける気がするって、そう思えたんです。帰り道でぽちぽちメモしました。

長濱ねる、24歳。今の自分を支えるものと大人になる過程できづいたこと
長濱ねる/『クイック・ジャパン』vol.163

──以前、Instagramで詩人・長田弘さんの『深呼吸の必要』の「贈りもの」という詩から「大事なのは、自分は何者なのかでなく、何者でないかだ」という一節を引いて「この文章に出会ってからずっと考えてる……!」と書かれていましたが、今、長濱さんは「自分」ってなんだと思いますか?

長濱 今の自分は……たとえば、カッコいい人になりたいって思ったら、「カッコよくない人ってなんだろう」って理想像の反対をまず考えるようにしてるんです。軽い気持ちで嘘つけちゃう人は嫌だなとか、悪意をもって小馬鹿にする人は嫌だなとか……人のカッコよくない部分を思い起こしながら、そうじゃない自分になるにはどうすればいいのかなって考える。なにかを積み重ねていくっていうよりも、余分なものを削いでいって最後に残ったものが自分であればいいなって今は思ってますね。

いろんなことがあったけど、それでも私はここにいる

インタビューの最後、24歳になったばかりの長濱ねるに「大人になること」について話してもらった。社会の責任の一端を担う年齢を迎えた今、「大人になることは怖くない」と彼女は語る。そんな長濱ねるが、今を生きる上での拠り所にしているものとは。

──9月4日の誕生日にInstagramで「勇敢な心をもって!見たことない場所に!の24歳にします」と書かれていましたよね。

長濱 ふふ(笑)。そうですね。

──いよいよ、本格的に大人になる年だと思うんですけど、大人になることは怖くない?

長濱 思ったよりも、大人も悩んでるなっていうのが大人になってくるとわかりますよね(笑)。子どものころ、怒られた学校の先生も、家に帰ってたら落ち込んでたのかな……とか想像できるようになると、むしろ、友達だったり仲間のような気がしてきます。なので、そこまで大人になることは怖くないです。むしろ、縮こまっちゃうのが嫌だなって。なにごとにも勇敢にチャレンジして、自分が想像もしないような自分になれたらいいなって思ってます。

長濱ねる、24歳。今の自分を支えるものと大人になる過程できづいたこと
長濱ねる/『クイック・ジャパン』vol.163

──長濱さんが今を生きていく上での拠り所になっているものってなんですか?

長濱 過去の自分だと思います。つらい時期を生き抜いた自分、嫌になるほど落ち込んだ自分、絶望した自分、めちゃくちゃ楽しんだ自分がいたってことに勇気づけられるんです。いろんなことがあったけど、それでも私はここにいるんだって。過去を後悔したことはなくて、むしろ、過去に救われてますね。

──そんな長濱さんの未来はどうなっていくんでしょうね?

長濱 えー、どうしよう……その辺でのたれ死んでたら……。そんな立派な人間ではないので、適当に暮らしてるんだろうなって思います。3年前の自分は今の自分を想像できてなかったので、3年後の自分も自分の想像の範疇を越えられていたらいいなって思いますけど……。ただ、力まずにいたいなっていうのは思いますね。力まずに、でも、縮こまらずに。


『クイック・ジャパン』vol.163

『クイック・ジャパン』vol.163(2022年10月27日(木)から順次発売)の長濱ねる特集では、本インタビューのフルバージョンを掲載。

そのほか対談企画では、親交の深い俳優・上白石萌歌が登場。2人の共通点や仕事観についてじっくり話す時間となっている。また、同い年でともに10代から第一線で活躍する写真家・石田真澄とのフォトセッションも収録。そして日本全国の同世代33名が、長濱ねる自身が考えた質問に回答するアンケート企画も実施した。長濱ねると同世代の「今」を記録した大規模な特集となっている。

長濱ねるが同世代の声を聞く『クイック・ジャパン』最新号、24歳の飾らない姿を映した表紙を解禁!!!俳優・上白石萌歌とのスペシャル対談も!
長濱ねる/『クイック・ジャパン』vol.163

この記事の画像(全4枚)




関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

小田部仁

Written by

小田部 仁

(おたべ・じん)1989年11月20日生まれ。東京都豊島区出身。上智大学文学部英文学科卒。2013年、太田出版に入社。ユースカルチャー誌『クイック・ジャパン』編集部に配属。2015年、退社。現在はフリーランスで文筆・編集業に携わる。

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太