ニッポン放送・石井玄が抱くラジオへの危機感と次世代への期待「新しいものが生まれないと終わってしまう」

2021.12.27


今、下の世代に伝えたいこと

──山浦さんは、具体的にこんな番組をやりたいというアイデアはありますか?

山浦 プロのパーソナリティが一般人の日常生活をフリートークで話す、という企画をやってみたいです。僕が体験したことを自分でしゃべっても正直あまりおもしろくないんですけど、これがプロの人が本気出して伝えたらどんだけおもしろくなるのかと思いまして。

山浦暁斗

石井 昨日収録した銀シャリのポッドキャスト(『銀シャリのおトぎばなし』)で、鉄板エピソードをリスナーから募集して、それを橋本(直)さんが読んだら、めちゃくちゃおもしろかったんです。これ、企画になるなってちょうど思っていました(笑)。山浦君の企画、おもしろいと思うよ。

山浦 石井さんのDNAを受け継いでいるから、思いついたんだと思います(笑)。

石井 まだなんか話しておかないで大丈夫?

山浦 もう一回、本の付箋を確認しないと(笑)。たくさん話をお聞きできて、正直、今はもう頭が回ってないんです。

『アフタートーク』

石井 そんなふうに言ってもらえるなんてすごい話ですよね。一般の会社員なのに。佐久間さんもそうなんですが、僕は佐久間さんと普通のテレビプロデューサー時代から仕事をしているから一緒にいてもなんとも思わないですけど、リスナーからすると神みたいな感じだし、取材をする人たちもみんな緊張しているんです。ただのオジサンなのに(笑)。これって、不思議なことだなって思います。

──もし巡り巡っておふたりが仕事をするようなことがあれば、また取材させてください。上司と部下になっている可能性も……。

山浦 がんばります!

石井 直属の後輩に冷たいという噂もありますけど(笑)。でも、最近思うのはそれが自分の仕事なんだなって。先輩たちからもらったものを活かして自分で何かを作って、次の世代に引き継いでいく。ANNは55周年で、TBSラジオさんは70周年じゃないですか。僕らが引退するころにはものすごい歴史になっているわけですから、下の世代にどんどん伝えていかないと。新しいものを生んでくれないと終わっちゃうなって、ここ最近強く思うようになりました。このままだと本当に終わっていくなっていう。

石井玄

──ANNが始まったころから、「ラジオは危ない」と言われつづけていますね。

石井 その話をすると、「だからこれからもつづくんだよ」って勝手なことを言う人がいるんですけど、そんなわけないじゃないですか。つづいている番組なんてわずかですから。ANNはつづいているけど、ほかを見渡したらガンガン終わってますからね。なんで終わっているのかと分析すると、結局はお金がないからなんです。だから、それをなんとかしないと。山浦君もラジオ業界に入ることになったら、がんばってください。

山浦 ありがとうございます。

石井 ラジオの未来は山浦君の世代にかかっているから。僕らを楽させてください(笑)。


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  • 『アフタートーク』

    『アフタートーク』

    著者:石井玄
    定価:1,650円(税込)
    発売日:2021年9月15日
    発行元:KADOKAWA
    判型:四六判
    ページ数:304

    ラジオへの情熱と志を綴った、10年間の集大成=アフタートーク。仕事や人生への示唆に富む一冊。「ラジオにまつわる仕事論」「ラジオに救われて業界を目指すまで」「ラジオを共に作ってきたパーソナリティ・放送作家・リスナーとのエピソード」の3パートで構成。番組を語るコラム、放送作家の福田卓也、寺坂直毅、ラジオディレクター宗岡芳樹らとの対談、テレビプロデューサー・佐久間宣行の解説「元会社員パーソナリティが語るラジオマン石井玄」などを収録。

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村上謙三久

(むらかみ・けんさく)編集者、ライター。1978年生まれ。プロレス、ラジオ関連を中心に活動。『声優ラジオの時間』『お笑いラジオの時間』(綜合図書)の編集長を務め、著書に『深夜のラジオっ子』(筑摩書房)、『声優ラジオ“愛”史 声優とラジオの50年』(辰巳出版)、『いつものラジオ リスナーに聞いた16の..

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