『高円寺チャンネル』誕生秘話「高円寺の街が本当に苦しんでるから」そいつどいつ市川刺身に全部聞く1

2020.11.26
高円寺チャンネル1

文=さわだ 編集=アライユキコ 


2020年8月6日、コロナ禍にあえぐ高円寺(東京都・杉並区)を救うため、4人のお笑い芸人がYouTube『高円寺チャンネル』を立ち上げた。メンバーは、『キングオブコント2020』準優勝ニューヨーク嶋佐和也、同じく3位空気階段・鈴木もぐら、コワモテキャラとケンカ芸で人気急上昇中の鬼越トマホーク坂井良多、そして『ABCお笑いグランプリ』2年連続ファイナリストそいつどいつ・市川刺身だ。メンバー最年少、末弟の市川刺身と撮影・編集を手がける構成作家のなんぶに『高円寺チャンネル』の誕生秘話を聞いた。最後に市川刺身によるメンバー紹介コラムも収録(市川刺身編、坂井良多編)。

なぜ『高円寺チャンネル』を立ち上げたのか

──勢いのある人ばかりが集まってますよね。みんな高円寺に住んでるんですか?

そいつどいつ・市川刺身(以下、刺身) 嶋佐さんともぐらさんが『キングオブコント2020』で2位と3位になったし、坂井さん(鬼越トマホーク坂井良多)がテレビ出まくってますし、確かに勢いヤバイっすね。僕もなんとかこの流れに乗れたらいいなと(笑)。高円寺にはみんな長く住んでますよ。嶋佐さんが養成所のときから11年間ずっとで、坂井さんももぐ兄(鈴木もぐら)も10年ぐらい。僕は8年ですね、途中で“裏切りの阿佐ヶ谷”を2年ほどかましてますけど(笑)。

なんぶ 僕は実家が高円寺なんで30年以上ずっと住んでます。2年くらいひとり暮らししてますけど、それも実家から徒歩3分くらいのところ、高円寺から離れたことないです。ほかにもゲストとしてよく出てくれるマヂカルラブリー村上さんも高円寺歴18年目、サルゴリラ赤羽(健壱)さんは40年くらい住んでます。

【キッチン南海】サルゴリラ赤羽さん登場!思い出の味を頂きました。

──飲食店を中心に高円寺を紹介する『高円寺チャンネル』ですが、動画がきっかけで繁盛したお店も多いと聞きました。

刺身 山形料理居酒屋の「まら」なんて、予約が殺到し過ぎて僕らが入れなくっちゃいました。ほかにもそういうお店がたくさんあります。でも、もともと店の常連だった人に「お前らのせいで入れなくなったじゃねーか」ってキレられそうで怯えてます。

なんぶ「刺身は運にも恵まれた天性の後輩気質」刺身「みんな寂しいんですよ」
右/そいつどいつ・市川刺身。『ABCお笑いグランプリ』(朝日放送)で2年連続ファイナルに進出。コントで培った演技力を活かし、『今日から俺は‼︎』(日本テレビ)など、ドラマにも多数出演している。左/なんぶ

──それぞれが忙しいなか、なぜ『高円寺チャンネル』を立ち上げたんですか?

刺身 僕目線になっちゃうんですけど、いいっすか? チャンネルを立ち上げる前って実は、僕ら「終わっちまったな、高円寺」って言ってたんですよ。というのも、坂井さんは恵比寿の彼女の家に入り浸って高円寺にいないし、もぐ兄もお金がなさ過ぎて実家に帰っちゃうし、嶋佐さんは忙しいしエリアが反対側だしでちょっと集まりが悪くなってたんです。仲いい人がいなくなっちゃって、僕やることないから毎日ひとりで「サンデッキ」ってサウナ行って、そのへんを死んだように歩いてたんです。

で、ある日、坂井さんが彼女の引っ越しがどうとかで戻ってきた。そこに嶋佐さんも加わって3人で飲んでたら、突然もぐ兄が帰ってきたんです。「アイムバッック!」つって。ついこの前までひとりぼっちだった僕のもとに強い先輩たちが一気に帰ってきたんですよ! もう『アベンジャーズ』。うわ、楽し~って飲んでたら、突然坂井さんが「高円寺、始まる」って。あんな見た目なのに、あの人もワクワクしてたんですよ(笑)。

全員ピッタリ一言一句違わずに

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