早稲田はよしもと、明治は人力舎…? お笑いブームの最先端、“大学お笑いサークル”の魅力を聞く



見たことのない“新しいお笑い”に出会える

お笑いサークル会員の就職先の傾向はありますか?

私も北海道のテレビ局に就職しましたけど、やっぱりメディア関係とか芸能事務所に入る人が多いですね。

もともとそういう方向を目指して入ってくる人もいますし、サークルで活動することで「自分は芸人にはなれないけど、芸人を支える人になりたい」と思う人も多いんじゃないかと思います。あんなにおもしろい人たちを目の当たりにすると、一緒に仕事をしたいと思ってしまうんです。

先輩もたくさんメディア関係にいて、有名なところだと『オールナイトニッポン』のディレクターをしている野上大貴さん(星野源、菅田将暉、霜降り明星などを担当)は慶應の「O-keis」出身です。「メタリカ」というコンビを組んでいて『NOROSHI』の決勝にも行ったカリスマでした。

令和ロマンの高比良さんからも、野上さんのすごさを聞いたことがあります。『芸人芸人芸人』という雑誌を作った福田駿さん(現在は『クイック・ジャパン』編集部に在籍)も大学お笑いで活躍された方です。

今注目している学生芸人や元学生芸人は?

たくさんいてキリがないのでまとめたんですが……。

(図版=ふたつぎ)
(図版=ふたつぎ)

ここに挙げたコンビは、検索すればネタが出てくるのでぜひ観てほしいです。たとえば、「ゴヤ」はよしもとの1年目で、「LUDO」出身でNSCを主席で卒業しました。

もともとは「待機児童」ってコンビ名で、それではプロになれないってことで「ゴヤ」に改名したんですけど(笑)。

大学お笑いが普及していくことで、これからのお笑い界に変化はあると思いますか?

代によってプロに行く・行かないは波があるんですけど、大学お笑いの競技人口は増えつづけていますね。学生芸人出身の人たちがプロで売れることで知名度が上がり、お笑いマニア以外でもサークルの存在を知って、そこに入るために大学を選ぶ人もいるくらい。

今、プロの世界では「第七世代」が人気で、その要因はいろいろあると思いますが、そのひとつにみんな仲がよくて、みんなで連帯して協力していることがあると思うんです。そこに惹かれて新規の女性ファンがついている。お笑いサークルも一緒で“みんなで作っていく”感じが強い。

あと、従来の漫才やコントの形に囚われず、いろんなものを組み合わせたりして、いろんな形のお笑いが生まれているんです。「これもお笑いなんだ!」っていう驚きがある。大学お笑いは全部が自由なんで、今までに見たことがない新しいネタが増えていくんじゃないかと思います。



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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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