ジュノンボーイ、仮面ライダー、そして主演作──。華々しいキャリアの裏で、俳優・押田岳はずっと“自分の足りなさ”と向き合ってきた。
2016年、第29回『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でグランプリを獲得。『仮面ライダージオウ』(テレビ朝日)の仮面ライダーゲイツ役で大きな注目を集め、その後も映像・舞台を問わず幅広く活躍してきた。2026年9月にはBLドラマ『お前のほうからキスしてくれよ』(FOD、フジテレビCX関東ローカル)で主演を務める。
今年でデビュー10周年を迎え、20代最後の1年を過ごす押田。“王道ルート”を歩んでいるようにも映るが、本人は「登竜門のところで止まってしまっている」と本音を口にする。
転機となった出演作を振り返る全4回のインタビューを通して、押田岳の胸の内に迫る。
“未来ノート”のとおりに実現した『仮面ライダージオウ』出演
──QJWebでは全4回にわたって、押田さんにとって転機となった4作品についてお伺いします。今回は『仮面ライダージオウ』について、出演が決まったときのお気持ちは?
押田 『ジュノンボーイ』でグランプリを取って、俳優を始めさせてもらったタイミングで、「こういう道を歩んでいこう」と目標を書いた“未来ノート”みたいなものを作ったんですよ。そこに「21歳:仮面ライダー作品に出る」と書いていて。
だから、喜びよりも「よくやった、自分。やっと1歩目を踏み出せたな」という気持ちのほうが大きかったですね。

──グランプリを受賞したのが2016年で、『仮面ライダージオウ』の放送が2018年からでしたが、その間の2年間はどんな日々を送っていましたか?
押田 芝居のレッスンばっかりやっていました。人生で一番インプットして、一番苦しんで……自分の俳優人生の根幹になる部分を作った2年間だったなと思います。だからこそ、それを経験して『仮面ライダー』シリーズに出られるというのは、自分的に大きな価値があったんですよね。
現場に入って苦労した、ゲイツというキャラクターの作り方
──『仮面ライダー』シリーズはオーディションも独特だと聞きますが、思い出はありますか?
押田 今はわからないんですけど、当時は台本が事前に渡されず、オーディションの場で初めて渡されてセリフを覚えるスタイルでした。きっと芝居力よりも、その場で出る人間味みたいなものを見られていたのかなと、今になって思います。
10〜20分くらいで役を作り込むんですけど、すごく緊張しながらも、なぜか根拠のない自信があったのは覚えています。子供たちのヒーローは自信のある人のほうがいいよなって思っていたから、「きっと受かる」って思い込むようにしていたんです。
──仮面ライダージオウ(常磐ソウゴ)と衝突しながらも友情を育む、ゲイツ(明光院ゲイツ)の役が決まりました。現場に入るまでは、どのような準備をしましたか?
押田 変身の練習はめっちゃしました。アクション部のスタッフさんが考えて、教えてくださるんですけど、ベルトを見ないでガチャガチャするのってなかなか大変で。特に僕は仮面ライダーゲイツという、未来から来た軍人の役だったので、不自然にならないようすごくがんばりました。
それから、体を鍛えるために筋トレをしたり、まじめで不器用なキャラクターなのであまり感情を動かさない演技を練習したり……。いざ始まってみたら、そんなところまで考えなくてもよかったんですけどね。
──それは、監督と話すなかで気づいたんでしょうか?
押田 そうですね。監督が描いていたイメージと、僕が描いていたイメージがけっこう真逆で。そこの中間地点を狙っていくことになったのですが、それがかなり難しかった。
回を重ねるごとにうまいこと混ざり合って、ちょうどいいところに落ち着いて、最終的にはコメディな立ち位置にもなって。キャラとしてはすごく人気も出たのでよかったですけど、最初はすり合わせるのに時間がかかったかなと思います。
──とはいえ、当時はかなり成長できたのではないでしょうか。
押田 そうですね。僕が知らないことは、監督含めスタッフさんに全部教えてもらいました。演技のことを何も知らない子たちが出演する、という前提でみなさん接してくれたので、本当に俳優学校みたいな感じだったなと思います。
今でも、カメラに対してどこに立つべきか、光に対してどのように当たるべきか、などの初歩的な技術は、この現場で教わったことが一番身に染みついていますからね。

──撮影中に印象に残っていることはありますか?
押田 歴代のライダーの先輩が出演してくださった回があったのですが、(『仮面ライダー電王』で主演を務めた)佐藤健さんが登場したときは、僕らキャストもスタッフさんも沸きましたね。ヒーローが帰ってきた!という感じがありました。
──ご自身のキャリアにとって『仮面ライダージオウ』はどんな作品でしょう?
押田 たくさんの人に名前を知ってもらうことにもなったし、身近な人たちも反応してくれたから、「今、俳優やってるんだ」ってしみじみ思ったのを覚えています。そういう意味でも、ホーム……学校だなと思っています。「いつか恩返ししたいな」と思える作品です。
次回は、2023年に出演した舞台『巌流島』を振り返ります。8月末公開予定!
関連記事
-
-
東京よしもとの期待株・大王×ナユタが語る若手芸人の層の厚さ「10年前と今の子はおもしろさが違う」
よしもと漫才劇場:PR -
新人アイドルグループ「RE-GE」白石るり・花井心桜・田崎杏夏、デビューライブ“涙”の理由とは?
株式会社バンダイナムコミュージックライブ:PR -
Omoinotake×マユリカの邂逅と共通点「クラスメイトだったら、同じグループだろうな」【『DAIENKAI 2026』特別企画】
『DAIENKAI 2026』:PR





