舞台を中心に活動をスタートし、数々の人気シリーズ作品に出演、現在は映像でも話題作にレギュラー出演するなど多方面で注目を集める俳優・木津つばさ。28歳になった今、「国民的俳優になる」という夢の途中にいる。
広島から上京した日のこと、コロナ禍で舞台に立てなくなった日のこと、“2.5次元俳優”の肩書に悩んだことなど、自身の言葉で赤裸々に綴るエッセイ連載『舞台にさよならを言う前に』。
【第8回】ボーイズグループ
木津つばさです。夏はやはり暑いですな。
暑いという言葉では言い表せないほどに押し寄せてくる熱気に顔が溶けそうでございます。もはや水を浴びたいどころか、被りたい、水を。
夏の思い出はたくさんあったほうがいいよね。この前、街を歩いていて、入ろうとした店先に蚊取り線香が置いてあってさ、いい香りだなぁなんて思っていたら、お店から小さなお子さんが出てきて「この匂い嫌だ〜!!」なんて言うんだよ。ときめいちゃったよね。
かわいいなぁ。僕も小さいころはこんな感じだったんだろうな。わかるよ、でも大人になったら恋しくなるよ、この香り! 今のうちにたくさんイヤイヤしてね。
流しそうめんをして、セミの鳴き声や風鈴の音を聴きながら、蚊取り線香を焚いて、この記事を読み進めてみてください。あゝいい夏。
というわけで、長くなりましたが、僕の28歳の夏の思い出でございました。

さて! 話を進めていくよ。
今回のテーマは「ボーイズグループ」。
なかなか話題に出すことも恐れ多いほどに時間が経過してしまいましたが、ここで改めて僕の人生のターニングポイントであるこの活動に関して、少しだけさかのぼってお話をさせていただけたらと思います。
僕をこの連載で初めて知ってくれた方にはなんのこっちゃかもしれないけれど、実は昔、俳優一本でやっていく前に、XOX(キスハグキス)というボーイズグループで活動していたんです。
活動期間は、高校2年生だった2014年の冬から、2020年のコロナ禍前まで。結成してすぐにメジャーデビューという鮮烈な幕開けを飾らせていただけたのも、とてもいい思い出です。
重くのしかかる重圧に何度も折れそうになったけど、みんなの笑顔でまた前を向ける、そんな6年間でした。
思い出は山ほどあります。ほんとに、何から話していいのかわからないくらい……(笑)。
その中でも思い出深いのは、具体的にメンバーの名前を出すと、やっぱり(安井)一真かなぁ。最初に出会ったときから、パッションが合うというか、どこか勝手に自分と似た雰囲気を感じていました。
実は、グループのメンバーを決める最終オーディションを一真も受けていて、待合室で隣の席だったんですよ。そこで話したのは、好きな音楽や、どこ出身なの?とか。
当時、一真が20歳で、僕が16歳。今考えたらすごいよね。今もいろんな舞台作品で、同じ板の上に立てていることが幸せだよ。
それに、まだ何者でもない戦友のときから出会って仲間になるというのはなかなか珍しいパターンで(たいていは活動が始まってから仲間になるほうが体感的には多い)、その中でも一真との出会いが、自分をよき方向へ進めてくれた気がしてます。

オーディションを経て、僕を含めた5人グループが結成。数年後に一真が新メンバーとして入るのですが、きっかけはメンバー5人のうちひとりが脱退したことでした。
4人になった僕たちは事務所とも話し合い、新しいメンバーを迎えようという決断になり、僕の頭に浮かんだのは一真でした。彼の音楽性にはいつも感化されていたのです。
すぐ彼に連絡をしました。「話をしたいから、ふたりでカラオケに行こう」と。
熱烈なオファーに、彼も彼なりにたくさん悩んでくれました。「一緒に夢を見たい」という言葉を信じてくれてありがとう、と今でも思っています。
初めに話したオーディションでは、ともにデビューは叶わなかったものの、こうして運命が巡ってきたことが、今思うと仕組まれたことのような気がしてなりません。
7人なら、きっとどこにいても輝ける
今回の記事で話題に出したのは一真だけでしたが。
とまん、バトシン、だお、理来、ゆうた、一真、つばさ。
彼らの未来が明るく輝きますように、願い続けます。
そして、あのときの僕たちを知ってくれていたファンのみんなも、きっと同じように大人になってるのかな。そう思うと幸せです。
鮮烈なデビューから、順風満帆とはいえなかった解散までの道筋。さまざまな意見や向かい風に立ち向かい続けてきた7人なら、きっとどこにいても輝けるはず。
またどこかで巡り会えることを待ってるよ。そして、ずっと幸せでいてください。もちろん今も応援してくれてるみんな、たまたまこの記事に出会ってくれた皆様の幸せも、心から願っています。
僕自身も、あのときにあんなことがあったから今がある!とか、これからもがんばります!とか、紡がれてきた言葉たちに恥じないように、きれい事に聞こえないくらいの努力で皆様を魅了し続けたいと思います。
これを読んでくれている皆様にも、どこかでかたちは違えど似たような経験があるかもしれない、そう思って書き記しておきます。
XOX Forever Love.
僕の俳優人生への第一歩が、みんなの未来への一歩と同じように、たとえ平坦ではなかったとしても、きっといい人生だと思える時間になる。
扉を開けるのは、いつだって自分。
木津つばさエッセイ連載『舞台にさよならを言う前に』過去記事はこちら
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