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生死の狭間、引退勧告…どう乗り越えた?コウメ太夫×赤井英和×いとう大樹“異色の対談”【劇団TEAM-ODAC『舞台・破天荒フェニックス〜2023』】

2023.11.29

文=浜瀬将樹 撮影=前田 立 編集=高橋千里


11月某日夜、とある劇団の座談会に(なぜか)招かれたコウメ太夫。そこにいたのは、元プロボクサーの俳優・赤井英和と、劇団代表・いとう大樹だった──。

左から、赤井英和・コウメ太夫・いとう大樹

その劇団とは、2006年から関東を拠点に活動するTEAM-ODAC。12月6日から上演する 『舞台・破天荒フェニックス〜2023』の稽古真っ最中だった。

本作は、全国450店舗を展開するメガネチェーン店「OWNDAYS(オンデーズ)」を買収した田中修治の実話を描き、3カ月で発行部数5万部を突破した大ヒット小説を舞台化。

新社長に就任した田中を待ち受けていたのは、銀行からの死刑宣告や、相次ぐ裏切り……。倒産寸前の会社を、持ち前の破天荒さで立て直していくストーリーだ。

同劇団では、これまでも本作を2度も舞台化。3度目となる今回は、田中に手を差し伸べる藤田光学・藤田徳之社長を赤井英和が演じる。

そんな劇団を訪れたコウメ太夫も、2008年ころにアパートを購入した“破天荒な経営者”。キャリアも年齢も異なる3人の男たちは、それぞれ「人生の危機」に遭遇したことがあるという共通点を持つ。

彼らはピンチをどのように乗り越え、チャンスに変えたのか? 本作の名シーン5つを切り口に、自身の体験を語ってもらった。

【1】人生で経験した“大きな決断”

【『舞台・破天荒フェニックス』逆境を乗り切るハイライト①】
奥野「俺、会社を辞めてきた」
オンデーズ新社長の田中に誘われ、勤めていたコンサル会社を辞める“大きな決断”をした奥野良孝。彼は、妻の薫に、不良債権14億を抱えるオンデーズのCFOになる、と宣言する。

奥野のように、みなさんが人生の中で経験した“大きな決断”を教えてください。

私は浪速高校でボクシングを始め、近畿大学に進学。モスクワオリンピックを目指してましたが、政治の関係で日本がボイコットになったんです。「何を目指しとったんや」と落ち込んでいたとき、プロ転向の決断をしました。

ボクシングで大学に入れてもらったので、当然辞めるべきやと思って、退学届を持って行ったんですけど、部長先生から「お前のお父さん、お母さんはボクシングのためだけに近大に行かしてくれたわけやないやろ。クラブを辞めても学校は続けなさい」と言っていただけて……。今の赤井英和があるのは、近畿大学の先生のおかげやと思っています。

赤井英和(あかい・ひでかず)1959年生まれ、大阪府出身。プロボクサーとして「浪速のロッキー」という異名で活躍。引退後、俳優に転身。映画『どついたるねん』主演、ドラマ『春よ、来い』『太平記』『秀吉』(いずれもNHK)などに出演。バラエティタレントとしても活躍

僕は劇団を立ち上げたことも大きな決断ですが、劇団ってイメージ的にニッチだし、親からしても不安じゃないですか。親を納得させるために会社にしたのは大きな決断ですね。親も兄弟も、会社にしただけで「もう少しだけ自由にさせていいか」という雰囲気に変わりました(笑)。

コウメさんはいかがですか?

僕は(芸人になる前に)梅沢富美男さんがいた劇団(大衆演劇)に入っていて、そこで白塗りや着物の着方を教わりました。実は、僕をCDデビューさせようという話もあったんですよ。

CDデビュー! すごい。

でも、同時に「CDを出しても売れない」とも言われたので、ちょっと気が重くなっちゃったんですよね。お金をかけてもらうのにCDが売れなかったらどうしよう、と思い始め……。(プレッシャーに耐えられず)劇団を辞めて、お笑いをやる決断をしました。

コウメ太夫(こうめ・だゆう)1972年生まれ、東京都出身。1995年に梅沢富美男劇団に所属し、1997年にお笑い芸人に転身。『エンタの神様』(日本テレビ)で一躍ブレイクし、稼いだ3000万円をアパート経営に投資

白塗りや着物が今のビジュアルにつながっているんですね。

そうなんですよ。もちろん梅沢さんにも感謝していて、コウメになったあと、番組でご一緒したときにごあいさつさせてもらいました。「続けられているのは、梅沢さんのおかげです」とお伝えしたら「美輪明宏さんがお前のこと(梅沢富美男の劇団に所属していた等)なんか言ってるな! そうだよな?」と言われたんですけど……身に覚えがありませんでした。

(笑)。コウメさんは2008年ごろにアパート経営を始めたことでも話題になりましたが、アパートを買うのも大きな決断では?

けっこう悩みましたね。数千万円使いますし、本当に人が入ってくれるのかとか、最悪売ればいいのかなとか……決断するのに時間がかかりました。

がんばらなくなったら嫌なので、あまり言いたくはないですけど、子供には残したいなと思います。やっぱりひとつの財産ですからね。

【2】人生を成功に導いた“スローガン”

【『舞台・破天荒フェニックス』逆境を乗り切るハイライト②】
田中「『目立ったもん勝ち!』これを新生オンデーズ改革のスローガンとします!!」
オンデーズ新社長・田中は、買収したオンデーズの社員を前に「目立ったもん勝ち!」という新会社の“スローガン”を掲げる。

ご自身の人生における“スローガン”を教えてください。

ボクサー時代から、ずっと心に秘めているのは「先手必勝」です。とにかく先に行かんことには勝てんし、子供たちにも「自分から動け」と伝えています。私自身もそういうつもりで生きてきました。

後輩から言われて“いい言葉だな”と思ったのは「向き不向きより、前向き」です。向いている・向いていないは自分で判断できないけど、取り組むことは前向きに……ということですね。

キャリアは違えど、全力で人生を駆け抜けている3人の男たち

僕は「人と同じことをやっちゃわない」ですかね。基礎的なものは一緒でも、根本は違うというか。自分だけの方向に持っていくのは心がけています。

それこそコウメさんは、衣装だったり、ネタだったり、個性がありますもんね。

世の中的には、まあまあ、少ないほうだと思いますね。

ひとりしかいないと思います(笑)。

【3】今でも忘れられない“人生最大の危機”

【『舞台・破天荒フェニックス』逆境を乗り切るハイライト③】
高橋「オンデーズ最大の危機なんです!」
田中が買収したオンデーズは、資金ショート(支払いに必要な金が不足すること)という“最大の危機”を迎える。オンデーズ商品部長の高橋をはじめとする社員たちは、このピンチを目の当たりにし、先行きに不安を覚える。

自分の人生における“最大の危機”と、どう乗り越えたかを教えてください。

(ボクサー時代に)急性硬膜下血腫、脳挫傷になりました。親は、先生から「(命の存続は)8割あきらめてくれ。治っても後遺症が残る可能性が高い」と言われたそうです。

私自身は大病やと思っていないので、意識が戻ったあとも「もう一回現役でやったる、また世界行ったる」という気持ちでいたんですけど、退院のとき、院長先生に呼ばれて……引退勧告をされました。ショックだったんですが、生きてるだけで儲けもんや、と切り替えました。

退院後は時間がいっぱいあったので、いろんな方にあいさつに行く毎日やったんですけど、大学の先生から「ゴロゴロしてるんやったら、うちのクラブを見ろ」と誘っていただいたんです。嘱託職員というかたちで学生にボクシングを教えるようになったのは、大きい出来事ですね。

僕、2歳になる前に飛行機事故で父親を亡くしているんです。当時、寂しさや悔しさの感情を動かしていたことが、今の芝居に活かされているなと思います。寂しい思いはあるんですけど、父がくれた最後の宝物というか。自分の中での危機であり、強くなれた部分かなとも思いますね。

いとう大樹(いとう・だいき)1979年生まれ、大分県出身。2006年に笠原哲平と劇団TEAM-ODACを旗揚げ。現在は役者活動をする傍ら、他劇団のプロデュースや演技レッスンなど、活躍の場を広げている

僕は……母親のお腹にいたころ、中に長くいすぎて「あと数日したら死ぬ」と言われていたらしいんです。

それは……どちらかというと、命の危機のほうですね。

もちろん記憶はないけれど、実は生死の狭間をさまよっていたコウメ太夫

そうですね(笑)。仕事では、25歳からお笑いを始めたんですけど、どんなネタをしても作家さんから「ダメ」と言われ続けていたんですよ。(心が折れて)一度、事務所に辞める電話をしたら「違う作家さんを紹介するから」と言ってくれて。それがあって今に至ります。

ピンチはピンチですけど、僕の危機なんてそんなもんですよ。

いえいえ、大きなピンチだと思います。アパート経営では、危機はありましたか?

入ったばかりの住人の方から「エアコンの音がうるさい」と言われたんですけど、業者さんも僕も「こんなもんだろう」と同じ意見だったんですよ。そしたら、入居者さんが怒っちゃって、いつの間にか出て行っちゃったんです。しかも、故意に床を傷つけられていて……でも、これは危機じゃないか。

入居者トラブルですね(笑)。

【4】困難なことから“逃げ出したくなった”瞬間

【『舞台・破天荒フェニックス』逆境を乗り切るハイライト④】
奥野「僕は、いつも逃げ出したくなるのに」
オンデーズCFOとなった奥野は、信頼してくれている社長の田中に対し、自分は今まで困難にぶつかると「“逃げ出したくなる”タイプだった」と告白する。

今までの人生で、大変なことから“逃げ出したくなったこと”はありますか?

今は何をするべきか、いつも自分に問いかけているので、私の中で「逃げる」という選択肢はないです。

赤井さんの「逃げない」は稽古中にも伝わってきます。これだけの大先輩なのに、稽古場でも自分が率先して練習をされるんですよ。「第一線で活躍するには、こういう姿勢でいないといけないんだな」と思いますね。

僕は先日結婚式を挙げたとき、唯一、逃げたいと思いました(笑)。白タキシードを着て、バージンロードを歩くのが恥ずかしくて……。結局、お酒の勢いでがんばりました。

僕も、自分の結婚式のときはベロベロに酔うてましたね。

3人とも意気投合し、とても仲よくなっていました

コウメさんはいかがですか?

……僕の人生は逃げてばっかりいますね。

(笑)

アルバイトでコンサート会場のゴミ回収をしたときも、みんなが一生懸命拾う中、僕はトイレに入って、終わったころに出てくるんです。ちょっと得したな、みたいな。

最低すぎます(笑)。

【5】無謀な状況下でも、夢を叶える方法

【『舞台・破天荒フェニックス』逆境を乗り切るハイライト⑤】
藤田「何かを成し遂げるときには夢を持たなければ成し得ない」
ピンチに陥ったオンデーズの田中に手を差し伸べたのは、藤田光学・社長の藤田と、常務の山口。オンデーズとともに世界一を目指す“夢”を抱く。

10~20代のころに抱いていた“夢”を教えてください。

私がプロデビューしたジムは、4畳半ぐらいの広さで、サンドバッグも手作り。トレーナーは会長ひとり、選手は私ひとりでした。会長はタクシーの運転手もしていたので、2日に1回は私ひとりで練習する環境です。当時は、大阪の大きなジムでも世界タイトルができなかった時代。やるなら東京に行くしかなかった。

それでも、みんなに「世界タイトル戦をする」と言うて、笑われていましたけど「やってやる」という気持ちで練習を続けたら、1983年7月7日、母校の近畿大学で世界タイトル戦をすることができました。控え室の窓を開けたら、1万何千人、もう知ってる顔ばかり。夢が叶った瞬間でしたね。

僕が劇団を立ち上げたときの目標は、初めて東京で舞台を見た場所「シアターコクーンで芝居をしたい」ということでした。けど最近は、現状を維持することに必死になっているなと、今の赤井さんの話を聞いて反省しましたね。もう一回ギアが入りました。

おふたりとも、努力がすごいなと思いますね。横で聞きながら「なんで私がここにいるのかな」と思い始めました。この舞台に出るわけでもないのに、ここにいても、いいんでしょうか……?

夜道でひとりたそがれるコウメ太夫

いいんですよ(笑)。

そうですか。僕は、小さいころからマイケル・ジャクソンが好きで、ビデオを観てはまねして「いつかはこうなりたい」と思っていたんですけど……こんなことになっちゃいました。

僕の場合、夢は語れないですね。「夢を見たら、こうなる」とお伝えしたいです。

(笑)

「夢を見たら、こうなる」

「夢は叶う」を体現する『舞台・破天荒フェニックス〜2023』

最後に、舞台の見どころを聞かせてください。

現実の話が本になり、それが舞台になっているんですけど、本当に心震える話だと思います。この舞台が伝えたい「夢は叶う」「思いは通じる」というメッセージを受け取っていただけたらうれしいです。

今回の舞台には「ピンチはチャンス」というメッセージが込められています。特に若い方、 何かに迷っている方、もしくは自分がピンチだと思っている方にご覧いただきたいです。

コウメさんのような経営者にもおすすめですね。

夢を叶える勉強をしたいので、僕もぜひ観に行きたいです。

終始「なぜ自分が呼ばれたのだろうか……」と不思議そうな顔をしていました

劇団TEAM-ODAC第42回本公演 『舞台・破天荒フェニックス〜2023』

田中修治が自らの実話を元に書いた小説『破天荒フェニックス』を、劇団TEAM-ODACの笠原哲平の脚本・演出で舞台化。倒産寸前だったメガネチェーン「オンデーズ」を買収した破天荒な男・田中と、彼に振り回される奥野の物語が描かれる。
公演日:12月6日〜11日
会場:こくみん共済 coop ホール(全労済ホール)/スペース・ゼロ

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浜瀬将樹

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浜瀬将樹

(はませ・まさき)1984年生まれのライター、インタビュアー。お笑い、ドラマ好き。移動中に深夜ラジオ聴くのが癒やし。