BE:FIRST、JO1、INIの初出場は?データで見る『紅白』におけるボーイズグループの変遷

2022.11.8
データで見る『紅白』におけるボーイズ

文=於 ありさ 編集=森田真規


1951年に正月のラジオ番組としてスタートした『NHK紅白歌合戦』は、1953年から現在と同じ大晦日の夜にテレビ中継されるようになり、今年で73回目の放送を迎えることに。

本稿では、『紅白歌合戦』に出場したボーイズグループの変遷を辿りつつ、2022年に初出場する可能性があるグループについて考察する。


現在の音楽市場を語る上で欠かせないボーイズグループ

ここ2〜3年、幾度となく言われていることだが、現在の音楽市場を語る上でボーイズグループの存在は欠かせない。半世紀にわたり男性アイドルシーンを牽引しつづけるジャニーズ勢や、2000年代以降、根強い人気を誇るLDH系やK-POPグループ。

近年では、そこに加えて、BE:FIRSTやJO1、INIといったオーディション番組発のグループの活躍も目覚ましい印象だ。実際、大型音楽特番の出演者としても当たり前のようにラインナップされている彼ら。この流れを汲んで、大晦日の風物詩『紅白歌合戦』への出場もじゅうぶん期待できると感じているのは、筆者だけではないだろう。

本稿では、過去『紅白歌合戦』に出演したボーイズグループを、当時の時代背景と絡めながら解説。2022年に出場する可能性のあるボーイズグループを考察する。

始まりは1965年。アイドルの確固たる地位を築いたジャニーズ:初代ジャニーズ、シブがき隊、少年隊、男闘呼組、光GENJI、SMAP、TOKIO、嵐

『紅白歌合戦』にボーイズグループが初出場したのは、1965年の第16回放送でのこと。ジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川がプロデュースを務めた4人組ジャニーズ(いわゆる初代ジャニーズ)が音楽劇『三文オペラ』の劇中歌「マック・ザ・ナイフ」を披露したのが始まりだ。

さらに1980年代、アイドル黄金世代となるとボーイズグループの勢いは隆盛。1982年にはシブがき隊、1984年にはアイドル的人気を誇っていた7人組ロックバンド・チェッカーズ、1986年には少年隊、1988年には男闘呼組と光GENJIが初登場を決めている。放送開始当初はソロで出場するアーティストが多かった紅白において、1980年代以降はボーイズグループやソロのアイドル歌手が当たり前のように出場枠を確保している印象だ。

ジャニーズ事務所のタレントに目を向けてみると、1988年に結成し、1991年にCDデビューをしたSMAPは累計で23回出場。2003年にはダブルミリオンを記録した『世界に一つだけの花』(累計の売り上げは300万枚超え)で大トリに抜擢。ボーイズグループが大トリを務めたのは、紅白始まって以来初めてのことであり、名実共に“国民的グループ”として堂々たるパフォーマンスを披露した。

そのほかにも、24回連続出場を記録したTOKIOや、第61回から65回放送まで5年連続で白組司会を務めた嵐など、紅白の歴史を語る上では見逃せないグループも。J-POPを語る上で、ボーイズグループがいかに欠かせない存在なのかは明白だ。

嵐 - Happiness [Official Music Video]

90年代後半〜00年代初期、NHK音楽番組での反響と音楽賞での評価を重要視:DA PUMP、w-inds.

1990年代後半から2000年代初期の出場者をチェックすると、そのジャンルは一気に幅を広げたように思える。特に1998年は『ASAYAN』(テレビ東京)発の女性アイドルグループ・モーニング娘。や、2人組女性アーティストKiroro、黄金期を迎えていたヴィジュアル系バンドの代表格L’Arc〜en〜CielとLUNA SEAが初出場しており、ラインナップが多彩になった。

そんな年に初登場を決めたボーイズグループは、今もなお活躍をつづけているDA PUMPだった。また、DA PUMPの後輩グループw-inds.は、2002年の第53回放送に初登場している。

この2組には、ふたつの共通点が見受けられる。ひとつは各音楽賞で評価されていること。たとえば、DA PUMPは初の紅白出場を果たした1998年、第12回日本ゴールドディスク大賞にてベスト・ニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤー(邦楽)と、第31回日本有線大賞(1998年12月4日)の有線音楽賞を受賞。w-inds.は『Forever Memories』でメジャーデビューをした2001年に第43回日本レコード大賞にて最優秀新人賞を受賞し、その翌年に紅白への出場を決めているのだ。

DA PUMP / Rhapsody in Blue
NEW PARADISE(MUSIC VIDEO Full ver.) / w-inds.

もうひとつは、1993年から14年間にわたって放送された音楽番組『ポップジャム』に幾度となく出演していたことだ。これはDA PUMPとw-inds.に限ったことではなく、先述した1998年初出場アーティストにもいえること。当時、NHKが放送していた若者向け音楽番組『ポップジャム』での反響が、紅白出場者を選定する上での指標となっていたのではないかと想像できる。

2022年、すべての条件がそろった3組:BE:FIRST、JO1、INI


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於 ありさ

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