2000年代、CDの売り上げ枚数で結果を残した日韓グループの台頭:EXILE、東方神起
もちろんCDの売り上げ枚数や各チャートなどの影響も大きい。
たとえば、2003年に初出場したEXILEは、同年11月に発売した10枚目のシングル『Choo Choo TRAIN』でオリコン週間ランキング2位を、着うたダウンロードランキングで1位を獲得、12月3日に発売した3枚目のアルバム『EXILE ENTERTAINMENT』では、初のミリオンセラーを記録している。
2003年に結成し、2005年に日本デビューを果たした5人組韓国アーティスト・東方神起(現在は2人組)は、2008年に紅白初出場。これは、スズキ「シボレー・MW」のCMソングとしても起用された、16枚目のシングル『Purple Line』で、自身初のオリコン週間シングルランキング1位を獲得した年のことだった。
2010年代後半〜2020年代、昔ながらの地道な活動&SNSでの話題性:純烈、DISH//
2018年に初出場したムード歌謡コーラスグループ・純烈も例外ではない。2010年にデビューするも、そこからしばらくの間、全国のスーパー銭湯や健康センターなどでパフォーマンスをつづけていた彼ら。その地道な活動が噂を呼び、『愛でしばりたい』がオリコンデイリーCDシングルチャートで自身初の1位を記録したのは2017年、次作『プロポーズ』がオリコン演歌・歌謡曲ウィークリーチャート1位を獲得したのは2018年のことだった。その勢いに乗り、活動当初から掲げていた目標のひとつ「紅白出場」を叶えたのだ。
その一方、音楽をサブスクで楽しむユーザーが増え、SNSが普及した2020年代以降はインターネット上での再生回数や話題性が大きく影響している印象だ。
2021年に結成10周年にして初出場を果たしたDISH//は、その象徴ともいえる。2017年に発売された『僕たちがやりました』のカップリング曲「猫」。ファンの間で評価されつづけてきた知られざる名曲で、4年後に行われた第72回紅白歌合戦に出場したのは、2020年3月にYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』での動画が話題になり、再生回数を伸ばしつづけたからだろう。
2022年、すべての条件がそろった3組:BE:FIRST、JO1、INI
『紅白歌合戦』の放送開始から約70年。近年では、インターネットや動画配信サイトが普及し、テレビ離れが叫ばれているが、それでもなお『紅白歌合戦』は大晦日の一大コンテンツとして健在だ。
実際、自分が応援しているアーティストが出場者に選出されると喜ぶファンや、放送当日にリアルタイムで感想を“実況”しているSNSユーザーは多い。これらの傾向を見ると、インターネット上での影響が出場者ラインナップに影響していることも納得する。
そんなことを踏まえて考えると、今年の音楽シーンを牽引しつづけたBE:FIRSTやJO1、INIといったボーイズグループの初出場はじゅうぶんにあり得るだろう。
インターネット上でのファンの拡散力は折り紙つき、リリースしたCDの売り上げも上々な上、毎週土曜日に放送されている音楽番組『Venue101』に出演した経験もある3組。デビュー以来、勢いを増しつづけている彼らが歴史ある大晦日の音楽番組で、幅広い視聴者の心を掴むことを期待したい。