ルビー・ギリスと重ねてしまう
メアリーはドラマのオリジナル登場人物なので、原作の『赤毛のアン』には存在しないエピソードだ。
だが、アンの親しい人が亡くなる場面は原作にもいくつかある。
たとえば、『アンの愛情』の第14章「天からのお召し」では、アンの同級生ルビー・ギリスが肺病で亡くなる。
葬列が家を出る前、ルビーの母親が、亡くなったルビーが刺繍していたテーブルセンターをアンに渡す。
「人は必ず、未完のしごとを、あとに残して逝くんだね」リンド夫人は涙を浮かべた。
『アンの愛情』L.M.モンゴメリ 著/松本侑子 訳/文藝春秋
「でも、代わりに終わらせてくれる人も、必ずいるんだよ」
第3話の最後、光の中、ゆっくりと揺れる凧が映し出される。
復活祭の凧は、イエス・キリストが天国に昇っていったことの象徴だ。
みんなが「フランシスコの平和の祈り」を唱和する声が、凧の映像に重なる。
「我らは与えることで受け取り、許すことで許される。死ぬことによって、永遠の命のもとに我らは生まれる」
『アンという名の少女』全話レビュー・あらすじまとめ/記事一覧
『アンという名の少女』
原題:Anne with an “E”
制作:2017年 カナダ
原作:L・M・モンゴメリ
製作総指揮:モイラ・ウォリー=ベケット
キャスト
アン・シャーリー(エイミーベス・マクナルティ)(上田真紗子)
マリラ・カスバート(ジェラルディン・ジェームズ)(一柳みる)
マシュー・カスバート(R・H・トムソン)(浦山迅)
ダイアナ・バリー(ダリラ・ベラ)(米倉希代子)
ギルバート・ブライス(ルーカス・ジェイド・ズマン)(金本涼輔)
レイチェル・リンド(コリーン・コスロ)(堀越真己)
ジェリー・ベイナード(エイメリック・ジェット・モンタズ)(霧生晃司)
Netflixシーズン1から3まで配信中