コロナ禍できょうだい子猫3匹の里親を探す日々〈猫を飼う条件:思っていたのとはちがうすべてを楽しめること〉

2021.11.19


オンラインお見合いとリアルお見合い

いつもの通り、メールのやりとりで先方の状況や条件などを確認したあと、今回から初めて「オンライン(Zoom)でのお見合い」を挟んでみることにした。

これが、とてもよかった。

まず、猫の普段どおりの様子を見てもらうことができる。場所が変わったり、知らない人が家に来たりすると、とたんに警戒してしまうのが、猫だ。オンラインであれば、猫に負担を掛けることなく、家での様子(暴れっぷりも含めて)を知ってもらえる。

人間側にもメリットしかなかった。これまで顔もわからなければ、これから猫を飼う場所の様子もわからなかったのが、双方映像で確認できるので、平たくいうと「安心できる」のだ。おたがい。顔が見えるコミュニケーションは、案外大事。

コロナ禍で一般的になったオンラインミーティングのしくみ、猫の譲渡にもとても有効だと思った。

顔を見ながらだと、話も早い。その週の週末に実際「ぶん」と会ってもらうことになった。場所は動物病院。

案の定、「ぶん」はケージの隅で他人事みたいに縮こまっていたけれど、普段の様子はZoomで見てもらっているから大丈夫。実際に触れてもらって、子猫の抗えないかわいさを目の当たりにしてもらう。

「かわいいですね」と、少しおっかなびっくりな手つきでなでながら、まぶしそうに「ぶん」を見る里親さんの表情こそがまぶしかった。微笑ましくて、多幸感のある空間だった。当の「ぶん」を除いては。

そして、その場で譲渡が決まる。もう名前も考えてくれていて「ぶん」は晴れて「寅」という名前になることになった。
あんなに「ぶん」という名前がしっくりきていたのに「寅」と聞いた瞬間、「似合う!」と思ったのが、我ながら不思議だ。

〈仮の名を呼びなれた頃もらい手が決まって猫の名だけが残る〉

きょうだい猫
むぎゅー

お届けまでの日々


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仁尾智

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仁尾 智

(にお・さとる)猫歌人。1968年生まれ。1999年に五行歌を作り始める。2004年『枡野浩一のかんたん短歌blog』と出会い、短歌を作り始める。短歌代表作に『ドラえもん短歌』(小学館文庫)収録の《自転車で君を家まで送ってた どこでもドアがなくてよかった》などがある。『猫びより』で「猫のいる家に帰り..

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