『アンという名の少女』シーズン2<5話>「キスって何のためにするの?」アンの好奇心にマリラ大困惑

文=米光一成 編集=アライユキコ


Netflix配信中の『アンという名の少女』は、原作『赤毛のアン』に現代的解釈を大胆に加えた作品。『はぁって言うゲーム』の作者でライターの米光一成によるシーズン2の各話レビュー、赤毛やソバカス、器量について悩むアン。原作のあのエピソードが登場します!

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醜い孤児にはキスできない

『アンという名の少女』シーズン2の第5話「彼女の生涯を決定した行為」。
アンが「キスって何のためにするの?」と質問攻めにしてマリラとマシューを困惑させたり、ビンを回して指し示す人とキスするゲームをやったり思春期の巻。
同時に、「マイノリティがどう生きるか」というテーマがストレートに表現された回でもあった。

「ぼくはふつうじゃない」
「そんなの別に悪いことじゃない」

先生から嫌われている少年、コール・マッケンジーと、アンの会話だ。
アンは、「独特よ」(You’re unique.)と言うが、コールは「そんなのは嫌だ。変人ってことだ」(Unique means weird.)と返す。

「変人」というワードは、この後キスゲームの場面で繰り返される。
ジョージー・パイが主催するキスゲーム。ビンを回して、ビンが示す先の人と、回した人がキスをする遊びだ。
キスゲームで、アンがキスすることになる。だが、男子たちが「醜い孤児にはキスできない」と言ってあざ笑う。
ジョージー・パイが「怒って顔が赤くなると髪の色とおそろいになるわね」とさらに嫌なことを言う。傷つくアン。
コールが立ち上がりアンを助けるように「キスするよ」という。
みんながはやし立てる。

「キスしろ、変人」(Kiss, freaks. Kiss.)と、ビリー・アンドリュースやジョージー・パイたちがはやし立てる。この時の変人はweirdではなくfreaksだ。

「やめて」とダイアナが言っても止まらない。ほかの女の子たちはとまどっている。
アンは、王子様がお姫様にするようにコールを扱い、頬にキスする。
笑って、戸惑っていたみんなが拍手する。

Netflixシリーズ『アンという名の少女』シーズン1~3独占配信中
シーズン2の重要人物コール・マッケンジー/Netflixシリーズ『アンという名の少女』シーズン1~3独占配信中

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